もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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アシュリー治療

延命治療や終末治療について
議論が続いています.
さまざまな学会でガイドラインの作成が
進んでいますが
実際には、現場の判断、個別の判断に
まかされているのが現状です.

十分な議論を尽くすこと.
本人、家族の意思を尊重すること.
院内倫理委員会を含めた体制を整えること.
医師、医療スタッフの意思統一をはかること.
などなど、これからも対応に苦渋の選択を
迫られる状況は続きそうです.

シアトル小児病院でも
困難な選択を迫られれたそうです.

 The Ashley Treatment
http://ashleytreatment.spaces.live.com/photo

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---------livedoor NEWS 2007.01.07
脳障害の少女の体を現在のまま“停止”に 
家族は愛情からと説明
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__2959372/detail

 脳に異常を持ち、歩くことも話すこともできない
 9歳の少女アシュリー。首は枕を使わなければ
 頭を支えることもできない。座ることもできず、
 栄養はチューブで与えられている。
 脳の知的機能は既に失われており、現在の医学では
 回復の見込みはない。しかし、アシュリーは体は成長し、
 日々大きくなる。今のアシュリーはまだ体が小さいが、
 大人に成長したら、今のように家族がアシュリーを抱えて、
 旅行や移動をするのも不可能になる。
 そこで両親が考えた解決策は、
 医学の力で、アシュリーを成長させず、
 子どもの体のままでストップさせることだった。
 (ベリタ通信=江田信一郎)

 アシュリーは元気に生まれた。
 しかし、間もなく脳の障害が見つかる。
 医者が診断をしたが原因は不明だった。
 2004年、アシュリーが6歳の時、胸の発育などが始まり、
 女性として成長していく体の特徴が現れた。

 両親はアシュリーを深く愛しており、
 自宅での介護を望んだ。大人の体になれば、
 家族だけの力で、世話をするのは困難になり、
 場合によっては施設に入れる必要も起きるかもしれない。
 同年、米ワシントン州(西海岸)のシアトル小児病院の医師に、
 両親は相談した。そして、両親が命名した
 “アシュリー治療法”と呼ばれる前例のない方策が
 採られることになった。

 これは、アシュリーの生育をストップさせ、
 子どもの体を維持させることだった。体が小さければ、
 両親の介護は大人に比べてはるかに容易になる。
 その方法はホルモン注射と、外科手術の併用だった。
 子宮摘出の手術や、胸が大きくなるのを防ぐ手術も行なわれた。

 アシュリーは現在、身長135センチ、体重は34キロ。
 家族によると、手術は胸などの重さをなくし、
 アシュリーの苦痛を和らげる意図もあり、
 また将来的に子宮や乳がんになる危険性がなくなるという。

 シアトル小児病院では当時、“アシュリー治療法”の実施を前に、
 倫理委員会で是非を協議した。
 結論は、患者に回復の見込みがない以上、
 親に治療法を選択する権利があるというものだった。
 当時この決定は公表されなかった。

 2006年10月、同小児病院の担当医が
 医学誌に“アシュリー治療法”を公表し、
 医学関係者に波紋を呼んだが、一般にはあまり知られなかった。
 しかし、アシュリーの家族が07年1月1日に、
 一連の経緯を綴ったブログ
(http://ashleytreatment.spaces.live.com/photo)の存在を、
 電子メールを通じて報道関係者に送ったことで、
 賛否の渦を巻き起こした。

 米紙ロサンゼルス・タイムズが大きく報道した後、
 家族のブログにはアクセスが殺到した。
 多数の書き込みも寄せられ、9割が家族の決断を支持した。
 家族はブログを立ち上げたのは、同じような子どもを抱える
 家族を支援するのが狙いだとしている。

 “アシュリー治療法”については医学関係者の中からは、
 人間の成長という行為に、医学が干渉することに
 倫理上の問題があると反発する声も上がっている。

 ブログにアクセスすれば、誕生から現在までの
 家族のスライド写真14枚をみることができる。
 家族の名前は公開されておらず、写真もアシュリー以外は、
 顔の部分が隠されている。アシュリーには、
 年下の2人の妹と弟がいる。家族はアシュリーを
 「ピロー・エンジェル(枕の天使)」の愛称で呼んでいる。
 父親は企業の重役という。
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事実は小説よりも奇なりというべきでしょうか.
似たような話がかのブラックジャックにも
あったような気がします.

The Ashley Treatmentのブログをみると
家族とアシュリーさんの闘病生活の様子
家族の様子がわかります.

家族の方がいかにアシュリーさんのことを
大切に思っているか、真剣に考えているかがわかります.

今回アシュリーに行われた治療は
 アシュリーの生育をストップさせ、
 子どもの体を維持させること.
 ホルモン投与と、外科手術の併用.
 子宮摘出の手術や、胸が大きくなるのを
 防ぐ手術などです.

医学的見地、宗教的見地、その他様々な立場から
いろいろな意見があると思います.
記事にあるように、人間の成長という自然の営みに
医学が干渉することに、倫理上の問題があると
考える人もあると重います.

一市民として考えれば、私も今回の家族の決断に
賛成したいと思います.

医療者としては、もし同じような立場におかれて
家族からこうした希望を伝えられて
ちゃんとした判断がくだせるかどうか自信はありません.

医学的治療やケアは誰のためにあるのでしょうか.
当たり前のことですが、最大限にご本人と
家族の希望や考えを優先するべきです.

倫理上、法律上、社会通念を尊重するとしても
家族の意思、本人の意思が治療に反映されるように
十分に時間と手間ひまをかけていく必要があります.

同じ状況が日本であったらどうなるでしょうか.
最近の流れでは、前例がない、ガイドラインが
整備されていない、法の整備がないなどの理由で
おそらく結論が先送りされて、結局そのままに
なってしまうのではないでしょうか.

家族の方々が治療の権利を裁判所に判断をゆだねたとしても
やっぱり状況は同じであって
日本では、なかなか結論がでることは
ないのではないでしょうか.

地元の県立病院がニュースをにぎわせたことは
皆さんご存知だと思います.

 倫理委が延命治療中止容認の結論 
 岐阜県立多治見病院
 http://www.asahi.com/life/update/0108/004.html

誰か一人が責任をとるのではなくて
家族も医療スタッフも、自治体、国も
そして司法も協力し合える関係を作ることが
なんとかできないものなのかと、そう思います.

日本では、「指針が明確でなく時期尚早」と
大事なことがどんどん先送りにされているようです.

欧米では、先進医療だけでなく
こうした延命や人間の成長への治療も含めて
幅広く議論され、そして実際に実施されています.

家族として、医療スタッフとして
日本と、欧米の環境と、どちらが
よいと思いますか?

英語のブログで大変ですが
ぜひ辞書を片手に、The Asheley Treatmentのブログを
訪問して家族の思いを追体験してみてください.
by yangt3 | 2007-01-10 08:11 | ニュース