睡眠時無呼吸症候群と心臓病
2006年 03月 13日
睡眠時無呼吸症候群と心臓病との関係が問題になっています.
具体的な事実としては
・習慣的にいびきをかく人では、いびきをかかない人に比べて
虚血性心疾患の発生頻度が
1.6 〜6.9倍高いといわれています.
・睡眠時無呼吸症候群の患者さん
では、無呼吸のない人に比べて
心房細動、心室頻拍、心室性不整脈
の発生頻度が
有意に高いといわれています
・睡眠時無呼吸症候群の患者さん
では、無呼吸のない人に比べて
高血圧を発症する危険性が
高くなるといわれています.
・心不全の患者さんが
睡眠時無呼吸症候群を合併した
場合、予後が悪化すると
いわれています.
睡眠時無呼吸症候群においては、
夜間睡眠時に
通常よりも交感神経系が亢進状態に
あるといわれています.
高血圧、虚血性心疾患、不整脈、慢性心不全などが
交感神経の亢進によって悪化することが最近わかってきています.
このため治療として交感神経の亢進を抑えるβブロッカーが有効です.
睡眠時無呼吸症候群については、多くの大学病院にて
専門外来が設けられて専門的診断、治療が行われています.
睡眠時無呼吸症候群が心臓病を悪化させる可能性があり
積極的に治療する意味があると思われます.