もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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DNR

DNR という言葉があります.
Do Not Resuscitateという言葉の略です.
CPR 心肺蘇生に相反する言葉です.
その意味は、ガンの末期状態、老衰、救命の可能性がない方に
本人または、家族の方の希望によって心肺蘇生を
行わないことをいいます.
尊厳死、延命治療などの概念と関連するものです.

欧米などの諸外国では
医療を受けることを拒否することも
患者自身の権利であるとされています.

日本ではどうでしょうか.
医療側にも患者さん側にも
心肺蘇生行為をしないことが非人道的であるという感覚が
まだ残っているように思います.
医療現場において死を語ることすら
躊躇する雰囲気がまだ残っている状態です.
救急現場では、DNRはあり得ず、たとえ来院時心肺停止でも
可能性がゼロで無い限り、とりあえず蘇生努力をするという
原則となっています.

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DNRを考えなければならない患者さんにおいては
しばしば本人は人工呼吸器に繋がれていたり
意識障害であったりし、本人の意思の確認ができなことが
多くあります.
そこでDNRの相談は、ただでさえ大切な人の病気で
ぼろぼろになって、なおかつ介護で疲労困憊しているであろう
家族と行うことになります.

現時点での治療の限界、医療の限界について
病状についてしっかり家族の方に理解していただき
そして苦渋の決断をしていただかなければなりません.

医師も、DNRについてお話するときには
家族の方と同様に悩み苦しんでいます.

私の身内も数年前に
消化器系の進行癌で末期状態となりました.
外科手術は受けたものの、その後経過が思わしくなく
長い入院生活の末 永眠しました.

家族の立場にたたされて
少しでも直る可能性があるのであれば努力を続けて欲しい
という思いと
進行癌で可能性が少ないのであれば
苦しむ時間を引き伸ばしたくないという
相反するふたつの思いで
揺れ動きました.

その人への思いが強ければ強いほど
悩み苦しみ、すぐに結論は出せないものです.

なかなか結論はでない問題だと思います.
大切な家族の最期を見取るのも つらいとは思いますが
家族の方にしかお願いできないことです.

たとえ治療が限界になろうとも
私たち病院スタッフが家族の方の支えになることは
できると思っています.

なんでも相談していただけるようにと
思っています.
by yangt3 | 2006-03-05 11:08 | 一般