もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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医療現場のコンピューターも消毒が必要

医療現場で日常的に目にするものが
感染の原因となることは、以前にも紹介しました.
白衣、聴診器などが細菌感染の原因となり得るということでした.

一方で医療現場でのIT化が進み
あらゆる場所でコンピュータが使われるようになりました.
今回、医療現場で使用されるコンピュータのキーボードが
細菌感染の原因となるという
研究報告がありました.

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コンピューターのキーボードは毎日消毒すべき
微生物によるキーボード汚染は一般的であり、
消毒薬が汚染除去に有効な可能性を示す研究結果
Laurie Barclay, MD
『Infection Control and Hospital Epidemiology』2006年4月号

ノースカロライナ大学保健医療システム学部(チャペルヒル)の
William A. Rutala, PhD, MPHらによって行われた研究です.
コンピューターは医療現場のあらゆる場所で使われており、
病原体となりうる微生物に汚染されていることが明らかとなっている。
病原体がコンピューターのキーボードから患者に移る危険性については、
現行の手洗いに関する衛生ガイドラインを遵守することで防止できるだろう。
本研究は、微生物汚染の程度、様々な消毒薬の有効性、消毒薬が
コンピューターキーボードの外見および機能に及ぼす影響を評価するために実施された。

研究者らは、研究用コンピューターキーボードに3種類の被験微生物
(オキサシリン耐性黄色ブドウ球菌[ORSA]、緑膿菌、
バンコマイシン耐性エンテロコッカス属)を植え付け、
消毒薬6種類(塩素含有消毒薬1剤、アルコール含有消毒薬1剤、
フェノール含有消毒薬1剤、第4級アンモニウム含有消毒薬3剤)
の有効性を評価した。
消毒薬を使用後、コンピューターキーボードの
機能および外見の損傷についても評価した。

キーボードの半数以上において、
コアグラーゼ陰性ブドウ球菌(キーボードの100%)、
類ジフテリア菌(80%)、ミクロコッカス属(72%)、
バチルス属(64%)が認められた。
培養検査で検出された他の病原体は、ORSA(キーボードの4%)、
オキサシリン感受性黄色ブドウ球菌(4%)、
バンコマイシン感受性エンテロコッカス属(12%)、
非発酵性グラム陰性杆菌(36%)であった。

全ての消毒薬および対照として用いた滅菌水も、
95%を上回る被験細菌の除去および不活性化に有効であり、
消毒サイクルを300回繰り返した後もキーボードの機能および外見に損傷はなかった。

今回のデータから、微生物によるキーボードの汚染は一般的であり、
消毒薬によって有効に汚染が除去できる可能性が示唆される。
キーボードは毎日、または目に見える汚れが生じた場合、
または血液によって汚染された場合に消毒すべきである。
患者ケア区域で使用されるコンピューターキーボードは定期的に
消毒するよう推奨される。
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手術室、ICUなど患者ケアの現場においてコンピューターの導入は
著しいものがあります.
個人用のパソコンでなく、多数で使用するコンピューターにおいては
感染コントロールを真剣に考慮する必要があります.
ただし記事でも述べられているように
ガイドライン通りの手洗いが最も確実な感染症予防となることは
強調しておくべきでしょう.

患者ケア、救急医療に携わるスタッフは
常にこうした感染症コントロールを念頭においておく必要があります.

個人的な意見をいえば、キーボードを頻回に消毒するよりも
医療用コンピューターを操作する前に、その都度
しっかりと手洗いを励行するほうが現実的だと思われます.
by yangt3 | 2006-05-09 00:04 | ニュース