もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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睡眠時無呼吸症候群と心臓病

最近、なにかと話題になる睡眠時無呼吸症候群ですが
睡眠時無呼吸症候群と心臓病との関係が問題になっています.

具体的な事実としては

・習慣的にいびきをかく人では、いびきをかかない人に比べて睡眠時無呼吸症候群と心臓病_a0055913_14132345.jpg
 虚血性心疾患の発生頻度が
 1.6 〜6.9倍高いといわれています.

・睡眠時無呼吸症候群の患者さん
 では、無呼吸のない人に比べて
 心房細動、心室頻拍、心室性不整脈
 の発生頻度が
 有意に高いといわれています

・睡眠時無呼吸症候群の患者さん
 では、無呼吸のない人に比べて
 高血圧を発症する危険性が
 高くなるといわれています.

・心不全の患者さんが
 睡眠時無呼吸症候群を合併した
 場合、予後が悪化すると
 いわれています.

睡眠時無呼吸症候群においては、
夜間睡眠時に
通常よりも交感神経系が亢進状態に
あるといわれています.

高血圧、虚血性心疾患、不整脈、慢性心不全などが
交感神経の亢進によって悪化することが最近わかってきています.
このため治療として交感神経の亢進を抑えるβブロッカーが有効です.

睡眠時無呼吸症候群については、多くの大学病院にて
専門外来が設けられて専門的診断、治療が行われています.
睡眠時無呼吸症候群が心臓病を悪化させる可能性があり
積極的に治療する意味があると思われます.
by yangt3 | 2006-03-13 14:19