もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3

ビデオゲームは手術に良い効果をもたらす

手術の直前に執刀医がテレビゲームを
20分ほどプレイしたほうが
手術によい効果をもたらすという
調査結果が発表されました.

一見手術と関係なさそうなテレビゲームが
手術にもたらす影響とは
いったいどういうことなのでしょうか.

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ビデオゲームは手術に良い効果をもたらす
Excite ニュース 2006.5.26
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081148613170.html

[ロサンゼルス 24日 ロイター] これから外科手術を受ける人は
執刀医にこう聞いた方がいいかもしれない。
「先生、今日TVゲームやりました?」

外科手術の前に「スーパーモンキーボール」のようなTVゲームを
20分間プレーした場合、しない場合より素早く手技を終わらせ、
しかもミスが少ないことが実験でわかった。

この実験は、ジェームズ・ロッサー博士が中心となって
ニューヨークのベス・イスラエル医療センターと
米メディア家族研究所が共同で、医療トレーニングコースに参加している
外科医303人を対象に実施した。外科医たちは、ゲームをして、
切開した場所から極小のビデオカメラのついた腹腔鏡を入れるドリルを行った。

傷口の内部を腹腔鏡を使って縫合する「コブラロープ」と呼ばれる手技を行い、
それを評価した。ロッサー博士は、コブラロープは
「カメラのディスプレーを見ながら90センチくらいの箸で
靴ひもを結ぶようなもの」と説明した。

研究者によると、手技の直前にTVゲームをした外科医は、
そうでない外科医より平均11秒早く手技を終わらせた。
ミスをすると、それだけ時間がかかるので、
早く手技が終わるということはミスが少ないことを意味している。

腹腔鏡を使う外科手術は、胆嚢、子宮、結腸などで行われる。
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一見関係なさそうなテレビゲームと手術が
このような形で結びつくとは一見びっくりします.
詳細にみると、ここで検討されたのは、内視鏡手術です.
内視鏡手術は、ご存知の通り、腹腔鏡と呼ばれる内視鏡を用いて
外科的手術を行うものです.
胆嚢だけでなく、大腸、子宮などいろいろな分野で応用されています.
実際の手技は、内視鏡で映し出された場所を
テレビディスプレイで見ながら手術を行って行きます.
実際の手術よりも、ある意味テレビゲームのような
感覚はあるかも知れません.

あくまで、テレビゲームで差がでるのは、
それ以前に、きちんと内視鏡手術の研修を受けて
実際の経験を積んでいる事が重要だと思います.
さらには、担当する手術の内容を熟知し
担当した患者さんの状態も熟知していることが重要です.

手術も、ジャンボジェット機の操縦やスペースシャトルと同様に
フライトシュミレーター的なもので
シュミレーション(疑似体験)することができます.

実際には、パイロットのような専用のマシンは、一般的でないため
腹腔鏡をマスターするドクターは、
豚などの動物を用いて、腹腔鏡のトレーニングをしたり
自作の機械を作ってトレーニングしたりします.

大腸ファイバーや胃カメラも、専用のトレーニングモデルがあります.
カテーテルも簡単なトレーニングモデルがあります.

このようにできるかぎり、患者さんに実際に手術や治療をする前に
あらゆる準備をした上で
テレビゲームなどの簡単な時間が
緊張感をほぐしたり、集中力を高めたり、いろいろな効果で
手術によい効果をもたらしているのかもしれません.

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私自身は、心臓カテーテル治療の前には、
何度も何度も、頭の中で手技のシュミレーションを行っています.
将棋や囲碁と同様で
何手先までも読んで、あらゆる事態を想定して
心の準備に余念がないつもりです.
by yangt3 | 2006-05-29 00:16 | ニュース