もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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若年者の虚血性心疾患が増加

最近のメタボリックシンドロームへの
関心の高まりとともに
高脂血症の治療に積極的に取り組む
機運が高まってきています.

循環器領域では、高脂血症、高コレステロール血症
に対して冠動脈疾患のリスクを
減少させるために、積極的に
コレステロール降下薬(スタチン)を
投与して治療しています.

特に最近結果が報告された
日本人を対象にしたメバロチン使用の
MEGAスタディによって
積極的なコレステロール降下による
心血管系疾患の予防効果が実証されています.

最近、若年者の虚血性心疾患が増加しており
改めてリスク評価とその治療が重要です.

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-----------Nikkei Medical Online  2006.10.30
 (記事閲覧には登録が必要です)

若年者の虚血性心疾患リスクが明らかに
肥満と運動不足が危険因子、夏季に多いのも特徴

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 若年者の虚血性心疾患は増加傾向にあると
 されるが、中高年に比べると、肥満と運動不足が
 発症の重大な危険因子であり、狭心症より
 心筋梗塞の割合が高いことが分かった.

 調査対象は、1992年から2002年の間に
 長野県で虚血性心疾患を発症した40歳以下の
 若年患者101人と50歳以上の中高年患者94人.
 それぞれの冠動脈病変、代謝危険因子4項目、
 生活習慣危険因子3項目などを、カルテと独自に
 作成した調査票に基づき比較検討した.

 その結果、中高年の虚血性心疾患患者では
 BMI 25以上が37%だったのに対し、
 若年者では57%、喫煙者の割合も
 中高年の64%に比べ、若年者では80%と、
 それぞれ若年者の方が有意に高かった.
 また、若年者では運動習慣が発症リスクを
 減らすことも分かった.
 一方、中高年では60%が高血圧を合併していたものの、
 若年者は31%で有意に低かった。

 今回の調査の詳細を調べてみると、
 若年者では肥満でも小児期からのものが多く、
 喫煙者は発症後も禁煙できないケースが
 多いことが分かった.また調査では、
 両群の虚血性心疾患の発症時期も調べており、
 若年者では中高年に比べ、夏季の発症が
 有意に多いことが分かった.
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 私の経験では、30代後半の方の
急性心筋梗塞症例があります.
この記事にあるように夏場であり
かつ入浴後の発症でした.

若年者の方といえども、他の世代同様に
今後は早期からの生活習慣病の予防教育が重要になります.
若いうちから、生活習慣病を意識した
検査や食生活、健康への注意などが大切なことです.

厚生労働省の方針では、成人の肥満を減らす予定でしたが
実際には、肥満の成人男性が増加しているそうです.

-------------北海道新聞 2006.10.30
厚労省の目標とまるで逆 肥満男性が増加
http://www.hokkaido-np.co.jp/Php/kiji.php3?&d=20061030&j=0045&k=200610302491

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 「肥満」を減らすはずが、成人男性では
 逆に増加−。厚生労働省が2000年策定した
 健康づくりの長期計画「健康日本21」で
 定めた二○一○年までの約百項目にわたる
 数値目標のうち、約三十項目が策定時よりも
 悪化していることが二十九日までに分かった.

 計画の中間実績によると、肥満
 (体重を身長の二乗で割ったBMI指数が25以上)
 の人の割合は、20−60代男性で策定時の
 24・3%から15%以下に減らすのが目標だが、
 29・0%と逆に増加。20%以下にする目標の
 40−60代女性も、25・2%から24・6%と、
 わずかな減少にとどまった.

 このほか一日の歩数は、成人の男性
(目標九千二百歩)女性(同八千三百歩)、
 七十歳以上の男性(六千七百歩)女性(五千九百歩)で
 いずれも目標が達成できないどころか、
 策定時より減少.朝食を食べない中高生をゼロにすることや
 ストレスを感じる人の減少(目標49%以下)、
 日本酒に換算して毎日三合以上など
 多量に飲酒する男性の減少(目標3・2%以下)なども、
 逆に数字が増加していた。
 (後略)

同様の記事が続きます
---------asahi.com 2006.10.28
運動ブーム、肥満も過去最高 内閣府調査
http://www.asahi.com/health/news/TKY200610280222.html

 散歩などの運動やスポーツをする人が
 増えている一方で、肥満を感じる人も過去最高.
 内閣府の「体力・スポーツに関する世論調査」で、
 こんな実態が浮かんだ.
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私も含めて、若いといっても
仕事に追われる普段の生活のなかで
なかなか運動ができないのも事実.

せめてウォーキングだけでも
メタボリック症候群が予防できるとか.
歩くだけならジムに出かけるようにお金もかからないし
お手軽です.

---------------asahi.com 2006.10.28
毎日1万歩でメタボリック予防
http://www.asahi.com/health/news/TKY200610280211.html

 毎日1万歩以上歩くとメタボリックシンドローム
 (内臓脂肪症候群)の予防につながるらしい.

 メタボリックシンドロームは、食べ過ぎなどで
 内臓脂肪がたまり、糖尿病や高血圧などに
 なりやすくなった状態.血管の傷みを治す
 アディポネクチンという物質の分泌が減り、
 動脈硬化になる危険性があるとされる.

 ウォーキング前後の血液中のアディポネクチン濃度を
 調べたところ、毎日1万歩以上か、2000歩以上
 早足で歩いていた人たちは、運動前より2割以上
 高くなっていた.1万歩未満だとそれほど上がっていなかった.
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つまりウォーキングをする事によって内臓脂肪が減少し
(肥満の解消)
筋肉も増加し、血管修復に有用なアディポネクチン濃度が
高まり、血管の障害が減少し
(動脈硬化の改善)
運動によって、血糖値やコレステロール値も改善する.
そういう理屈になるわけですね.

さらに今話題のデトックス(解毒、DETOX)の観点からすると
お魚(魚食)をしっかりと食べる事によって
成人では、コレステロールを下げて
心疾患を予防することができます.
-----------NIKKEI NET
魚食の効用はリスクを上回る
http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm

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 米国心臓協会(AHA)では、心疾患患者で
 1日1,000mg、健康な人で1日500〜1,000mgの
 オメガ3-脂肪酸摂取を推奨している.
 3.5オンス(約100g)当たりに含まれる
 オメガ-3脂肪酸は、イワシのオイル漬けで
 約3,300mg、サバ2,500mg、ニシン1,600mg、
 サケ1,200mg、カワマス500mg、エビやヒラメで300mg.
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カテーテル治療をする立場からすると
将来にわたる内服治療などのことを考えると
若年者の方に、冠動脈のステント治療を行うのは
気が重いことでもあります.

ましてや、重症の冠動脈疾患となり
バイパス治療が必要なまでに
病気を悪くなっては、本当に大変です.

真剣に肥満に取り組まないと
あとで治療も含めて苦労します.
運動、食事を頑張っていただきたいです.

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by yangt3 | 2006-11-01 00:09 | ニュース