もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
カレンダー
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30

へき地勤務の義務化

読売新聞の調査によると

  全国の「救急告示医療施設」(救急病院)の
 総数が過去5年間で「医師不足」などを理由に
 1割近く減っていることが、読売新聞の
 緊急自治体アンケートでわかった.

とのことです.

------------------勤務医不足深刻、5年で430病院が
救急指定返上…本社調査
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070320ik03.htm

 読売新聞が全国47都道府県を対象に、
 救急体制について聞いたところ、2001年3月末に
 全国で5076施設あった救急告示医療施設が
 06年3月末までに約8・5%に当たる432施設減少し、
 4644施設になっていた。今年度に入っても
 減少傾向は変わらず、38都道府県の121施設が
 救急告示(救急医療施設の指定)を撤回、または撤回する予定だ。
 (後略)
---------------------------------------------------------------------
なんとかこの現状に歯止めをかけることは
できるのでしょうか

a0055913_02592.gif





日本医師会(日医)が打ち出した提案は
若い医師に僻地勤務を義務化するということです.

-------------asahi.com
若い医師「へき地勤務義務化を」 日医諮問委が提案
http://www.asahi.com/health/news/TKY200703150066.html

  日本医師会(日医)の諮問委員会は15日、
 医師確保の対応策として、臨床研修を終えた若い医師に
 へき地などでの勤務の義務化を提案する中間報告書を
 まとめた。今後、役員会などで合意すれば具体案をまとめ、
 日医が厚生労働省に提言する。

 報告書には、研修終了後の一定期間内に、
 へき地や医師不足地域での勤務の義務化を考慮すると
 盛り込まれている。産科・小児科など、医師が不足する
 診療科への勤務も想定されているという。

 厚労省は昨年度、医師確保対策として、へき地などへの
 勤務を開業の条件にする案を審議会にはかったが、
 日医などから「やる気がない人が行っても根本的な
 解決にはならない」「強権的」などの反対が出て実現しなかった。

 だが今回、諮問委員会は、義務化まで踏み込まなければ
 医師偏在は解決しないとの危機感の高まりを受け、
 報告書をまとめたという。
----------------------------------------------------------------------

へき地勤務が義務化されるとして
若い医師が医師不足の地域に、行くとしても
その後の研修の問題、診療のバックアップの問題などが
あります.

臨床研修を終えたばかりの若い医師が
優秀だとしても、少ないマンパワーで
やりくりしている地域の医療機関の一端を
担うことは、かなりの負担になろうかと思います.

人手不足から救急の受け入れができなければ
若い医師たちの勉強になる症例も手術も集まらず
彼らに魅力的な職場になるかどうかは不明です.

へき地や医師不足地域でも
赴任した若い医師たちにとって
その医療機関が魅力的な職場であれば
魅力的なスタッフがいれば
症例が多く医師としての経験を積むことができれば
診療への十分なバックアップがあれば
そして学会への参加や研修の時間がとれれば
医師たちが義務期間が終わっても
その医療機関に残ってくれることになります.

実際のところは、上にあげた条件を満たすことは
かなり大変ではないでしょうか.

私自身は、先輩医師や現場スタッフ、そして
様々な患者さんたちとの出会いが
一番大事だと感じていますが
なにをもって仕事の糧とするかは
個人個人で違うと思います.

私と朋友の内科医U先生が
以前勤めていた病院では
研修医の先生たちに、僻地勤務を義務づけていました.
それでも、ちゃんとへき地に
研修医を指導する医師がいるということが
条件でした.

へき地医療の義務化とともに
いま医師不足地域の現場で働いている
中堅医師たちにもっと研修の機会を増やすような
環境が整備されなければ
所詮絵に描いた餅になるかもしれません.

さらに付け加えれば医師のへき地義務化を
対策として考えるのであれば
看護師や他のパラメディカルスタッフの
地域偏重を改善する方策も考えなければ
成りませんね.

看護師のへき地勤務義務化なんて提案も
冗談に聞こえないくらい
マンパワー不足は医師だけにとどまらない現実です.

私自身は田舎の出身であり
田舎暮らしは気楽でよいのですが
もっともっと勉強の機会が欲しいと思っています.
なかなか難しい毎日です.

Dr.コトーになるには
熱意とそれを裏付ける技術と
そして皆の支えが必要ですが、それだからこそ
頑張るのかもしれません.

参考;
地域医療振興協会
へき地(僻地)医療 社団法人地域医療振興協会

a0055913_04988.gif

by yangt3 | 2007-03-21 00:04 | ニュース