もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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奇跡の生還

ニュースでもうご覧になった方も多いと
思いますが、ザ・ドリフターズの
加藤 茶 さんが12月25日に記者会見を
行いました.

加藤ちゃんが闘った病気は、
「解離性大動脈瘤」だったそうです.

「大動脈解離は、大動脈の内壁が避ける病気で、
発症後48時間以内に治療が受けられない場合は
生存率が5%に低下する.
25年前に裕次郎さんが同じ病気を患い、
手術を受けて快復したことで知られる」
---------------goo ニュース 2006.12.26

加藤ちゃんの手術が無事に成功して
元気に生還され、また現場に戻れそうということで
本当に良かったと思います.

循環器、心臓、大動脈の病気は、一刻を
争う病気が多く、解離性大動脈瘤も含めて
診断の遅れ、治療の遅れが致命的な結果に
つながることも少なくありません.

加藤ちゃんと同じように、市井の、
普通の名もなき人たちが、同じようにこうした
大病を克服し、私たちの病院に生還されています.

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------------------goo ニュース(サンケイスポーツ) 2006.12.26
加藤茶「2週間、生死さまよった」174分心臓停止から奇跡の生還
http://news.goo.ne.jp/article/sanspo/entertainment/120061226021.html

  10月30日に東京・慶應義塾大学病院に緊急入院した
 ザ・ドリフターズの加藤茶(63)が25日、
 東京・元赤坂の明治記念館で会見し、11月に血管の大手術を
 受けていたことを明かした。
 病名は大動脈の内壁が裂ける「スタンフォードA型大動脈解離」で、
 故石原裕次郎さんも患った重病。
 加藤は「2週間くらい生死の間をさまよった。
 どういう手術をしたのかもわかりません」と告白した。
 「2週間くらい生と死の狭間をさまよってました。
 どう手術したのかもわからない。治るつもり、
 生きて帰るんだと思ってました」

 神妙な面持ちで加藤は、壮絶な闘病生活について語った。
 体重が63キロから54キロへと9キロも減ったというが、
 顔色はいい。
(中略)
 加藤によると、胸部の重圧感や疲労感を訴え、
 10月26日に慶大病院でMRI検査などの精密検査を受けた結果、
 大動脈解離が見つかった。同30日に緊急入院し、
 生命への危険があるとして手術に踏み切ることを決意。
 11月6日に手術を受けた。

 9時間56分にも及んだ手術は凄まじかった。
 会見に同席した医師によると、体温を23度まで下げて
 心臓を174分間停止させた状態で、特殊な管を接続して
 脳血流を確保。その後、心臓の近くから頭へ向かう大動脈3本を
 人工血管に交換し、冠動脈1本をバイパス術するという大手術だった。

 しかも加藤は冠動脈狭窄症を患った際に冠動脈に
 6個のステント(血液の流れを確保する器具)を入れていたため、
 手術は困難を極めたという。
 加藤は「後で聞くとすごい手術だということがわかって…。
 生かされてるんだと思いました」と率直な思いを告白した。

 闘病中は、18年間連れそって一昨年離婚した鈴子さんが
 付き添った。離婚後は一人暮らしをしていたが、
 別れても妻は妻だった。献身的に介護してくれたといい
 「面倒を見てくれるのは彼女しかいないので助かった」と感謝した。

 今月29日に退院し、リハビリを行いながら来年1月いっぱい静養。
 その後は体調を見ながら仕事を再開していく。
 
 会見終盤には十八番のギャグ「加トちゃん、ペッ」を披露した加藤。
 「元の加藤茶に戻るまで待っててください。健康になったら
 死ぬまでバカを通しますから」と誓っていた。

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解離性大動脈瘤は
患者さんも大変ですし、治療する側にもかなりのストレスとなります.
院内に手術可能な心臓外科医が
常在していない病院の場合は、初期診療を担当する
医師のストレスも大きいものです.

解離性大動脈瘤の場合は、いかに早く正確に診断するか
特に今回の加藤 茶さんのようなスタンフォードA 型解離のような
危険な解離をいかに早く見つけるか.

診断の遅れ、外科医への搬送の遅れ、手術の遅れは、
直接生命にかかわることになります.

循環器科の治療は、カテーテル治療と点滴などの内科的治療であり
外科的処置、手術が必要な疾患に対しては
本当に無力です.

薬剤溶出ステントの普及に伴い、ステントの再発が見込まれ
引いてはバイパス手術が少なくなり
心臓外科医不要論まで、一時真剣に議論されましたが
実際は、有能な心臓外科医の存在なしでは
われわれ循環器、内科医は仕事を安心して
続けることはできないのです.

当院からもいろいろな心臓外科手術のため、
心臓外科医のもとに送った患者さんが何人もおられます.

先日も、大きな手術を無事に乗り切って快復され
元気に当院に帰ってこられたおばあちゃんがおられました.

心臓外科医に送るときとは打って変わって
本当にお元気そうでした.

緊急バイパス手術で同じく心臓外科医に送り届けた方も
その後手術も順調に経過し
元気になって当院に戻ってこられました.

仕事の忙しさもストレスも
無事に手術を乗り切って、元気に帰ってこられた
方々の笑顔をみれば、吹き飛んでいくように思います.

そんな患者さんの笑顔を積み重ねていくことが
いい病院への近道なんだと思います.

若い医療スタッフの人たちが
なんのために医療の仕事を続けるかということを
もういちど、加藤 茶さんの記者会見をみて
考えて欲しいなと思います.

地位でもなく名誉でもなくお金でもなく
患者さんのため、患者さんの笑顔をみるため.

理想論と片づけずに、医療は真剣に仕事に
打ち込む価値があると思います.

みんなで力を会わせて無理せずに
できることから始めましょう.

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by yangt3 | 2006-12-26 16:39 | ニュース