狭心症 冠動脈病変の分類
2006年 01月 08日
どのような病変であるかを記録しなければなりません.
一番わかりやすく簡単なものが
AHA分類による狭窄度の分類です.
これは、狭窄度をパーセント表示したものです.
25%、50%、75%、90%、100%となります.
従来は、冠動脈造影から手動、目測で計測していましたが
最近では、冠動脈造影装置にコンピュータプログラムが内蔵
されており、自動で狭窄度を計測することができます.
(QCAと呼ばれます)
造影所見による狭窄度からだけであれば
75%以上の狭窄が治療の対象となります.
ただし実際には造影所見のみでは、病態を完全に把握することが
難しく、75%以下の病変でも臨床症状、病変の性状、状況(解離など)、
血管内超音波の所見などを参考にして治療を行っています.
冠動脈狭窄病変(プラーク)はさらにその性状から分類されます.
Type A 限局性病変(<10mm)、同心性病変(Concentric)、
近位部が軽度屈曲あるも 病変部での屈曲なし、
辺縁は整、石灰化なしか石灰化軽度
非完全閉塞病変、非入口部病変、非分岐部病変、血栓なし
Type B 円筒状病変(10〜20mm)、偏心性病変(Eccentric)、
近位部が中等度の屈曲 病変部が中等度の屈曲あり、
辺縁不整、石灰化中等度〜高度の石灰化
3ヶ月以内の慢性完全閉塞(CTO)、
入口部病変、分岐部病変、少量の血栓
Type C びまん性病変(>20mm)、
近位部が高度の屈曲、病変部が高度の屈曲を示す(屈曲病変)、
3ヶ月以上経過した慢性完全閉塞病変(CTO)、
主要分岐部、グラフト病変
つまり、見た目の狭窄度が75%未満でも 血栓を伴っていたり
主要分岐部の病変、入口部の病変(左主幹部を含む)、血栓像を伴う
などの所見がある場合は、治療の対象となります.
Type AからType C になるに従って、治療の困難度も増加します.
Type B、Type C の病変では、バイパス手術が必要となることもあります.