もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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アフリカの土から採取した新しい抗生物質

感染症との闘いは、医学の進歩の歴史でもあります.
ペニシリンの発見、臨床応用は、重篤な感染症を
抗生物質で治療するという武器を人類に与えました.

しかしその後、抗生物質が効かない(耐性)の細菌が出現し
その細菌を治療するためにさらに新しい抗生物質を開発する.
そうしたイタチごっこが続いています.

現在、既存の抗生物質がほとんど効かない
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)という細菌が問題となり
院内感染の大きな原因となっています.

今回、このMRSAに有効な新しい抗生物質が
なんとアフリカの土から発見されたそうです.

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アフリカの土に新抗生物質 MRSAなど耐性菌に有効
共同通信社 2006年5月18日

【ワシントン17日共同】既存の抗生物質がほとんど効かない
メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)などの多剤耐性菌にも
効果を示す新しい抗生物質を、米医薬品大手メルクの研究チームが
南アフリカの土中にすむ細菌の一種から発見し、
18日付の英科学誌ネイチャーに発表した。

病原菌の増殖に重要な脂質の合成を妨げるという、
従来の抗生物質にはなかった新しい仕組みで働くため、
実用化できれば治療の選択肢が大きく広がることになる。
感染症の専門家は「画期的発見だ」と評価している。

チームは約25万種類の天然抽出物を対象に、
複数の分析法を組み合わせ有効成分を検索。
放線菌の一種が作る低分子の抗生物質「プラテンシマイシン」を見つけた。

試験管内の実験では、MRSAやバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)など
医療現場で問題になっている多くの耐性菌に有効だった一方で、
人の体内にいる大腸菌には影響が少なかった。
黄色ブドウ球菌を感染させたマウスの治療実験でも効果が確認されたほか、
強い毒性はみられなかった。
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最初のペニシリンも、偶然カビから分離されたものです.
新しいこの抗生物質も自然の中からみつけられたものです.
技術や医学が進歩したとはいえ
まだまだ自然の中に、解明されていないことも数多くあり
学ぶことは沢山ありそうです.
現在、新しい抗生物質の開発のために
こうして自然の土壌や水中から物質を採取する手法は
広く行われているようです.

いくら新しい抗生物質が発見されても
乱用されれば、またさらなる耐性菌の出現を招くだけでです.
基本はやっぱり現場での、プロトコールに準拠した
感染症コントロールです.
現場での一人ひとりの感染症への対応がかぎを握ると思います.

現在数多くの病院では、院内感染対策委員会が設置されていて
病院の中での感染症のコントロールを行っています.
抗生剤の乱用が耐性菌やMRSAの出現を招く為
抗生剤の適性な使用についても、この感染症対策委員会が
中心に活動し指針を出しています.

東可児病院でも内科 浦先生が院内感性対策委員長として
感染症コントロールを行っています.
by yangt3 | 2006-05-19 00:07 | ニュース