もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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末梢インターベンションの勉強会に参加

10月6日(金曜日)は午後6時45分より
栄のNHK 名古屋放送センタービルで開催された
「東海末梢インターベンション懇話会」に
参加してきました.

主に、ASO(慢性下肢動脈閉塞症)と呼ばれる
末梢動脈の動脈硬化によって起こる病気に対しての
カテーテル治療の実際を学ぶ研究会です.

今回は、有名な関西労災病院 循環器科部長の
南都 伸介先生の特別講演がありました.

末梢インターベンションの勉強会に参加_a0055913_025956.gif





これまで、下肢の動脈硬化、動脈閉塞などの
末梢血管の治療は、心臓血管外科の先生がたによって
行われる事が多かったように思います.

私自身は、心臓へのカテーテル治療を始めた頃と
同時期から、末梢血管へのカテーテル治療も
故 古高先生と一緒に徐々に行っていました.

昔は、バルーンしかなく、今とは比べ物にならないほど
バルーンの性能も悪く、しばしば不十分な結果しか得られず
悔しい思いをしていました.

特に急性下肢動脈閉塞症(新鮮な血栓などで急激に
下肢の動脈が詰まる疾患)においては
内科的治療は、ほとんど効を奏さず
外科医による外科的血栓除去が必要でした.

そのため、下肢、末梢動脈の疾患については、
まず血管外科医が動脈バイパス手術などを行い
場合によっては、血管外科医自身がバルーン治療も
行っていました.

近年、カテーテル技術やデバイス(道具)の進歩に伴い
内科、循環器科医師が主体でカテーテル治療を行い
外科手術に匹敵する治療成績を上げるようになってきました.

東海地方でも、これまで心臓の治療をもっぱら行ってきた
循環器科医師が、こうした末梢動脈、下肢動脈の
カテーテル治療を積極的に施行していこうという
機運となってきています.

私自身も総腸骨動脈や浅大腿動脈などの
カテーテル治療は、症例を選らんで施行しています.

東可児病院は、高齢者、透析患者さんが比較的多く
こうしたカテーテル治療によって治療可能な
下肢の動脈硬化を持った方が沢山おられるようです.

今後、さらに外来でも積極的にこうした
末梢動脈、下肢動脈の動脈硬化の疾患について啓蒙を行い
積極的にカテーテル治療を行って行きたいと思います.

南都先生は、かなり積極的に下肢動脈閉塞の
カテーテル治療を行っておられて非常に参考になりました.

具体的な治療の手順は以下の通りになります.
外来での簡単な検査で下肢の動脈硬化を疑った場合
確定診断のために造影検査を行います.

末梢インターベンションの勉強会に参加_a0055913_034548.gif


カテーテル治療が必要と判断去れた場合
カテーテル治療を行います.
心臓と同様に下肢の動脈のサイズに合わせたステントを
植え込みして治療します.

末梢インターベンションの勉強会に参加_a0055913_04874.gif


循環器科医師は、心臓でカテーテル治療に習熟しており
同様の手技で、下肢のカテーテル治療も
安全に行う事が可能です.

末梢インターベンションの勉強会に参加_a0055913_042938.gif


下肢動脈の動脈硬化はカテーテル治療を行った後に
すぐに治療効果が実感できます.
下肢の痛みで歩けなかった方が治療終了後
すぐに歩けるようになったということもあります.

注意すべきは、下肢の動脈硬化は
全身の動脈硬化の一部分というか氷山の一角であると
いうことです.心臓や頚動脈、大動脈、脳血管など
他の重要な内臓の動脈硬化の検査が必要なのは
いうまでもありません.
by yangt3 | 2006-10-07 00:05 | 学会、勉強、研修など