もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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日本の心血管死亡率、世界を下回る

日本でもメタボリック症候群が話題になり
高血圧、高脂血症、糖尿病など
健康に対する意識が高まっています.

日本の心血管死亡率が世界を下回っているという
記事がありました.

-----------------SankeiWEB 2006.12.01
心血管死亡率、世界下回る
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/kenko/061201/knk061201010.htm

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 心筋梗塞(こうそく)や脳梗塞などを起こした人が
 1年以内にこれらの心血管疾患で死亡する率は、
 日本人では0.57%で、日本を除く世界平均の
 1.54%を大きく下回ったとする研究結果を
 東海大学医学部の後藤信哉・助教授らがまとめた。
 日本を含む世界44カ国の共同研究で、
 45歳以上の6万8000人以上を追跡調査。
 心血管死亡や致死性でない心筋梗塞・脳梗塞を
 起こした人は3.40%いた。
 日本人は心血管死亡率が世界平均より低く、
 非致死性心筋梗塞も0.80%で
 世界の1.13%を下回った。
 非致死性脳梗塞は1.48%と世界と同程度だった。
 好成績の理由について後藤助教授らは
 「日本人の遺伝的背景や生活習慣、
 質の高い医療体制などが考えられる」としている。
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日本の場合には、狭心症や心筋梗塞の緊急治療
カテーテル治療が普及しており
平均した質の高い医療が受けられるということでしょう.

アメリカなどでは、国土が広いため
カテーテル治療や救急治療をうけるために
ヘリコプターで移動というも日常茶飯事ですから
日米の医療環境の違いも、心血管死亡率に
影響していると思います.

食事に関していえば
卵と心筋梗塞の関係の記事もありました.

------------------asahi.com 2006.11.20
卵と心筋梗塞、実は無関係だった 厚労省9万人調査
http://www.asahi.com/science/news/TKY200611200148.html

 卵を毎日食べても心筋梗塞の発症リスクは変わらない?——。
 卵はコレステロールを多く含み、たくさん食べると
 心筋梗塞の危険性を高めると指摘されてきたが、
 厚生労働省研究班
 (班長=津金昌一郎・国立がんセンター予防研究部長)の
 大規模な疫学調査で意外な結果が出た。

 狭心症などにかかったことがない全国10地域に住む
 40〜69歳の男女約9万人について、10年間調べた。
 開始時に食生活などの習慣を聞き、
 卵を「ほぼ毎日食べる」から「ほとんど食べない」まで、
 四つのグループに分けたが、
 「ほぼ毎日」の人たちの心筋梗塞の発症危険度は、
 ほかのグループと変わらなかった。

 総コレステロール値の平均も「ほぼ毎日」の人たちが200で、
 「ほとんど食べない」人たちの205とほぼ同じだった。
 担当した中村保幸・京都女子大教授(循環器内科)は
 「もともとコレステロール値が高かった人が、
 食べないグループに入った影響も考えられる。
 卵を毎日食べるかどうかよりも、総コレステロールを
 低く保つことの方が重要だ」と言っている。
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卵(鶏卵)1個あたりには、約235mgのコレステロールが
含まれているそうです.こうしたことから
卵の食べ過ぎは、心臓病のリスクを高めると
いわれてきました.

有名なフラミンガ厶研究による心血管系疾患の
疫学的調査でも
卵の摂取と心臓病のリスクとの関連は
はっきりしなかったそうです.

2005年に行われた脳卒中の研究でも
健康な人なら1日1〜2個の卵を食べても
心臓疾患や脳梗塞の発症は
増加しないという結果がでました.

肝心なのは、過不足ないことだと思います.
中庸の精神ですね.

本来、コレステロールは、細胞や消化液、
ホルモンなどの材料として必要な重要な物質なので
コレステロールなしでは、生きることができません.

人は、コレステロールを食べ物から摂取するだけでなく、
肝臓や小腸などでも作っています.

コレステロールは1日当たり1000〜2000mgほど必要で、
そのうち300〜600mg程度が食品由来だそうです.

循環器領域からは、コレステロール悪玉論が優勢で
できるだけ、コレステロールを下げろ、下げろと
激烈な指導が入りますが
逆にコレステロールを下げすぎることの
健康被害については、議論は、まだまだこれからです.

実際のコレステロールの管理にあっては、
総コレステロール値だけでなく
個々の方の悪玉コレステロール(LDL)と
善玉コレステロール(HDL)の値を加味して
適切に対応しないといけないと思います.

あと蛇足ですが、熱を加えて
焦げ目をつけた卵より生卵のほうが
コレステロール増加は少ないようです.

ちなみに 日本卵黄教会というホームページがあります.

 社団法人 日本卵黄教会
 http://www.nichirankyo.or.jp/bunken/firist.htm

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こちらは、昭和25年に設立されたそうです.

卵に関するいろいろな知識を
このホームページから得ることができます.

コレステロール値を適性な数字に保つためには
適度な運動と、卵だけにとらわれない
総合的な食事療法が必要だということですね.

食事といえば、かの国アメリカでは
さらにトランス脂肪酸の使用禁止までにいたったそうです.

----------------CNN.co.jp 2006.12.06
NY市、飲食店のトランス脂肪酸使用を禁止
http://www.cnn.co.jp/usa/CNN200612060002.html

 ニューヨーク──ニューヨーク市保健当局は5日、
 市内の飲食店に対し、人工トランス脂肪酸を含む
 調理油の使用禁止を全会一致で可決した。
 トランス脂肪酸は、動脈硬化の原因となる
 コレステロールを増加させ、心臓病を招く
 可能性が指摘されている。

 市内のレストランは来年7月までに、
 トランス脂肪酸を含むフライ油の使用を中止する。
 その後1年以内に、全てのメニューからこうした
 調理油を全面的に排除する。
 この措置は、ブルームバーグ同市市長が提案した。

 外食への依存度が高い同市市民は健康志向が高く、
 今回の決定を歓迎する向きが多い。
 ただ、一部市民は権力が個人の食生活に介入するとして
 抵抗感を表明。ニューヨーク州の外食産業団体の関係者も、
 米食品医薬品局(FDA)が承認した食材の使用禁止は
 行き過ぎだとの認識を示している。

 米国では今年1月から、食品のラベルに
 人工トランス脂肪酸を記載することが義務付けられた。
 学校で販売されているスナック類を対象に、
 トランス脂肪酸を削減する取り組みも行われている。

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病気の予防、動脈硬化の予防の基本は
食事にありというのは確かなようです.

さまざまにネットにあふれる食事に関する情報を
きちんと整理整頓して、実際の食事に
いかしていくのは、大変です.

医療スタッフも、一緒に勉強して
少しでもよい食事療法を考えていきたいと思います.

私自身は、現在は
低炭水化物療法をお勧めしています.
詳細は、またポッドキャストで紹介させていただく予定です.
by yangt3 | 2006-12-08 00:28 | ニュース