もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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医師不足の解消のために

医師、看護師の不足が全国的に問題となっています.
都市部はともかくとして、地方では
その問題は深刻です.

なんどもこのブログで取り上げたように
医師、看護師、病院スタッフの過酷な
労働環境が不足の原因とされています.

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-------------------NIKKEI NET 2006.12.28
勤務医労働、「週59時間以上」4割・埼玉県医師会調査
http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2006122803195h1

 病院に勤務する医師の約4割が、週平均59時間以上
 働いていることが12月28日、埼玉県医師会の
 「勤務医現況調査」でわかった。約1割は79時間以上と回答。
 月平均4回以上の泊まり勤務をしている医師も
 全体の約3割を占めた。病院勤務医不足の一因とされる
 過酷な労働環境が改めて浮き彫りになった形だ。
 地域が限定されているが、勤務医の労働実態に関する
 詳細な調査は珍しいという。
 調査には県内の病院に勤務する医師1084人が回答。
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なんとかこの状況を解決する方法が模索されています.




一般の企業でもいわゆる団塊の世代のリタイアを控えて
こうしたベテランたちの再就職を考慮しているようです.

医療の分野でも同様の試みが行われています.

--------------NIKKEI NET 2007.1.5
山形大、退職医師を地域医療に——最長1年かけ再教育
http://health.nikkei.co.jp/news/top/index.cfm?i=2007010407676h1

 【山形】山形大学医学部は2007年度から、
 公立病院の退職医師などを再教育し、医師不足に悩む地域の
 病院などで勤務してもらう事業を始める。最長1年をかけて
 医療全般を担える医師に再生し、地域医療に貢献させる。
 東北、北海道を中心に当面、15人を目標に希望者を募る。
 今月から担当教員らが公立病院を訪問し、現実的な医師のニーズを探る。
 事業は新設の「メディカルスタッフ再チャレンジ推進センター(仮称)」
 が中心となって進める。過疎地域などで医師不足が深刻化する一方、
 都市部では定年退職後に医療活動をしていない医師も増えている。
 こうした退職医師をはじめ、出産・育児などで休職している医師、
 臨床復帰を希望する研究者などを対象に再教育し、
 地域医療を担う人材を強化する。
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一般的に医師は、仕事へのモチベーションが高く
体が元気なうちは臨床の仕事を続けていきたいと
考えている人が多いと思います.

私も体が続く限りは、仕事を続けていきたいと思いますので
こうした退職医師へのアプローチは有用でしょう.

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さらには別の試みもあります.

--------------asahi.com 2007.1.7
医師への道にも社会人コース 都が4年制大学院検討
http://www.asahi.com/health/news/TKY200701060318.html

 大学の医学部以外の卒業生や社会人にも医師への道を——。
 新たな医師養成をめざす専門職大学院「メディカルスクール」の
 設置に向けて、東京都が07年度にも検討を始める。
 研究や学問よりも診療や治療の実践に比重を置き、
 現行より2年短い4年で医師国家試験が受けられる
 「バイパス」をつくる試みだ。医師法などの改正が必要になるが、
 都は「質の高い医師の確保は急務。
 医師養成のあり方に一石を投じたい」としている。

 都の構想は、弁護士や検事を養成する法科大学院(ロースクール)や、
 公認会計士のための会計大学院などの医療版だ。
 モデルは臨床中心の米国のメディカルスクール。
 専門家の間には「別の分野を学び、いったん社会に出てから
 改めて医師を志す人には高い目的意識があり、
 患者としっかり向き合える」と指摘する声がある。

 都は07年度にも外部の専門家を交えた検討会をつくり、
 カリキュラムや教員の確保など具体的な内容を詰めていく。
 都立の首都大学東京や他の大学、病院への設置を想定し、
 臨床教育のために都立病院の医療現場を提供することを考えている。

 その前提として、医師法の改正を国に働きかける考えだ。
 現行では、海外の医学校の卒業生を除き、
 大学の医学部で規定のカリキュラムを最短6年間学ばなければ
 医師国家試験が受けられない。都内で先行実施ができるよう、
 国に構造改革特区を申請する方法も探る。

 医師数は、全国的にも都市部への集中や診療科によっての
 偏在が進んでいる。都内でも04年までの8年間で全体数は増えたが、
 小児科医と産婦人科医は8%強減った。都内の総合病院のある医師は
 「長時間勤務や医療訴訟などに直面し、
 働き盛りの病院勤務医が辞めていく」と嘆く。

 医療技術が高度化する中、医療訴訟の件数はここ10年間で
 倍増した。医師の説明責任への患者の意識も高まっている。

 メディカルスクールをめぐる議論では、文部科学相の諮問機関の
 中央教育審議会が大学院のあり方を検討する中で議題にあげたが、
 医療界の慎重論を受けて結論は出ていない。都知事本局は
 「都が具体的な検討に入ることで、医師養成システムを考え直す
 機運を高めたい。目的意識の高い医師が増えれば、
 特定の診療科医の減少や全国的な医師の偏在解消にもつながる」と
 話している。

 〈メディカルスクール〉 米国やカナダなどで設置されている
 医学教育機関。都が参考にする米国型は、一般の大学卒業生や
 社会人を対象にした4年制の大学院で、診療チームのメンバーとして
 現場体験するなど実践を重視。教養と社会性を備えた質の高い
 臨床医養成をめざす。日本では05年の中央教育審議会の報告書で
 「中期的な課題」と位置づけられたが、慎重論が出て検討は先送りされた。
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基本的に、私は、このメディカルスクールプランには賛成の立場です.
ただ実現には、医師法の改正も含めかなりの困難が
予想されるとは思います.

医療技術の高度化、専門化、細分化に伴って
医師がすべてを管理し実践することが困難になってきています.
薬剤管理、薬の副作用の説明などはやはり薬剤師にまかせるべきでしょう.

64列CTや、高性能のMRなども質の高い画像を得るためには
選任の放射線技師の存在が不可欠です.

臓器移植や様々な局面での患者さん、患者さん家族との面談には
医師だけでなくコーディネーターと呼ばれる専門職が必要です.

今の医療の現場では、医師、看護師が本来の臨床の仕事以外の
いわゆる雑用に追われ過ぎています.

勤務交代のある看護師さんたちも勤務時間は患者さんのケアに
追われて、勤務時間を過ぎてからカルテ書きに追われ
帰宅する時間はいつも遅くなっています.

もしメディカルスクールができれば
いろいろな経験を持つ人たちが医療の現場に参加することが
可能になります.

救急や循環器、外科など泊まり込みも多く
深夜、時間外の労働も多い科には40代を過ぎると
少し体力的にきついかもしれません.

逆に、ゆっくりと患者さんに対応するとか
3分間診療と呼ばれる現在の状況を改善させるためには
いろいろな経験のある社会人の人たちの方が
適しているかもしれません.

また看護師、パラメディカル、そして救急救命士の方でも
モチベーションの高い方は
このメディカルスクールで学んで資格をとれば
医師としてさらに臨床の現場でもっと力を発揮できるように
なると思います.

人材の確保という意味だけでなく
医学部というところは一種の閉鎖社会でもあり
そこにメディカルスクールという方法で
新風を吹き込むことができれば、と思います.

医療に関心のある方、そして自分で医療をよくしようと
思っているモチベーションの高い方が
制限なくこのメディカルスクールに入学できると
よいのではないでしょうか.
by yangt3 | 2007-01-08 00:10 | ニュース