もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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もっとスキンシップを

医療関係者は医師、看護師さんにかぎらず
年末年始、日曜祝日にお構いなく
仕事に追われ、十分な休日もとれないことも
多いです.

小さい子供がいたり、介護の必要な親を抱えては
とても激務を続けることができないです.

最近は、医療者への風当たりも強く
病院でのストレスもどんどん増加していて
そんな厳しい環境の中でも仕事を続けていらっしゃる
皆さんには、本当に 「お疲れさま」と
言いたいです.

私は、仕事でつらいと思ったことはありませんが
仕事に追われて家族と過ごす時間が削られるのが
何よりましてつらいと感じています.

どこにでかけるのでもなく、ただ一緒に過ごす時間が
家族、夫婦には必要なのだと思います.

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優しい声かけや、スキンシップが
相手の心や体をいやすことにつながると思います.

次のような研究があります

-------------------Psychological Science 2006.12.;vol17.;pp 1032
Holding Hands May Reduce Stress
幸せな結婚生活を送る妻は夫の手を握ると、ストレスが減少する
by James Coan, PhD

 幸せな結婚生活を送る夫婦では、配偶者の手を握ると、
 ストレスの軽減に役立つ可能性がある。
 この知見はバージニア大学の心理学専門家が
 幸せな結婚生活を送る夫婦を対象に研究を行って得たものである。
 James Coan, PhDらが実施した本研究は、
 幸せな結婚生活を送る30代はじめ(平均)の
 夫婦16組を対象とした。
 (中略)
 妻は足首に電極を付け、電気ショックが来ることを
 警告またはショックが来ないことを
 保障するスクリーン画面を注視した。

 一方で研究者らは、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)で
 妻の脳をスキャンした。Coan博士の研究チームは、
 夫婦をfMRI装置にあらかじめ慣れさせておいた。

 予測された通り、電気ショックが来ることを妻が知った場合、
 脳スキャン画像では脅威を扱う脳領域の活動が認められた。
 しかし、同じ脅威を受ける際に妻が夫の手を握った場合、
 握っていない場合に比べて、脳スキャン画像は穏やかな状態を示した。

 比較のため、会ったことのない見知らぬ男性の手を握ってもらい、
 同様に妻を試験した。

 他人の手を握っている間、妻の脳スキャン画像は、
 誰の手も握っていないときより穏やかであったが、
 夫の手を握っているときと比べると、穏やかさの程度は少なかった。

 また、妻は、各実験の不快度およびストレス度について評価した。

 誰か(配偶者または他人)の手を握っている場合には、
 身体的に落ち着きを感じたが、実験の不快度は
 夫の手を握っている場合のみ軽減された、と妻らは回答した。

 つまり、誰の手もまったく握っていないよりは、
 他人の手を握った方が良かったが、夫の手を握ったときに
 最良の結果が得られた。

 本知見は、孤立より社会的つながりをもつことが有益であり、
 親密な感情的結びつきが重要であることを示す
 他の研究結果と一致する。
----------------------------------------------------------------------------------
人間が健康を保っていくために
人との繋がりが、社会との繋がりが
いかに大切であるかを、あらためて認識させられます.

夫婦関係は、今回の場合、例として取り上げられただけで
同じような現象は、たとえば、恋人との間
親子の間、信頼する友人との間などなど
親密な人間関係であれば
同じ現象が観察されると思います.

日本語で医学治療のことを「手当て」といいますが
文字通り手を当てることが
この研究のように、ストレスを軽減し
癒しを与えるということだと思います.

もちろんお互いに信頼できない関係であれば
こうしたストレス軽減、癒し効果は得られません.

癒しを与える側(治療者、手当ての側)にどのような
脳内の変化が起こるのかも興味のあるところです.

ストレス下で妻の手を握ったとき、夫の脳が穏やかになるかどうかは、
明らかにはされていませんが
同じように、お互いにストレスが軽減し、癒されるように
思います.

実際には、こうした幸せな人間関係、家族地域の関係に
恵まれた人ばかりではありません.

------------------------asahi.com 2006.11.25
一人暮らしのおじいちゃん、近所と交流なし24%
http://www.asahi.com/health/news/TKY200611250237.html

 近所づきあいがなく相談相手もいないなど、
 お年寄りの「孤立化」が、一人暮らしの男性に際だっていることが、
 高齢者を対象とした内閣府の意識調査からわかった。「
 会社人間だった男性が退職後、地域になじめずに
 孤立化していることがうかがえる」と内閣府は分析している。

 調査では、65歳以上の男女を、一人暮らし世帯、
 夫婦2人だけの世帯、世帯形態を問わない「一般世帯」に分類。
 全国から世帯ごとに1500人を抽出して今年1月に面接し、
 計2756人から回答を得た。

 日常生活での心配事が「ある」「多少ある」と答えた人は、
 一人暮らし世帯で63%、夫婦のみで62%、一般58%。
 内容はいずれの世帯でも「自分が病気がち、介護が必要」が
 最も多かった。将来に不安を感じる人は、
 一人暮らし69%、夫婦73%、一般65%と、
 各世帯でさらに多かった。

 心配事や悩み事の相談相手がいない人は、
 一人暮らしの男性が17%。一人暮らしの女性(4%)や、
 他の世帯の人がいずれも1ケタ台だったのに比べ、突出して多かった。

 近所づきあいがない人も、他の世帯の人はいずれも1ケタ台だったが、
 一人暮らしの男性は24%。親しい友人はいない(41%)、
 老人クラブや自治会などグループに所属していない(48%)
 という人の割合も、ほかより高かった。
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本当に現実は厳しいと思います.

せめて病院にかかられる高齢者の方や
入院されている方々に、こうした「手当て」、癒しとなるように
心がけて仕事をしたいと思います.

昨今、血液検査、CT、 MRI、エコーなどの診断技術の進歩により
聴診器をあてるまでもなく、肺炎や弁膜症の診断がついてしまいます.

入院して一度も聴診器を当ててもらっていないということも
冗談ではなく起こり得ることです.

長期入院されている方々にとっては
ベッドサイドに看護師さんやスタッフが来てくれることは
とてもうれしいことだと思います.

逆にスタッフの心無い一言やしぐさに
深く傷つくこともあります.

療養型病棟に入院されていて
状態も安定している患者さんに聴診器をあてるということは
医師と患者さんの関係において
聴診器をあてることでストレスの軽減につながると思います.

白衣をきた医師、看護師は、
白衣を着ることによって治療者として、癒しを与える人として
使命を与えられているのだと思います.

最新の治療、最新の医学の進歩に遅れることなく
日々努力が必要ですが、その一方で
こうした当たり前のストレス軽減、癒し、
いわゆるスキンシップを大切にしていかなければと
そう思います.

私自身は、どんなに仕事に疲れても
自分の子供を抱き上げた途端にストレスが軽くなるようです.
いつもそういう心でありたいものです.

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by yangt3 | 2007-01-06 00:03 | ニュース