もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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眼をみて心血管のリスクを判定

みなさん ご存知のように
心臓病の危険因子としては、喫煙、糖尿病、高脂血症、
高血圧、肥満などが挙げられます.
これまでにも血圧やコレステロール、糖尿病の状態などで
心血管のリスク判定の指標がいろいろと
考えられてきています.

将来の心臓病を予防するためには、これらの危険因子を
取り除く努力をしなければならないことは
いうまでもありません.

心血管病のリスク判定を
眼を調べる事で行うという研究が発表されました.

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Hypertension 2006;47: 975- 981. Alun D. Hughes et al.
心血管死亡率に関連した網膜毛細血管の異常

 アメリカの高血圧の専門雑誌に掲載された研究により
 眼の網膜毛細血管の構造的な不整は、
 網膜写真のコンピュータ解析に基づき、
 虚血性心疾患および脳卒中発作による死亡に関連することが
 わかりました.
 眼の網膜の血管の、さらなる分岐部の最適化の異常や、
 蛇行異常および細動脈絞窄異常からなる特定の網膜異常を
 詳細に検討することにより
 冠疾患リスクおよび脳卒中発作リスクが鑑別され得るそうです.
 
 Imperial College LondonのHughes博士らは、
 Wisconsin州をベースとした眼研究に参加する一方で
 10年間にわたり虚血性心疾患が原因で死亡した被験者126名と
 脳卒中発作が原因で死亡した被験者26名とを含んだ
 一般集団ベースの症例研究試験を実施しました.

 これらの参加者の網膜写真はデジタル化され、
 対照528名から得た網膜写真と比較されました.

 このような沢山の患者さんの眼の網膜写真を詳細に検討することにより
 Hughes博士たちは、虚血性心疾患の生じやすい症例には
 独立した心血管の危険因子として知られる分岐部の最適化の障害
 および細動脈の蛇行減少があることを見出したとのことです.

 これに加え、全身の細動脈絞窄が確認された場合は
 脳卒中発作による死亡率上昇に関連したものの、
 これは血圧との関連があったそうです.

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この研究を参考にすると
近い将来には、眼科で眼の網膜を検診してもらう事で
詳細な心臓病のリスクの評価が可能になると思われます.

網膜の異常所見や、心血管リスクと関係した網膜毛細管の異常については
コンピューターで自動解析するソフトを開発されることになり
コンピューター内蔵の網膜検査装置により
網膜毛細血管ネットワークの異常をコンピュータで
簡単に検査できるようになると思われます.

眼科的検診は、その他の侵襲的な検査に比べれば、簡単で
非侵襲的な検査です.

そのうち、眼科の検診で、こうした心血管リスクを
判定することがルーチンになるかもしれません.

従来の心臓血管病の危険因子の判定と合わせる事により
かなり精密に、危険度の評価ができるようになるかもしれません.

やはりこれからは、大きな心臓病を起こす前に
リスク判定をしっかりとして予防を優先するべきだと思います.

循環器の医者がカテーテルをしなくてもよい時代が
早くくるといいと思います.
by yangt3 | 2006-06-17 00:44 | ニュース