もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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頚動脈の超音波検査を受けましょう

最近、糖尿病の持病のある方が
めまい、ふらつきで来院.
精密検査で頚動脈の強い動脈硬化が
明らかになりました.

さらには、狭心症も合併していることが
判明しました.

気づかずに放置すれば
ひどい脳梗塞や心筋梗塞に至っていたかも
知れません.
まだ症状の軽いうちであれば
適切な治療を予防的に受ける事ができます.

頚動脈は超音波で簡単に検査できます.
頚動脈も健康診断や人間ドックに
調べる事は有用だと思います.

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---------------YOMIURI ONLINE 2006.09.08
頚動脈の超音波検査  全身の動脈硬化を推定
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/saisin/20060908ik06.htm

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 頸動脈は、のどの横の左右にある動脈で、
 頭部に血液を送っている.
 あごの下部分までは総頸動脈と呼ばれ、
 この動脈は脳に血液を送る内頸動脈と、
 顔に血液を送る外頸動脈に分かれる.

 内頸動脈への分岐部は、全身の動脈の中でも
 最も動脈硬化が進みやすい部位の一つとされる.
 これが詰まると、脳に血液が行かなくなり、
 脳梗塞を引き起こし、亡くなることがある.
 また、心臓や足の動脈硬化と密接な関係があるため、
 頸動脈の状態から全身の動脈硬化の進行具合を
 推定することができる.

心臓の冠動脈や脳の血管に比べると
頚動脈は超音波を使って手軽に検査を行うことができます.

 頸動脈に検査具をあてると、
 モニターに血管の状態が映し出される.
 10分ほどの検査で、血管の膜の厚み、狭さく率、
 コレステロールがたまってできるおかゆ状の隆起や
 粥腫(プラーク)の状態を調べる。

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頚動脈エコー検査では次の部分を調べます.

 〈1〉頚動脈の血管の壁の動脈硬化
   血管壁は、内側から内膜、中膜、外膜の3層から成る.
  動脈硬化の初期には、内膜と中膜が厚くなる.
  この二つの膜を合わせた厚さは、
  40〜50歳代の男性なら0.5〜0.6mmほど.
  それより厚くなると脳梗塞の発生率が高くなる.
  (年齢基準により異なります)

 〈2〉頚動脈の狭さく率 
   動脈硬化を起こしている部分と、起こしていない部分の
  血管の内径の比率を調べます.
  症状がなくても60%以上狭さくしていると、
  2年間に5%の人が脳梗塞を起こします.

 〈3〉頚動脈の動脈硬化、プラーク 
   血管壁にできるプラークの有無もチェックします.
  プラーク内部で出血したり、表面がはがれたりすると
  血管が詰まる.超音波の画像が薄い場合、
  血管壁が破れやすい「不安定プラーク」と呼ばれ、
  早い段階で治療が必要となる.

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動脈硬化の進行の様子は冠動脈と同様です.

治療対象は、内膜と中膜の合計が年齢基準より厚くなり、
狭さくを起こすプラークが出来ていることなどが目安になります.

コレステロール値を下げるスタチン製剤が厚みを減らすとされます.
頚動脈にプラークや動脈硬化を認める方、
糖尿病を合併した方は、積極的にコレステロールを
下げる必要があります.
運動・食事療法だけでなく、スタチン系薬剤(リピトールなど)の
積極的な内服治療が推奨されます.

合併する高血圧の治療も必要です.
頚動脈狭窄に対しては、狭心症や冠動脈疾患と同様に
抗血小板薬などを併用して動脈硬化の治療をします.
バイアスピリン、パナルジンなどが使用されます.

当たり前というか、言わずもがなですが
禁煙は絶対必須です.
(受動喫煙も含めて)

動脈硬化が進み狭窄率が進行した場合
頸動脈の狭さく率が50%を超えた上、
半身のまひやしびれ、軽い言語障害などの症状が
一時的に現れる「一過性脳虚血発作」を起こしたり、
不安定プラークがあったりする患者は、
頸動脈そのものへの治療が検討される.

冠動脈への治療と同様に
頚動脈への治療もカテーテル治療と手術治療があります.

手術治療は、頸動脈を切り開いて
プラークがある血管内壁を削り取るもので
「頸動脈内膜はく離術」と呼ばれます.

カテーテル治療は、冠動脈の治療と同様に
足の付け根の動脈からカテーテルを挿入.
狭窄した頚動脈を拡げるための金網状の筒
ステントを挿入して、治療します.
血管内治療とも呼ばれます.

手術治療も頚動脈のカテーテル治療も
脳神経外科医が主体となって治療を行います.
最近では、頚動脈のカテーテル治療
ステント植え込み治療に循環器科医が
積極的に関与するようになってきています.

手術治療にしてもカテーテル治療にしても
合併症、後遺症として脳梗塞を
防ぐ必要があり、特別の管理、予防的な手技が
必要とされます.
頚動脈のステント植え込み、バルーン拡張の際には
頚動脈の微小な動脈硬化病変が
脳に飛んで、脳梗塞を起こさないように
バルーンで末梢保護したり、といった手技が
必要になります.
(もちろん、冠動脈でも
必要な場合に、この末梢保護は行われます)

脳梗塞を防ぐ予防的な治療だが、
治療によりプラークや血液の塊の一部が飛散して
脳梗塞を起こすことがまれにある.
無駄な治療は厳禁で、アメリカの指針では、
経験と実力がある医師が行うべきとしている.

理想的な頚動脈の治療のためには
脳神経外科医、放射線科医、循環器科医などが
協力して行うのがよいと思います.
カテーテル治療、血管内治療に関する
テクノロジー、技術は、カテ装置も含めて
日進月歩の勢いで進歩しています.

頚動脈に代表される動脈硬化の治療には
各科を総合した集学的治療が必要だと思います.

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by yangt3 | 2006-09-20 00:15