もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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大動脈瘤センサーで破裂の予知

狭心症、心不全、大動脈瘤など
循環器の病気は突然の悪化、突然死が
起こることがあり
少なくともそうした突然死を
未然に防ぐことは治療の重要な目標の一つです.

現実的には、定期的に診察を行い
心電図、胸部レントゲン、CT検査、心エコー、MR
などの検査を行い、病気の悪化がないか
調べています.

特に心臓病の場合は、自宅での
朝晩の定期的な血圧測定によって
早朝高血圧を防ぐことの重要性も明らかになっています.

しかし、大動脈瘤や心不全の状態を
自宅で簡単に悪化がないかどうか調べる方法があれば
本当に便利です.

大動脈センサーによって大動脈破裂の予兆を
監視するシステムが開発されたそうです.

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----------------asahi.com 2007.02.19
大動脈瘤内にセンサー装着、破裂の予兆監視 新システ厶
http://www.asahi.com/health/news/TKY200702180169.html

 子どもの指先にのるほどのワイヤレスセンサーを血管に入れ、
 突然死を招く腹部大動脈瘤(りゅう)破裂や心不全発作の
 「予兆」を監視する——。そんなシステムを、
 東京慈恵会医科大の大木隆生教授(血管外科)らが開発した。
 大動脈瘤は治療しても、こぶに血液が漏れて
 破裂する心配が消えない。こぶの中に入れたセンサーで
 漏れによる血圧変化をとらえ、予防につなげる。
 いったん装着すれば、自宅で毎日、簡単に検査できるという。

 腹部大動脈瘤の治療は、欧米では筒状の器具(ステント)を
 血管のこぶに通し、こぶへの血流を遮って破裂を防ぐ方法が
 普及している。日本でも昨夏承認され、今後広がるとみられる。
 ただ、ステントがずれるなどして血液がこぶに漏れる恐れがあり、
 患者は通院してコンピューター断層撮影(CT)で定期検査を
 受けなければならない。

 ワイヤレスセンサーは長さ15ミリ、幅3ミリ、厚さ1ミリ。
 コイルをつけた2枚の合成樹脂製の板が
 血圧に応じてひずむ仕組みで、微妙な血圧の変化を感知する。
 動脈瘤の中に装着し、体外からラジオ波をあてると
 誘導電流が起き、ひずみ具合がわかる。米国で承認された。

 動脈瘤の治療時に、先端にセンサーをつけたカテーテル(細い管)を
 血管に通して目的の場所に装着するので、体への負担は少なく、
 装着後は自宅で検査できる。感知した血圧データは、
 パソコンからインターネットを通じて病院内の管理センターに
 自動送信される。

 大木さんは米アルバート・アインシュタイン医大教授を兼ねていて、
 05年、米国など4カ国の患者76人に臨床試験を実施。
 検出精度は9割以上だった。心不全も、心臓近くの血管に
 センサーを付ければ兆しがつかめると考えられ、
 現在、臨床試験が行われている。

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活気的な技術だと思いますが
日本での応用には、まだまだ解決するべき点があります.

まず日本では、欧米のようなステントグラフト植え込みによる
治療は一般的ではなく、現在のところはステントの承認待ちの
状況です.
まだ外科的治療が日本では主流です.

このセンサーを取り付けるためには
カテーテル処置もしくは手術時の処置が必要なようです.
いまのところは、動脈瘤のステント治療後の
経過観察目的ということになりうます.

高感度なセンサーで心臓や大動脈のひずみを
調べることができるのであれば
手術後の患者さんだけでなく
もっと幅広く臨床応用が可能になると思います.

たとえば心臓のひずみをチェックして
心不全の悪化なども未然に検討することも
可能になります.

大動脈以外での応用は
リスク、コストを十分に検討した上のことですが.

こうした新たな試みと
技術革新によって
循環器疾患による突然死を減らすことができると
よいと思います.
by yangt3 | 2007-02-28 12:33 | ニュース