もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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自分の細胞で角膜移植

ちょっと循環器、救急からの話題からははずれるのですが
先日、再生医療の話題をいくつか紹介しました.
自分の骨髄細胞を使用して心臓の再生をはかるというものでした.

今回同じく再生医療として
自分の細胞を使用して角膜が傷ついた方に
角膜上皮移植を行い成功したという
ニュースがありました.

a0055913_05067.gif





自分の細胞で角膜上皮再生 旭医大、道内初の移植 患者「見える」  
北海道新聞 2006.05.09
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20060510&j=0025&k=200605096313

 片目の角膜が傷つき、失明寸前となった患者に対し、
 その患者の健康な方の目の角膜細胞を培養し、
 悪い方の目に移植するという手術に、
 旭川医大眼組織再生医学講座の五十嵐羊羽講師(38)らが成功した。
 自らの細胞を移植するため、拒絶反応の心配がなく、ドナーを待つ必要もない。
 国内では京都や東京などの病院ですでに行われているが、道内では初めて。

 移植を受けたのは胆振管内の男性(41)。中学時代に希塩酸が左目にかかり
 負傷。角膜上皮の幹細胞が死滅したため、以来27年間、
 左目は「目の前で手を振ったらかろうじて分かる程度」(五十嵐講師)の
 視力しかなかった。

 上皮は角膜の一番外側にある層で、通常数カ月で入れ替わるが、
 重度のやけどなどで幹細胞が死滅した場合、上皮は再生せず、
 従来の角膜移植では数カ月後には角膜が濁った状態に戻ってしまう。
 今回の手法は、片目の角膜上皮が健常であれば適用できるという。

 移植では、右目の角膜上皮の幹細胞1mm x 2mmを採取し、
 特殊な培養液中で約一カ月かけて直径約二センチ弱に育て、
 これを患者の左目に移植した。培養は特別な無菌室で行った。

 移植を受けた男性は4月12日に手術し、今月9日に退院した。」 
 退院時の左目の視力は0.1弱。
 「徐々に見えることを実感し、感謝の気持ちでいっぱい。
(移植した)左目が良くなったら、野球をもう一度やってみたい」と喜んでいる。

 五十嵐講師らは、半年ぐらいの間に0.4 − 0.5くらいまで回復することを
期待している。旭川医大眼組織再生医学講座の吉田晃敏教授(54)も「
治療の見込みがないと思っている人の助けになれば」と話し、
今後は両目が負傷している場合でも、口内の粘膜細胞を使う方法などに
取り組んでいく方針だ。
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日本の移植医療においてドナーの問題は常に深刻です.
脳死判定においてもさまざまな問題が山積しています.
こうした状況で自分の細胞を使用した再生移植医療というのは
一つの方法だと思えます.

今回は、眼科領域での角膜上皮再生ですが
今後、こうした再生医療の進歩が期待されるとこころです.

こうした目に見える成果にいたるまでに
多くの方の地道な研究にささえられれていることはいうまでもありません.

日本の医療の実情にあった
再生移植医療の発展を願っております.
by yangt3 | 2006-05-12 00:05 | ニュース