もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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医療でのITの進化、医療画像の進化、電子化

最近は、小学生もインターネットで情報検索の時代です.
うちの小学2年生の長男も ニンテンドー DS Lite で
Web ブラウジングしています.

その昔、テレビや自動洗濯機、電気炊飯器が
各家庭にはいって、家庭生活が一新されたように
インターネットを含む電子化、IT化の波が
完全に社会インフラとなっています.

今後さらにこうした電子化の波は加速されるでしょう.
好むと好まざるとにかかわらず
このIT化、電子化に対して
個人、組織としてもなんらかの対応を迫られているわけです.

医療現場でも、各種診断機器、治療機器の高機能化、電子化が
進み、手書きカルテも徐々に電子カルテに置き換えられ
撮像フィルムが中心だった画像診断も
デジタル画像配信システムに置き換えられてきています.

医療行政においても、レセプト(診療報酬請求明細書)発行の
コンピュータ化、電子化が進められています.
レセプト提出の電子化が明言されています.

このように現在の医療現場では、IT抜きには、
語る事ができなくなっています.

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電子カルテや病院の 情報管理システムは
HIS(Hospital Information System)と呼ばれます.
オーダリングシステム、電子カルテなどがこれに
あたります.
東可児病院では、まだ旧来の紙カルテの運用になっていますが
将来的には、電子カルテを導入する準備を進めています.

最近注目を集め、かつ進歩の著しいのは
・最先端のITを駆使した遠隔画像診断(Tele Radiology)
・手術シミュレーション(Virtual Surgery)
・遠隔手術シミュレーション(Tle Virtual Surgery)
などがあります.

いわゆるVR(バーチャルリアリティ)の世界です.
最新のゲームなどでご存知のように
立体画像、3D 画像の視覚化の進歩はすごいものがあります.
医療分野でもコンピュータによる
人体内部の可視化、メディカル・イメージングの進歩により
まるで解剖学の本を見るかのように
非侵襲的に、人体内部の構造を、内蔵の構造を、
血管や心臓の構造を簡単に見る事ができるようになりつつあります.

CTやMRIを例にとるとよくわかります.
最新のCTでは、冠動脈の細部の状況、動脈硬化の状況まで
見る事ができます.
最新のMRを用いて、早期の脳梗塞の診断、未破裂の動脈瘤の
診断まで可能になっています.

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従来であれば、狭心症、心筋梗塞の診断も
心臓カテーテル検査を行い、冠動脈の造影を行い
必要があれば、血管内超音波検査(IVUS)も併用し
冠動脈の動脈硬化を評価、診断していました.

最新の64列CT検査を用いる事により
心臓カテーテル検査を行う前に冠動脈の状態を知る事が可能です.
カテーテルを使用せずに、通常の静脈からの造影剤点滴により
検査が可能であり、高齢者の方でも安全に検査が可能です.
残念なことは、この64列CTは、機械がかなり高額であることで
(1〜2億円!!)
まだまだ一般的な普及には至らず、一部の大学病院、公立病院、
高次病院に限定されているのが残念なことです.
その安全性と高い診断能からは、広い普及が
期待されるところです.

またカテーテルを用いた冠動脈の診断も
こうしたメディカル・イメージングの進歩の恩恵を受けています.
冠動脈の動脈硬化病変の存在だけでなく
固い病変か(石灰化)、血栓か、脂肪や線維組織かなど
冠動脈の質的な診断までも可能になりました.

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その他の領域でも同様に人体の任意の断面を医療画像として
細かく検討、診断することが出来ます.
・MRIによる、脳梗塞の診断、動脈瘤の診断など
・神経や靭帯、血管などといった微細な組織の画像化(整形外科領域)
・超音波による血流の視覚化

CTやMRIによるメディカル・イメージングを積極的に活用するべく
治療や手術への応用が研究されています.

従来の静的なイメージだけではなく
超音波のようにMRIやCTでも靭帯の状態をリアルタイムに近い状態で
画像を化しかできるように研究が進んでいます.

まるで自分の目でみるように
リアルタイムにCTやMRIによる画像が見られたら、すごいことです.

欧米では、リアルタイム・イメージングの研究だけでなく
遠隔手術への応用も進んでいます.
具体的にはバーチャルリアリティ技術を応用した
手術や治療のシミュレーションです.
バーチャルリアリティ手術シミュレーションによろ
医学生、スタッフへの人体解剖への応用できるシステムが
開発されています.
いくつかの手術ではバーチャルリアリティを用いた
手術教育システムが開発中です.

将来的には、こうした高度なメディカル・イメージング、
リアルタイム・イメージング、バーチャルリアリティなどの
技術を組み合わせる事で
夢のような遠隔治療も可能になるかもしれません.

治療前に、個々の患者さんの状態に応じた
テーラードメディスンにも有用であると考えられます.

さらには、過疎地や遠隔地での医師不足などの具体的な
解決として、もう一度、こうした技術を
より使いやすくし、普及させることが重要になるかもしれません.

アメリカでは、すでに、こうした遠隔が増進段を行う
イメージングセンターが
数多く運営されているそうです.
日本では、まだ数は少なく、日米間の格差が顕著です.

さらには欧米では、遠隔画像診断のネットワークが
よく整備されているそうです.
遠隔画像診断のサービスの質においても日米間の格差があり
米国ではすでにCTやMRIを専用車に積み込み
モバイル環境で遠隔画像診断を行っているそうです.
こうしたサービスを行っている企業が数多く
登場してきているそうです.

日本でもCT検診車などが導入されてきていますが
遠隔画像診断ネットワーク構築との関係においては
まだまだこれからという状況です

日本では、CTやMRIの普及率は高いのです.
(CT 1万1000台、MRI 4000台).
台数だけをみれば、世界でもトップレベルではありますが
導入されたCT、MRIの装置の性能を考えると
日本では、いわゆる量産型(普及型)の機械がほとんどだそうです.
ガンダムではなく、ザクということですね.
高性能な機械でも量産型の機械でも診療報酬は一緒であることが
量産型な機械が普及する理由です.

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日本の医療現場の状況から、あらゆる病院が超音波、CT、MRIなどの
全ての機械を持とうとしています.
欧米の遠隔画像診断サービスからみれば、
無駄な部分も多いように感じます.

社会全体、地域全体として医療の問題を考え
画像診断ネットワークを構築出来るとよいと思います.
CTやMRIも性能のおちる量産型を沢山いれるよりも
質の高い上位機種を、地域に一台導入するということも
大切なことではないでしょうか.

このためには、厚生省や地方自治体などの関与が必要であり
高度な知識をもった専門家の協力が必要です.
また地域の住民の方々も
医療への知識を深め、本当に必要な検査を
最高の環境で受けられるように、自分たちの医療環境は
自分たちで協力して、自分たちで守るという意識が
必要になると思います.
そのためには、いろいろな検査や診断技術について
もっとよく知らなければだめです.

日本をとりまく医療環境の現場の変化は著しいものがあります.
今一度、こうした新しい機械の目新しさに目を奪われるだけでなく
長いめでみたIT戦略、医療の進化について
見直す必要がありそうです.

参考;
日米 IT 医療最前線
広がるメディカル・イメージングの世界
http://www.ciojp.com/contents/?id=00001580;t=10

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by yangt3 | 2006-08-09 01:32 | 一般