もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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食事療法が地球を救うか?

みなさんご存知のように
糖尿病は、あらゆる心血管疾患、脳血管障害などの
危険因子となっています.
糖尿病が悪くなれば、
狭心症、心筋梗塞、脳卒中で倒れる可能性も増えてしまいます.

それ以外にも糖尿病による視力の低下、悪くすれば失明.
糖尿病による腎臓の悪化、悪化すれば人工透析が待っています.

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もし糖尿病をしっかりと治療すれば
おのずと糖尿病から引き起こされるこれらの
怖い病気も予防することができます.

健康を維持するためには
糖尿病、そしていまはやりのメタボリックシンドロームを
しっかりと治療して行く必要があります.

食事療法、薬による治療、インスリン治療などが行われていますが
糖尿病の治療は、本当に大変です.

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糖尿病の治療の基本は、なんといってもまず食事療法です.
現在の主流となっている食事療法はカロリー制限です.
このため好きなものが食べられず、患者さんにはストレスに
なっているようです.

---------------糖尿病患者4人に3人が食事制限にストレス
http://www.sanspo.com/tohoku/top/th200606/th2006060806.html

 糖尿病患者の4人に3人以上が食事制限にストレスを感じていることが、
 健康日本21推進フォーラム(高久史麿理事長)などが実施した
 意識調査で分かった。治療に必要な食事制限で、食事を楽しめなくなった
 患者らの実態が、 予想以上に深刻なことが浮き彫りになっている。
 調査は今年4月、糖尿病患者と健康診断などで要注意と指摘された
 “予備軍”の計501人、患者や予備軍の家族331人を対象に
 アンケート方式で実施した。
 その結果、患者や予備軍では「つらいこと」の1位に食事制限を挙げた人が
 71%に達した。さらに3位までに挙げた人の割合は、
 食事制限経験者の94%に上った。
 「食事制限にストレスを感じているか」との質問には、
 50代女性の87%が肯定し、患者全体では
 77%がストレスを感じていることが分かった。
 食事制限がつらい理由は「食べたい量を食べられない」(65%)、
 「甘いものが食べられない」(56%)の順番。
 心掛けていることは「糖分を控える」(81%)、
 「油分を控える」(67%)、「食事量を減らす」(60%)だった。
 これに対し、病気を気にせずに済むなら食べたい料理として挙げたのは、
 男性では焼き肉、ステーキ、天ぷら、
 女性ではケーキ、天ぷら、焼き肉の順番だった。
 (中略)
 40代以上の10人に1人が糖尿病といわれ、国内の糖尿病患者は約740万人、
 予備軍を含めると約1620万人と推定され、今後さらに増えると予想されている。
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糖尿病の治療は、肥満の治療やダイエットと同じ苦しみですね.
食べたい食事を我慢せず、ストレスを感じることがなく治療を
続ける事ができたらどんなによいでしょう.
毎日、食事交換表とにらめっこして、慣れればよいでしょうけど
最初のうちは、なかなか食事を楽しむなんてこともできないでしょう.

私がいつも懇意にしていただいてる先輩の内科の先生は
この糖尿病患者さんの食事療法に取り組んでおられます.

いま取り組んでおられるるのは糖尿病の新しい食事療法である
新縄文式糖尿病食(SJT食)です.

糖尿病悪化の本質は、インスリンの作用不足による糖質代謝の異常であること.
糖質をとらなければ血糖値はわずかにしか上昇しない.
たんぱく質や脂肪は摂取されても血糖値は、ほとんど上がらない.
これらが基本的な根拠となります.

つまり新縄文式糖尿病食とは、炭水化物を制限する食事療法です.
お米、ご飯、班、いもなど糖質の多い食品、主食はほとんど食べない.
お肉、魚、油炒め、油ものなど、脂肪分やたんぱく質の多い食品は
好きなだけ食べてもいい.
お酒も飲んでもよい.
糖質の主食を抜くというのが基本の糖質制限、低炭水化物療法が基本です.

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この低炭水化物療法を実践することにより
数多くの方が糖尿病が改善し、HbA1cも劇的に改善しています.
コレステロールや中性脂肪も改善しているとのことです.

お米をいっさい食べないエスキモーの人たちには
糖尿病がないという事実もあります.

この低炭水化物療法を推し進める事によって、もしかしたら
メタボリックシンドロームも改善する可能性があります.

さらに議論はあるにせよコレステロールをさげるためのスタチン製剤を
予防的に使用することにより
糖尿病、高脂血症、メタボリックシンドロームは
大幅に改善し、ひいては、心臓病、脳卒中の予防になると思われます.

これからは、こうした食事療法が地球を救う事になると思います.

この糖尿病の低炭水化物療法を元にした食事療法については、
近いうちに、先輩医師を可児にお招きして
講演会を含む指導を仰ぐ予定でいます.

しかし、こうして食事療法や、内服治療がこれからどんどん進歩していくと
着実に確実に、動脈硬化を元にした心血管障害、脳血管障害は
減少していくと思われます.

循環器の医者としては、うれしいことですが
今現在行っている、心筋梗塞や狭心症のカテーテル治療を必要とする
患者さんがどんどん減って行くかもしれませんね.

私の子供もパパと同じように
心臓、血管の医者になる、なんて 今はいってくれて、とてもうれしいです.
子供たちが大人になった時の医療は
また今とは違う形になっているんでしょう.

予防医学、再生医療、遺伝子治療などの
進歩を期待しています.
by yangt3 | 2006-06-10 00:06 | 一般