もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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医療現場でのチープ革命 ー梅田 信夫氏の「ウェブ進化論」を読む その2

先日紹介した 梅田 信夫氏の「ウェブ進化論」の話の続きです.

医療現場でもパソコンと同様に
日進月歩であらゆる医療機器が進歩を続けています.
電子カルテの導入も、徐々に進められており
医療の電子化と言う形で進化が進んでいます.
ウェブ進化論の知恵を医療に応用できるでしょうか.

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医療現場では、まだ紙カルテのところが主流ですが
オーダリングシステム、電子カルテ
レセプトシステムなど徐々に業務の電子化が進められています
医療保険のレセプトについても厚生労働省は
将来オンラインでのレセプト導入を表明しています.

チープ革命という面からすると
例えば高機能のCT、MRなどの医療診断機器も
パソコンと同様に、同じ価格帯で
どんどん高機能になってきています.
現在のCTやMRを使えば、血管造影と同様の
微細な高画質の血管像を得ることも容易です.

心室細動の治療に必須のAEDも現在では
パソコンと同様の価格で爆発的に普及が進んでいます.
医療現場の様々な場面で高機能な医療機器が次々と
技術革新され導入され続けています.

今では入院施設のある病院であれば、CTもMRIも
検査を受けることができます.
開業医の先生もCT、MRIの検査を行っている所も沢山あります.

私が研修医の頃に比べて、これらの画像診断は
格段の進歩があり、診断能も向上しています.

診断のツールだけでなく
様々な治療機器も年々進歩を続けています.
外科領域であれば内視鏡手術、内視鏡処置があります.
私が研修医の頃は、まだ光学式の内視鏡しかなく
術者と、助手の2人しか 内視鏡の映像を見ることができませんでした.
現在では、内視鏡のほとんどが電子内視鏡に置き換えられ
大きなモニターで、内視鏡の映像を皆で見ることが
可能になっています.
電子内視鏡の導入は、昔の内視鏡修業がいわゆる徒弟制度であったものを
一度に沢山の人が見ることができるようになり
また映像のビデオ記録も容易になり
誰でもが昔より比較的短期間に、そしてより確実に
内視鏡の技術を身に付けることができるようになっています.

内視鏡手術も同様です.様々な手術器具の進歩に加え
内視鏡の画面を大きなモニターで見ながら手術が可能になり
安全で確実な治療が可能になっています.
医師のみならず、その他の医療職種のスタッフも
モニターを見ることが出来るようになり
これまで密室の治療であったものも公開性が高まったと
考えられます.

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私の専門である血管カテーテル検査機器も格段の進歩を遂げています.
学生の頃は、ステントも風船治療もまだ研究の段階でした.
その頃主流であったのは、急性心筋梗塞の際に
緊急カテーテルを行い、閉塞した冠動脈にカテーテルより
血栓溶解の薬剤を直接注入するという治療でした.(PTCR)

その後、冠動脈のバルーン治療が登場し
順次、ステント植え込み治療の時代に進歩.
現在では、これまで紹介してきたように薬剤溶出ステントを
用いたカテーテル治療が中心になってきています.
カテーテル検査のモニターも従来のブラウン管型のモニターから
現在ではデジタル化されたフラットパネルが主流です.

画像の解像度も格段の進歩です.
内視鏡と同様に、これまでは、限られたスタッフの
密室の検査、治療であったものが
治療も検査もオープンとなり、
多くの医療スタッフが検査、治療を
オンラインで同時にチェックすることが可能になり
安全性、確実性が高まったと言えます.

このように医療の世界でも
チープ革命と呼ばれる現象が起こっていると言えます.
チープ革命による医療機器の進歩と普及により
医療の質の向上が起こり
内視鏡やカテーテル検査で代表されるように
密室の治療からの脱却が起こりつつあると考えられます.
by yangt3 | 2006-03-30 08:27 | 一般