もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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IT化ー時代に取り残されることの不安

病院でも、IT化が進んでいます.
各種の医療機器も全てデジタル化されています.
例えば人工呼吸器もコンパクトになり
いろいろな機能が追加されて便利になった一方で
設定が複雑になっています.
病院内でも、カルテの電子化は時代の流れて
これまでの手書きのカルテからパソコン、キーボードからの
入力に変わりつつあります.
医療画像配信もこれまでのフィルムベースの写真から
デジタル配信(PACS)に変わって行きます.

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一般企業と同じように
病院、医療機関の中でもいわゆるパソコン、電子機器を
これまで以上に取り扱う必要に迫られています.
経験の長いベテランのスタッフも
一からキーボード入力を覚えたり、パソコンの知識を
勉強して行かなければなりません.
このようなIT の知識は、やはり若いスタッフのほうが
覚えも早く、得意としています.

その一方で、病院での医療業務、患者のケアは
長い経験がものをいう世界でもあります.

IT 機器、電子機器は、病院スタッフの労力を
緩和するためのものであり
患者のケアをより高いレベルで行うのが目的です.

病院内には、これらのIT 機器、電子機器を専門に管理する
プロフェッショナルである臨床工学士(ME)と呼ばれる
人たちも働いています.
電子機器の管理は、彼らに任せればよいと思います.
彼らのサポートを受けて、安全に機器を使用すれば
なんの問題もありません.

極端なことをいえば、IT の専門的な知識がなくても
キーボードで流ちょうに入力出来なくても
みなさんの長い経験を生かして、患者さんのケアを
続けることが一番重要です.

五木 寛之さんの 不安の力という本があります.
その中に 時代に取り残されることへの不安という章があります.
そのなかで 五木 さんは、こう書かれています.
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「無知の知」とソクラテスは言っています.
知らないことは恥ではない.ひとりの人間が
知ることのできる量などたかが知れています.
これは開き直りではありません.事実です.
知らないことを恥じる必要はない、聞かないことを
恥じるべきだ、という言葉もあります.
自信を持って、と言うと、変ですが、
自然な態度で聞けば、相手もむやみに攻撃的になったり
することはないはずです.(中略)
自分の力だけですべてを知ってしまおうと、
むなしい努力をするよりも、知らないことに出会ったとき、
質問をすれば、答えてくれる仲間や部下をひとりでも多く
持てるようになるように心がけたほうが、人生は豊かになると、
ぼくは思っています.
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病院、そして救急の場において
患者さんのケア、救命のためには、いろいろな専門職の方の経験と
知識が必要です.
IT化、電子化はあくまで手段であって、便宜上のものです.
それが最終目的ではないのです.
私たちの目指すべきところは、
あくまで患者さんのケア、患者さんの救命です.

五木 寛之さんの 言葉にならって
みんなで 力を合わせて行きましょう.

参考;不安の力 五木 寛之 集英社文庫
by yangt3 | 2006-02-19 14:05 | 一般