もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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整備士OBを再雇用 若手と組み技術伝承

最近トラブル続きの日本航空ですが
60歳で定年退職する整備士OBらを再雇用し
若手整備士と2人でチームを組ませて
ベテランの技術を若手に伝承するという体制を
打ちだしました.
ベテランの技術伝承と言う点で航空機業界だけでなく
医療業界でも参考になることではないでしょうか.

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[日航]整備士OBを再雇用 若手と組み技術伝承
毎日新聞 4月9日

日本航空(JAL)は60歳で定年退職する整備士OBらの
再雇用制度を、新経営陣が発足する6月以降、
本格的に導入する方針を明らかにした。
OBと若手整備士の2人で整備作業に従事させ、
ベテランの技術を伝承するとともに整備ミスを防ぐ体制を築く。
運航トラブルや、グループ役員が代表取締役3人の
退陣を求めた内紛で揺れるJALは早期に安全対策を確立させ、
利用者の信頼を取り戻したい考えだ。

JALでは3月下旬、整備士が
MD87型機の点検期限を見過ごした上、
問題発覚後も手抜き検査で済ませて
再運航していたことが発覚。
国土交通省に今月5日提出した再発防止策では、
重要な整備については
複数人数での作業を徹底させる方針を盛り込んだ。

整備体制強化のため、JALは07年度に技術系の採用を
従来の約15人から四十数人に大幅増加する方針だが、
機体などの整備には長年培った技術や経験が欠かせない。

一方、「団塊の世代」の整備士らが大量に退職することや、
改正された
「高齢者等の雇用の安定等に関する法律」(4月施行)で
65歳までの継続雇用制度の導入が義務化されることを念頭に、
05年11月に再雇用を促す
「JALグループシニアセンター」を設立した。
新経営体制の発足を機に、
整備士OBを中心にベテランの再活用を積極的に図り、
若手に技術や経験を伝えていく考えだ。

再雇用を希望する55歳以上の整備士やパイロットなどの
運航乗務員らにセンターに登録してもらい、
定年後も65歳まで整備や運航の現場で再雇用する。
ある役員は
「一連の運航トラブルに対するベテランの危機感が募っており、
再雇用への反応は強い」と期待している。
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小さなミスが重大な結果に繋がるという点では
航空業界も医療界も同じだと思います.
さらには、機械や環境よりも
人間のミス、いわゆるヒューマンエラーが
大きな原因であるということも共通しています.

重大なミスを防いで行くためには
頭数だけ人員を増やしてもダメだということです.

もちろん必要な人員さえも 体制を整備できないということは
問題外です.
(医療を取り巻く環境はきびしく、看護士さんも不足し
小児科医、産婦人科医も不足し、
地方や過疎地域での医療従事者も不足という悲しい現状です.)

必要な人員をそろえて
なおかつヒューマンエラーを起こさない為の
工夫や教育が必要となります.

今回、日本航空が打ちだした整備士OB再雇用による
若手教育というのは一つの方法であります.

医師の世界でも、新しい臨床研修精度の普及で
医学部を卒業した若い医師たちは
大学の医局を離れて
実際の臨床に役立つ教育を受けられる病院に
研修に出かけています.

ただし実際には、研修先の先輩医師たちも
自分たちの仕事に追われて
若い研修医の先生たちを手取り足取り
教えられる環境にある病院は
まだまだ少ないようです.

医療現場の進歩は早く、ベテランスタッフも常に勉強して
学会や医学雑誌をチェックしなければ
時代の進歩に取り残されてしまいます.
昨日まで正しかったことが
今日誤りだということは日常茶飯事です.

それでも医療現場でも、基本的な臨床スキルは
昔も今も変わらないと考えます.
病を背負って苦しんでいる患者さんへの接し方
基本的な面接の仕方、基本的な診察の仕方、
インフォームドコンセントやわかりやすい説明の仕方など.
変わらない基本的な臨床技能、救急技能というものがあります.

救急外来での深夜までの勤務や、連日の徹夜や、
頻回の当直などの激しい勤務に、
もはや体のついていかないベテランのスタッフも
基本的なスキルは、若い人に教えることは可能だと思います.

医療界でも日本航空にならって、
ベテランの技能と知識(度胸かもしれない)を
有効に活用する方法を考える時に来ていると思います.

これからの医療を良くして行くためには、
やはり若手の医療スタッフに頑張ってもらうしかないのですから.

東可児病院でも上記のポリシーで
新人教育に力を入れて行きたいと考えています.
by yangt3 | 2006-04-10 00:15 | ニュース