もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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高血圧と心筋梗塞

Framingham Heart Studyという有名な研究があります.
Framingham の住民を対象にしてLevy博士らが
高血圧、心不全、心筋梗塞などを調査しています.
この研究によりますと

・高血圧は左室肥大の原因となる
・高血圧のみでの心筋梗塞のリスクはそれほど強くはない
・高血圧に喫煙、高脂血症、糖尿病などのリスクが加わって
 心筋梗塞の発症が増える

とされています.

高血圧と心臓病の関係はどうなっているのでしょうか.




心筋梗塞の発症は、さまざまなリスクファクターが重なって
生じてくるものです.
つまり心筋梗塞の原因となる冠動脈の動脈硬化の
原因は、様々な因子によって悪化していきます.
つまり心筋梗塞を予防するためには
高血圧の治療のみでなく、禁煙の徹底
高脂血症、糖尿病などの合併症の治療などが必要になります.

高血圧と心筋梗塞_a0055913_12261586.gif


高血圧単独では、左室肥大の原因となり
ひいては、左室機能障害から慢性心不全を来してきます.
十分な高血圧の治療を受けなければ大変です.

当たり前のことですが
高血圧の治療は、単に毎日図る血圧を下げるということでなく
高血圧によって引き起こされる内蔵の様々な病気を
予防するためです.
つまり、大切な内蔵を守る為に高血圧を治療するのです.
具体的には、心臓、脳、腎臓、眼、大動脈などを
一生懸命に守って行かなければいけません.

特に心臓疾患(心不全、心筋梗塞、狭心症)などに合併した
高血圧の治療は、細心の注意が必要になります.
かかりつけの先生によく見ていただいて
定期的に内蔵の検診を受けましょう.
by yangt3 | 2006-03-24 12:26