もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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動脈硬化による血管疾患の2次予防のガイドライン

米国心臓病教会(AHA)/米国心臓病学会(ACC)から
アテローム硬化性血管疾患の2次予防に関する
ガイドラインが発表されました.

今回のガイドラインにおいては
脂質低下に関する追加試験の知見によってもたらされた
新しい随意的な治療目標が盛り込まれています.

また急性冠症候群後または経皮的冠動脈インターベンション後の
ステント留置患者におけるclopidogrel使用についての
具体的な勧告がありあます.
(前回紹介したプラビックスのこと)

長期治療のための低用量アスピリンについての勧告や、
左室機能が低下している患者のための
アルドステロン拮抗薬療法の利点の確認もあります.

安定した冠疾患を有しておりかつ左室機能が正常であって
比較的低リスクの患者を対象としたアンジオテンシン変換酵素
(ACE)阻害薬療法に関する試験の所見や
インフルエンザワクチンに関する新たな勧告がありました.

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Circulation AHA/ACC Guideline

AHA/ACC Guidelines for Secondary Prevention for Patients With Coronary and Other Atherosclerotic Vascular Disease: 2006 Update
Endorsed by the National Heart, Lung, and Blood Institute

http://circ.ahajournals.org/cgi/content/full/113/19/2363

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今回のガイドラインにおいては
脂質低下に関する追加試験の知見によってもたらされた
新しい随意的な治療目標が盛り込まれています.

また急性冠症候群後または経皮的冠動脈インターベンション後の
ステント留置患者におけるclopidogrel使用についての
具体的な勧告がありあます.
(前回紹介したプラビックスのこと)

長期治療のための低用量アスピリンについての勧告や、
左室機能が低下している患者のための
アルドステロン拮抗薬療法の利点の確認もあります.

安定した冠疾患を有しておりかつ左室機能が正常であって
比較的低リスクの患者を対象としたアンジオテンシン変換酵素
(ACE)阻害薬療法に関する試験の所見や
インフルエンザワクチンに関する新たな勧告がありました.

具体的な勧告は、以下のとおりです.

1)喫煙について、目標は完全な禁煙と受動喫煙をなくすこととする。
 臨床医は、診察時に必ず喫煙状況に関する質問をすること、
 すべての喫煙者に対して禁煙するように忠告すること、
 喫煙者の禁煙意欲に関する評価を行うこと、
 受動喫煙を避けるように強く勧めること、カウンセリングの実施・
 禁煙計画の策定・経過観察・専門プログラムへの紹介・
 ニコチン補充療法やbupropionを含む薬物療法での支援が望ましい.

2)血圧の管理について、目標は140/90 mmHg未満とする.
 糖尿病または慢性腎疾患を有する患者の場合、
 目標は130/80 mmHg未満とする.
 臨床医は、すべての患者に対してライフスタイルの変更
 つまり体重管理、身体をよく動かす、節酒、減塩、
 新鮮な果物・野菜・低脂肪乳製品を多く摂取するなどを
 推奨することが望ましい.
 上記の血圧目標を達成できない患者に対しては、
 降圧薬を忍容性に応じて投与することが望ましいが、
 その際には、β遮断薬および/またはACE阻害薬から開始し、
 必要に応じて他の薬剤(サイアザイド系薬剤など)を追加する.

3)脂質の管理について、目標は
低比重リポ蛋白コレステロール(LDL-C)値を100 mg/dL未満とする.
トリグリセリド値が200 mg/dL以上である場合、
目標は、非高比重リポ蛋白コレステロール(HDL-C)値を
130 mg/dL未満とする.すべての患者について、食事療法を開始し、
飽和脂肪(総カロリーの7%未満まで)、トランス型脂肪酸、
コレステロール(200 mg/日未満まで)の摂取量を
減らすことが望ましい.その他の対策としては、
植物スタノール/ステロール(2 g/日)および
粘性繊維(10 g/日超)の追加によるLDL-Cの更なる低下、
日常的な運動と体重管理、魚類または
カプセル剤(1 g/日、トリグリセリド高値の治療では更に高用量)による
ω-3脂肪酸の摂取量の増加が挙げられる.

4)運動について、目標は
1日30分、週に7日(または週に5日以上)とする.
すべての患者について、運動歴および/または運動試験による
リスク評価を行うことが望ましい.臨床医は、すべての患者に対し、
30-60分の中等度のエアロビクス運動(早足のウォーキングなど)を
できれば1週間毎日続ける.
あるいはウォーキングやガーデニングといった日常的な
ライフスタイルの活動を増やすことで補うように
奨励することが望ましい.
抵抗を利用したトレーニング(resistance training)は、
週に2日の実施が推奨されている.
急性冠症候群、血管再生、心不全を最近経験しているなど、
高リスクの患者は、医師の指示によるプログラムを受けることが望ましい.

5)体重管理について、目標は体格指数(BMI)を18.5-24.9 kg/m2、
胴囲を男性40インチ(約101.6 cm)未満、
女性35インチ(約88.9 cm)未満とする.
臨床医は診察時に必ず、体格指数(BMI)および
または胴囲を測定すること、体重管理・減量により
目標を達成するように一貫して奨励することが望ましい.
胴囲が女性で88.9 cm以上、男性で101.6 cm以上である場合には、
メタボリックシンドロームのための治療戦略が必要とされるかもしれない.
減量治療の初期目標は、体重をベースライン値から
約10%減少させることとする.
その後の評価により減量が必要とされた場合には、
更に減量を試みることができる.

6)糖尿病の管理について、目標はグリコヘモグロビンを7%未満とし、
ライフスタイルの変更、薬物療法、運動療法、体重管理、血圧管理、
コレステロール管理により達成に努めることが望ましい.
糖尿病の治療は、患者のかかりつけの一次診療医または
内分泌医と連携して行うことが望ましい.

7)抗血小板薬および抗凝固療法にはアスピリンがあるが、
これは禁忌でない限りすべての患者において75-162 mg/日で開始し
無期限に継続することが望ましい.
冠動脈バイパス術を受ける患者では、
伏在静脈グラフト閉塞を抑制するため、
術後48時間以内にアスピリン(100-325 mg/日)を
開始することが望ましい.162 mg/日を超える用量でも、
最高1年間は投与を継続できる.
急性冠症候群または経皮的冠動脈インターベンションに伴う
ステント留置後には、clopidogrel (プラビックス)75 mg/日を
アスピリンとの併用により最高12カ月間投与することが推奨されている.

8)発作性または慢性心房細動・粗動が認められる場合、
心筋梗塞後の患者で心房細動や左室血栓が認められるなど
臨床的に必要とされる場合には、ワルファリンを投与し、
国際標準比(INR)を2.0-3.0とすることが望ましい.
ワルファリンとアスピリンおよび/またはclopidogrelの併用により、
出血リスクが上昇する可能性があるので、十分な監視を行うことが望ましい.

9)レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系遮断薬には
ACE阻害薬があるが、これは禁忌でない限り、
左室駆出率40%以下のすべての患者、高血圧患者、糖尿病患者、
慢性腎疾患患者において無期限に継続するほか、
これらに該当しないすべての患者においても
投与を検討することが望ましい.アンジオテンシン受容体遮断薬は、
ACE阻害薬に対して忍容性を示さない左室駆出率40%未満の
心不全または心筋梗塞の患者において使用するほか、
これらに該当しない患者でACE阻害薬に対して忍容性を示さない場合や、
収縮障害を伴う心不全患者でACE阻害薬と併用する場合においても
投与を検討することが望ましい.
アルドステロン拮抗薬は、有意な腎機能障害または
高カリウム血症が認められない心筋梗塞後の患者で
既に治療用量のACE阻害薬およびβ遮断薬を投与中であり、
左室駆出率40%未満、かつ糖尿病または
心不全のいずれかを有する場合に必要とされる.

10)β遮断薬は、禁忌でない限り、
心不全の症状の有無にかかわらず、心筋梗塞、急性冠症候群、
左室機能障害のいずれかの既往歴を有するすべての患者において開始し、
無期限に継続することが望ましい.
これらに該当しないすべての冠動脈・その他の血管疾患または
糖尿病の患者においても禁忌でない限り、投与を検討することができる.

11)インフルエンザワクチンは、
心血管疾患患者に対して接種することが推奨されている.

今回、かなり日常的な治療法や運動、内服について
具体的に突っ込んだガイドラインが提示されました.

今後、このガイドラインを参考にして
動脈硬化の血管疾患を予防するために
医療スタッフもさらに治療を強化して行く必要があります.

余裕があれば原文にチャレンジしてみましょう.
by yangt3 | 2006-05-25 00:19 | ニュース