もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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1周年

1年前の2005年7月1日に
前職を辞して、東可児病院に
ただ一人の循環器科常勤として働き始めました.

あっという間の1年間でした.

病院内で、一人循環器科医として
24時間救急オンコールでやってきました.

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もちろん、たった一人でハードな仕事を
こなせるはずもありません.

今回、私が東可児病院に赴任するにあたり
古くからの友人たちが運命を共にしてくれました.

もう10年以上の長い付き合いであり
1年前に一緒に東可児病院に来てもらった
内科 浦先生にも、何度も助けられています.

さらには、東可児病院で新たに
心臓カテーテル検査、心臓カテーテル治療を立ち上げるため
私に付いてきてくれた、レントゲンの山本君
MEの伊藤君には、本当にお世話になりました.

さらには、病棟から私を支えてくれる松原さんにも
感謝、感謝です.

1周年がすぎ、東可児病院での心臓カテーテル検査、
心臓カテーテル治療もすっかり日常業務になりました.
東可児病院の古くからのスタッフにも
本当に感謝しています.




東可児病院に着任当時は
当院では、循環器科医は、非常勤のみでした.
脳血管造影、腹部血管造影は、行われていましたが
循環器の心臓カテーテル検査は
行っていませんでした.

心臓カテーテル検査、治療を立ち上げるにあたり
いろいろな機材や準備が必要でした.
・血管撮影装置を心臓対応にバージョンアップ
・カテーテル、ステントなどの必要物品の手配
・緊急用医療機材の整備、IABPの購入.
・治療用器具の導入、最新のIVUS機器の購入
などです.

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さらには、当院スタッフに向けて
何度も勉強会を開き、カテーテルやステント治療について
知識を深めてもらいました.

循環器医師が1人であらゆる循環器科救急に対応しようと
いうのですから、その分、他の医療スタッフにも
緊急的、専門的対応ができるように
準備をお願いしました.

現在では、東可児病院心カテチームとして
放射線科、オペ室、病棟のスタッフが一丸となって
カテ室に働いています.
心カテ治療にあっては、しっかりと訓練された
気心のしれたスタッフが沢山カテ室に参集して
皆で協力して仕事をしています.

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都会の大きな病院に比較すれば、地方の民間病院であり
沢山の症例数で競う事はできません.
その分、高齢者や、透析患者など
比較的難易度の高い病変を有する患者さんが
多いのが現状です.

実際、この1年で左主幹部病変の急性心筋梗塞症例を
数例経験しました.
従来であれば、そのまま近くの県立多治見病院まで
搬送しておりました.搬送中に心室細動などを起こし
不幸な結果となることもあったようです.
私が着任してからは、こうした危険で重症な
左主幹部病変もまず、当院で救命に必要な処置を
行うことが可能になりました.
具体的には、緊急で冠動脈造影を行い、
責任病変を確認、左主幹部病変であれば
IABPを開始し、可能であれば、閉塞した冠動脈に
カテーテル治療を行い冠動脈血流の再開を行っています.

こうして状態を安定させた上で、バイパス手術が必要な
症例は県立病院に、患者を搬送しています.

東可児病院では、心臓血管外科がないため
原則として、左主幹部病変などの一般的にバイパス手術が
必要となるような重症の症例については、
当院で、緊急の治療を行った上で
心臓血管外科のある施設(具体的には県立多治見病院)に
救急搬送しています.
当院で、心臓外科医の手を借りずに治療可能な症例は
当院でカテーテル治療を行っています.

カテーテル治療、内科的治療にこだわる余り
必要な救命処置、外科的処置の時期を逸して
患者さんに負担のかからないように
心臓血管外科の先生と協調して治療にあたっています.

昨年、左主幹部病変で当院に搬送された急性心筋梗塞の
患者さんは、一人を除いて皆、緊急バイパス手術を受け
救命、社会復帰に至っています.

急性心筋梗塞の治療にあたっては
発症からいかに早く閉塞した冠動脈病変を
治療で、血流を再開させるかにより
病気の経過が変わってきます.
治療が早ければ早いほど、合併症を起こさず
安全に病気の治療が可能になります.

東可児病院は、可児市の中核病院として
循環器救急に対応できるように
これからもがんばっていくつもりです.

しばらくは、一人循環器科ですが
東可児心カテチームのみんなが
私を一生懸命にもりたててくれるので
めげることなく、頑張って行きたいと思います.

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去年一年間、関係各位の皆様方には本当にお世話になりました.
職員一同本当に感謝しています.

常日頃、患者を紹介していただいております
林かつひこクリニック 林 先生
さつきクリニック 鵜飼 先生
奥野医院 奥野先生
みなもりクリニック 皆森先生
を始めとして、近隣の諸先生がたには、本当に感謝します.

当院外来治療に患者を紹介いただいている
県立多治見病院循環器科 横井部長、日比野先生にも
感謝しています.

そして、昼夜をとわず、緊急の手術症例をいつも
快く引きくけてくださる
県立多治見病院 心臓血管外科の宋先生、そして徳田先生
スタッフのみなさん、本当にありがとうございます.
この場を借りてお礼を申し上げます.

これからもよろしくお願いいたします.

東可児病院 循環器科 進 智康
by yangt3 | 2006-07-01 00:08 | 一般