もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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ネット化が進む病診連携業務

病院、医師の仕事の中には、病診連携という
大事な仕事があります.

たとえば、重症の狭心症や、重症弁膜症で
心臓外科手術が必要とされる
患者さんがいらっしゃった場合

心臓外科のある施設に紹介することになります.

東可児病院では、県立多治見病院心臓外科に
このような場合に相談しています.

こうして病院間で情報のやりとり、紹介状の
やり取りを行っています.

病院の中での業務は、徐々に電子化が進んでいるものの
こうした病診連携業務については、従来のファックスや
手書き紹介状が主体で、ネット化が進んでいませんでした.

今回、紹介状受け取りのネット化を始めた病院があります.

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---------------NIKKEI NET
NTT東日本札幌病院、紹介状受け取りをネット化
http://www.nikkei.co.jp/news/retto/20061005c3c0500s05.html

 NTT東日本札幌病院(札幌市)は来年3月までに、
 インターネットで市内の約280の診療所から
 患者の診療情報提供書(紹介状)を受け取る仕組みを作る。
 紹介状のデータを院内のサーバーに集約し、
 患者の診察予約を簡単にする。

 紹介状を入力できる専用ホームページを開設し、
 各診療所にパスワードを付与する。
 診療所はパソコン画面で患者の病名や
 予約希望日を打ち込み、ネット回線を通じて送信する。

 NTT病院は送られたデータを院内で一元管理するため、
 患者の診察予約が従来よりスムーズにできるという。
 これまでは診療所が手書きで所定の用紙に書き込み
 ファクスで送っていた。

 紹介状に加え、診療所での診察情報や
 レントゲンといった画像データもネットで
 送受信できるよう検討する。ただ電子カルテの共有については、
 セキュリティー確保が難しいことから見送る方針だ。
 (後略)
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現在の一般的な病院から病院への紹介のパターンは
次の通りです.
・他の病院に紹介が必要な患者さんが来院する.
・その患者さんの希望と、担当医の判断により
 紹介先病院を選定する.
・病診連携担当者に連絡して診療予約をとる.
 まず電話で確認し、予約票や紹介状を書き
 ファックスで送付する.
・必要があれば、紹介先の担当医に電話をする.
となります.

ある程度、時間的に余裕があれば、パソコン上で
ゆっくりと詳細な紹介状を作成することが可能です.
しかし、緊急時や、緊急の手術が必要な患者さんを
紹介する場合には、悠長に紹介状をパソコンで
打っている暇もおしく、要点だけ手書きで書き
患者さんの搬送に同行し、あとは、口頭で説明
ということになります.

CTやカテ所見などの画像情報は、
緊急時には、さっと見てもらうだけで
情報伝達が可能です.
現在は、撮影した写真をそのまま持って行くことが
多いのです.

今回、NTT東札幌病院で始まったのは紹介状の
ネット受診が中心で、その目的は
患者さんの診療予約や紹介を簡単にするということです.

それも非常に有用なことであると思いますが
私としては、緊急時にさまざまな医療情報を
各地域のネットで共有できる仕組み作りこそが
必要だと思います.

救急車で重症患者を搬送する際には、医師は
患者につきっきりで処置を続けながらとなり
紹介状を書いたりする紹介業務は
無理なことが多いのです.

患者さんが救急車で搬送先の病院に出発すると同時に
こちらの病院スタッフが、地域のネットを通じて
必要なCTやカテ画像、様々な医療画像
医療情報を、前もって搬送先の病院に送る事ができれば
一分一秒を争う救急医療には、とても
有用だと思います.

医療の電子化、ネット応用などは、
地域全体(本当は、国家レベルの話なのですが)で
考えて行かないとだめだと思います.

ここで注意するべきことは
医療の全ての業務や仕事が、ネット化できるわけでなく
電子化できるわけではないということです.
ゆっくり時間と人手をかけてやらなければいけないことが
多く残っている、それが医療だと思います.
あえて効率化してはいけないこともあると思います.

電子カルテについては、以前の職場で使用していました.
現在、東可児病院では、まだ紙カルテの運用です.
そんなわけで、両方のシステムの利点と欠点が
わかってきました.

電子カルテについては、おもしろい総説があるので
ご一読をお勧めします.

---------------日医ニュース
電子カルテは勤務医の味方か?
http://www.med.or.jp/nichinews/n180920t.html

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電子カルテ、ネット化もあくまで人間の作ったもので
利点ばかりでなく数々の欠点(技術が追いつかないという事も
含めて)がわかってきました.

電子カルテのメリットとデメリットを
今一度みんなで再確認しないとだめですね.

私の考える電子カルテのメリットは
医療スタッフ、医師、看護師が山のような書類書き、伝票書きから
開放されて、患者さんと接する時間をもっと
多く取る事ができることだと思います.

患者さんと話しをする時間まで効率化して短縮化してしまったら
もう医療の崩壊になってしまいますよね.

個人的には、Mac、OS Xに対応した電子カルテシステムが
理想です.以前の病院では
仕事だからしょうがなく、Windows OSベースの電子カルテを
使っていました.

電子カルテ上や、パソコンで紹介状を書いたとしても
結局それをファックスで送ったり、郵送したりと
手間は、今で通りです.
保存がデジタルってだけですね.

一日に本当に沢山の紹介状書いています.

Mac対応の電子カルテシステムについては
こちらに記事があります

アップル- - Medical - 電子カルテ
電子カルテ「WINE STYLE」がもたらした
医療情報の多面的な活用
http://www.apple.com/jp/medical/kerte/index_k01.html

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by yangt3 | 2006-10-13 00:15 | ニュース