もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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急性心筋梗塞の1例

60代の男性の方です.
突然の胸痛発作にて来院されました.
来院時の心電図で
是頬部誘導の著明なST上昇を認めました.
急性心筋梗塞の診断にてただちに
カテーテル治療が行われました.

治療は右手首から行っています.
(右橈骨動脈アプローチ;TRI)
冠動脈造影にて左前下行枝#6にて完全閉塞を認めました.

a0055913_919187.gif


この病変による急性心筋梗塞と診断.
ただちにカテーテル治療を続行しました.
当院では、全てのカテーテル治療を
血管内超音波(IVUS)を用いて行っています.

ガイドワイヤーによる病変クロス、
血栓吸引カテーテルによる血栓吸引、
前拡張バルーンによる病変の拡張などを施行し
冠動脈ステント植え込みを
行っています.

まず左前下行枝#7に
Cypher 2.5 x 23 mmを植え込み施行

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続いて左前下行枝近位部から
Cypher 3.0 x 23 mmを植え込み施行.

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両方のステントは、きちんと
オーバーラップしていて、病変は
フルカバーされています.

最期に後拡張バルーンにて
血管内超音波の所見を参考にして
ステントを十分に拡張しました.

治療にて冠動脈血流は良好です.

a0055913_923211.gif


その後の経過も良好です.

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このように急性心筋梗塞の症例でも、十分な血栓吸引を行い
血管内超音波ガイドによる確実なステント植え込みを
行えば、薬剤溶出ステント Cypherによる治療は
安全であり、かつ将来の再狭窄、再発の危険が
減少します.

薬剤溶出ステント Cypher使用の問題点としては
ステント植え込み後の血栓性閉塞が0.5%程度起こるということです.
十分な血栓吸引を行うこと
血管内超音波を使用して病変に適したステントを使用すること
複雑な病変(主幹部、近位の分岐部など)は
無理をせず、主要な病変のみ治療するなど
いくつかの細かい点を注意して
危険性を減らして治療が可能です.

以前ご紹介したステント植え込み後の慢性期の血栓発症については
今のところ学会でも結論がでておらず、
次のステントの改良までは
アスピリンを継続して内服を続けていただくことが重要です.
by yangt3 | 2006-03-16 09:23 | カテーテルの話題