もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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スーパーマンになりたい

世間ではアンチエイジング(坑加齢)が
流行っています.

永遠の健康、永遠の若さ
永遠の美貌、そして不老不死.

古今東西、時の権力者たちは
こうした不老長寿を求めて
夢を追い求めたといいます.

私自身はそんな大それたことは
考えたこともありませんが
連日の夜間呼び出しや
当直明けの時などに
なかなか疲れがとれない時、
研修医の頃のように
踏ん張りが利かなくなってきた時、
もっと力を!と思います.

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----------日経WagaMaga 2007.02.13
さびない身体求めて アンチエイジング検査
http://waga.nikkei.co.jp/health/antiaging.aspx?i=20070207f3000f3

 一般的な人間ドックでは調べないような骨の年齢、血管の硬さなどを
 チェックできる「アンチエイジング(抗加齢)・ドック」が
 人気を集めている。
 アンチエイジング・ドックが従来の人間ドックと大きく異なるのは、
 老化の進み具合を測ることに重点を置くところ。
 最近はアンチエイジング・ドックと組み合わせた
 旅行・ホテル滞在プランも売り出されている。

 一般的な人間ドックは健康状態のチェックや疾患の早期発見を
 主な目的としているが、生活改善のコンサルティングを伴う
 アンチエイジング・ドックはさらにその先を行く。
 「健康かどうか」だけではなく、「どこがどの程度老いているのか」
 「老化の進行を食い止める手立ては何か」を探るアプローチだ。

 ドックによって検査項目は異なるが、主に対象とされるのが、
 骨、血管、血液成分・状態、筋肉、ホルモンなど。
 それぞれの部位・器官の「年齢」を評価する手法が目立つ。
 もちろん、普通の人間ドックでも実施している身体測定、
 運動能力テストも採り入れているドックが大半だ。
さまざまな検査の結果得られた加齢度判定に基づいて、
 老化の進行を抑えるような生活アドバイス、サプリメント指導などを
 提供するのがアンチエイジング・ドックの基本的なパターンと言える。
 (後略)
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久坂部 羊 氏 著の
「日本人の死に時」 幻冬舎新書

 
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この書にも現在の不老不死考として
このアンチエンジングの問題が述べられています.

先の日経の記事によれば
アンチエンジング・ドックは、一般的な健康保険が適用されず
通常の人間ドックに比べてさらに割高になるそうです.

同志社大アンチエイジング人間ドックで
 検査項目数の最も少ない基本コースが3万1500円、
 標準コースが7万3500円。詳細コースが10万500円。だそうです.

東海大学東京病院のアンチエイジングドックは
 料金は検査の項目数の違いで12万1800円と8万8200円の2種類がある。

高輪メディカルクリニックでは高級アンチエイジングドックを開設し
 なんと105万円という最上クラスの「スペシャル健康寿命ドック」が
 あるそうです.この高輪メディカルクリニックは
 日本抗加齢医学会理事を務め、エイジング医学の先駆者的存在と言える
 久保明・同クリニック院長が運営する同クリニックが提供している
 「健康寿命ドック」には既に1000人以上の受診者がいるそうです.

先の久坂部 羊 氏 著の
「日本人の死に時」にも書かれている通り
現代の医療の進歩によって、身体の老化の進行の状態を
様々な検査で調べることができるようになってきました.
よく知られた頭部MRIによる検査だけでなく
心臓についても、64列CTによる冠動脈造影などを行うことにより
造影剤を使用するというリスクを除けば
無症状での狭心症、心筋梗塞のリスク評価も可能になりつつあります.

こうした検診でたとえば冠動脈の狭窄が見つかったり
頭部MRIで無症候性の未破裂脳動脈瘤が発見されれば
致死的、致命的な症状を引き起こす前に
予防的に適切な医学的治療、手術を行うことが可能です.

しかし老化についてはどうなのでしょうか.
残念ながら今の医学の技術では
不老不死を実現することは不可能です.
人体の冷凍保存技術や
老化阻止プログラムなど、SFの世界で語られるようなことが
現実に研究されていますが
あくまで研究段階です.

やはり一般市民としては
かかりつけの先生に
なんでも相談するというのが一番だと思います.

私自身はアンチエイジングに100万円も出すのであれば
・まず家族とゆっくり休暇をとって旅行する
・子供と奥様にプレゼントを買ってあげる
・余ったお金でMacの関連グッズを購入する
というところです.

アンチエイジングドックを受けるのも個人の自由であれば
好きなことにお金と時間をかけるのも個人の自由です.

あなたなら100万円あれば、どうしますか?

循環器科医師の考える
アンチエイジングは
やはり動脈硬化を防ぎ、心筋梗塞、脳卒中を防ぐことです.
高脂血症の薬を一生飲んだとしても
100万円にもならないです.
こちらの方がよっぽど安上がりです.

コレステロールを下げて美貌が手に入るかどうかはわかりませんが
少なくとも心臓病、脳卒中を予防することが可能になります.
アンチエイジングとコレステロールと
あなたはどちらを選びますか?

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by yangt3 | 2007-02-17 00:12 | ニュース