もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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増加する救急要請のトリアージ

救急車で来院される方々が
全て入院や集中治療を要する状態
というわけではなく、軽症でも
救急車が要請されることも
あるようです.

救急要請があれば、救急隊の皆さんは
救急出動をしなければならず
救急通報が重なった時、本当の重症患者の
救急要請があった時の
トリアージが問題になります.
消防(つまり救急)の費用は市町村が負担
することになっており、適切な救急搬送も
救急活動に重要なことです.

本当に一部の悪質な稀な例ではありますが
「救急車だと忙しい病院でも優先的に
診てくれると思った」といつも救急車を
タクシー代わりに使われる人が
いることはたしかです.

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このような救急出動件数の増加に隠れている
緊急性がないのに119番通報する例や
真の救急トリアージを行う為に
救急関係者、各市町村でいろいろな議論や
取り組みが行われています.

------------------asahi.com 2006.10.13
「タクシー代わり」の119やめて 策練る国・自治体
http://www.asahi.com/national/update/1013/TKY200610130262.html

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横浜市では、救急車をタクシー代わりとして
使っているとしか思えない通報が相次いでいる
ということです.
「どの病院に行っていいかわからない」から始まり、
「コンタクトがずれた」(神戸市消防局)、
「救急車だと優先的に診てくれると思った」
(横浜市安全管理局)など、
びっくりする事例は多いそうです.

救急隊の出動には、かなりの費用がかかるそうで
管轄内の人口が市最多の約15万人に上る
太田消防署では、年間で総額1億2918万円かかり、
1回当たりの費用は11万7325円に及んだそうです.
うち間違いやいたずらの通報は2850件で、
職員が応対するだけで計3925万円かかったそうです.

一番の問題は、軽症の救急出動に追われて
重傷者にすぐに対応ができないという
危惧が関係者の間に拡がっている事です.

民間の救急搬送サービスというものがあって
昨年4月に設けた「東京民間救急コールセンター」も
その一つだそうです.
運営する東京救急協会によると
搬送は国交省の認可を受けた業者が行っています.
月平均の配車件数は308件(05年度).
増加傾向だが、料金が割高なのが難点だそうです.

寝台付きの搬送車を約2キロ離れた自宅と
病院を走らせ、料金は2万5200円くらい.
結構な料金になります.

ちなみに欧米では、救急車は有料であり
民間救急搬送も日本より普及しています.
救急業務も実は、日本は医療制度と同じく
無料で全国共通で誰もが利用できるというのが
素晴らしいことなのです.

救急のトリアージに関しては
東京消防庁が利用者に電話での相談サービスを
検討しているそうです.
------------------------東京新聞
『救急車』相談TEL
119番の前に症状の『緊急度』判定
http://www.tokyo-np.co.jp/00/sya/20061028/mng_____sya_____011.shtml

実際には、突然の症状にびっくりして
どうしてよいのか、わからないのが
本当のところで
このような電話相談で、適切な指導を
受ける事ができれば、それで安心して
落ち着いて行動することができます.
どこに相談してよいかわからない.
夜中にどの病院にかかっていいのかわからないなど
地域住民の皆さんの不安を取る事も
重要な仕事で、このトリアージの取り組みが
全国で検討されるとよいと思います.

横浜市では、悪質119番通報に罰金条例を
制定したそうです.

----------------------------asahi.com 2006.10.28
悪質「119番」に罰金条例 横浜市が全国初制定へ
http://www.asahi.com/national/update/1027/TKY200610270404.html

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 横浜市は、いたずらなど「あまりに非常識な理由」で
 119番通報した人から過料を取る条例を、
 来年度中に制定する方針を固めた。総務省によると、
 罰則規定を設けた条例はこれまで例がない.
 救急車の到着時間の遅延が問題化する中、
 要因の一つである悪質な通報の抑制策として注目されそうだ.

 条例では、いたずら目的や症状を実際より重篤に偽るなど、
 社会通念上、非常識と判断した場合は「業務妨害」とみなし、
 過料を科す.金額は5万〜数千円台の範囲で調整に入っている.

 悪意があるかどうか線引きが難しいケースもあるため、
 第三者機関を設け、医師の診断や救急隊の聞き取りをして
 総合判断することも検討する.

 「頭痛が治まらない」「深づめをした」など緊急性はないが
 病状に不安がある場合は、救急搬送を断った上で、
 新設する医療相談窓口を紹介して対応するという.
--------------------------------------------------------
地域の総合病院、大学病院、3次救急病院も
やはり風邪などの軽症患者が多数来院し
救急搬送業務と同じく
長い待ち時間、ひどい混雑などで
診療業務が滞っている現実があります.

個人的には、不安で救急要請をかけて
結果的に軽症だからということで
罰金をとられるということに、
ちょっと抵抗があります.

医療や救急業務が、ごく一部の心無い人たちの
行動で衰退することがないように.
救急の現場の人たちが
燃えつき症候群にならないように.

天災、人災、さまざまな災害への
日頃の心の準備を忘れず
急病への対応も常日頃から情報収集や
勉強を忘れず、地域の救急の啓蒙の会合にも
きちんと参加することも大切ですね.

御年寄の一人暮らしも増えていて
イザという時に、周囲の人たちがサポートできるような
地域社会の繋がりを見直すことも
考えないといけませんね.

もう一度、救急の原点に返って
世界に誇るべき日本の救急システムを
皆で守っていきましょう.

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by yangt3 | 2006-11-02 00:30 | ニュース