もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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医療オリンピック

警察官、救急隊、レスキューなどの職種では
専門の技術を日々磨きながら
時に全国大会などで
お互いの技を競い合っています.

医療の分野、特に手術やカテーテル治療など
技術力が問われる領域においては
まずなによりも
確実で安全で迅速で卓越した
医療技術の腕が必要になります.

循環器の分野でも最近
カテーテル治療の技術を評価していこうという
動きがありますがまだ一般的ではありません.

なかなか病院の外からでは医師の本当の実力を
知ることは難しいことです.

特に緊急、救急や突然の予期せぬ事態においても
沈着冷静に的確な治療を行うだけの
度量と技術力があるかどうかはわからないものです.

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循環器、脳神経外科など救急を日常的に
診療する部門においては
イザという時の治療技術が
生命の分かれ道になります.

時々非常勤の医師がバイトで
当直にやってきますが
夜勤の看護師にとっては当直医師が
ちゃんとした技量をもっているか
病棟の急変などにきちんと対応してくれるかどうか
最初はとても不安に思っています.

逆に当直の医師の側も
何か合った時に病棟スタッフが
きちんと指示通りに動いてくれるかどうか
心配していたりします.

お互いの技量を知ることができれば
こうした不安な気持ちも消失して
目の前の仕事に専念できます.

緊急処置、救急処置の仕事の最初の1分で
だいたいお互いの技量はわかってしまうものです.

私のこれまでの経験からすると
学歴や肩書き、年齢などはあまり目安には
ならないようです.
やっぱり実際に一緒に仕事をしてみないと
その人の実力はわからないようです.

つまり本人が「私はできます」と口で
いくら言ったとしても
実際に現場で仕事ができるかどうかは
本当にわかりません.

医療の世界でも医師が本当の技術を磨き
競い合うという試みが始まっています.

-----------Sankei WEB 2007.02.08
【医療を問う 第3部】(1)技術を磨く
http://www.sankei.co.jp/seikatsu/kenko/070208/knk070208016.htm

 若手医師が心臓手術の技術を競う「チャレンジャーズ・ライブ」。
 決勝戦は7月12日、福島県内の施設で開かれ、その様子は
 福岡市内のイベントホールで生中継された。

 ホールの大画面には、脈打つ動物の心臓がランプに照らされ、
 映し出されていた。医師はその冠状動脈に太さ数ミリの血管を
 つながなければならない。持針器とピンセットを操りながら、
 細い糸で縫いつけていく。額に汗がしたたる。

 手術を行っていたのは4人の若手心臓外科医。
 33歳以下の医師60人が参加した予選を勝ち上がってきた。
 それでも、中継を見守っていた医師から厳しい声があがる。

 「一針一針縫う深さが違う」「肘(ひじ)の位置が開いている」
 「その縫い方では腰を痛めるぞ」

 審査を担当するのは、
 京都府立医科大学外科学教室心臓血管・呼吸器外科部門教授の
 夜久(やく)均医師(48)ら11人の心臓外科医。
 いずれも日本の心臓外科医療の第一線に立つ実力者だ。

 審査の結果、縫い上がりの美しさと運針の安定感が評価され、
 東邦大学医療センター大橋病院の山下裕正医師(31)が優勝。
 「ここまでこられて本当に良かった。これからもがんばりたい」と
 目を輝かせた。

 手術のライブ中継は、夜久医師と大和成和病院(神奈川県大和市)の
 心臓病センター長、南淵明宏医師(48)の2人が、
 手弁当で4年前に始めた。
 「若手医師の技術の底上げにつながれば」との思いからだ。

 当初は若手医師の手術を会場で生中継し、コメントする
 講習会形式だったが、昨年からは評価基準を明文化し、
 予選から勝ち抜くコンテスト方式を導入した。

 「大学の医局にいると、自分の手技が同世代の中で
 どのレベルにあるのかが分からない。指導者にとっても
 絶対指標を持てることがコンテストのメリット」と夜久医師は語る。

 コンテスト会場で参加者が手術する様子を見つめていた南淵医師も
 「相当なプレッシャーだと思う。しかし、どんな状況でも
 実力が出せるようでなければ実際の手術はできない」と
 若手の成長に期待を寄せる。

 参加する医師たちはスーパーマーケットで豚の心臓を買い占めたり、
 動く心臓の模型を使って練習を繰り返したりした。
 手技そのものが医師の実力として評価されるため、
 意欲が高まり、同時に技も磨かれていく。
(後略)

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医師の真の実力とは、いろいろな基準があると思いますが
救急、救命、治療、手術の領域では
この記事にあるように
現場での技能、技術力が大切だと思います.

そのためには、他の専門職種と同様に
ペーパー、書物だけの勉強だけでなく
技能を磨くためのトレーニングは医師にとっても
必要です.
もちろん最新の治験とエビデンスに裏付けられた
技術ということです.

現場の医師、医療スタッフの悩みとしては
なかなかこうした実力を磨くトレーニングの
機会が少ないことです.

時間がある限り学会で行われている
ライブデモンストレーション
(治療の実際を衛星中継で学会会場で中継するライブ)などに
参加して、素晴らしい医療技術を
吸収するように心がけています.

これからの時代
ますます病院、医師、医療スタッフともに
真の実力、技術力が見極められる時代になってくると
思います.

患者さんだけでなく、周りの医療スタッフ
救急隊からも信頼されるような
真の実力を身に付けていきたいものです.

とりあえず病院の中で
こうしたトレーニングの機会をスタッフ皆がもてるように
いろいろと取り組んでいきたいものです.

臨床実力コンテストも
そのうち開いてみたいと思います.

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by yangt3 | 2007-03-01 00:04 | ニュース