もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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医師の労働時間

月に100時間を超える時間外労働を強いられて
自宅で過労のため突然死された
小児科医の先生の労災が認められたニュースは
まだ記憶に新しいところです.
(記事が削除される恐れがあり
長いのですが全文を転載いたします)

-----------YOMIORI ONLINE 2007.02.23
小児科医の過労死、労災認定
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070223ik0f.htm

一方で厚生労働省のトップが
「医師の労働時間はたいしたことない」
などと発言するなどして
我々現場で日々働く医療スタッフにとって
医療環境を取り巻く状況が日々日々厳しくなることが
実感されます.

燃え尽きるのか?それとも現場から立ち去るのか?
毎日その問い掛けの中で
仕事をしています.

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------読売新聞 2007.02.23
小児科医の過労死、労災認定
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070223ik0f.htm

  北海道労働局が、道北地方の公立病院などに勤務していた
 男性小児科医(当時31歳)の突然死について、
 過度な時間外労働による過労が原因として、
 遺族が申請していた労災を認め、遺族補償年金の支給を
 決定していたことが23日、分かった。
 同労働局によると、医師の過労死が労災認定されるのは
 珍しいという。

 労働局などによると、男性は公立病院に2002年4月から
 03年7月まで臨時職員として勤務し、同年8月から正職員になった。
 同年10月1日からは北海道富良野市の民間病院に勤務し、
 同6日に自宅で心疾患のため突然死した。

 男性は、公立病院で頻繁に夜間呼び出しされるなど、
 時間外労働が月100時間を超す過密勤務で、
 民間病院でも長時間勤務を余儀なくされていたという。
 04年11月、遺族が旭川労基署に労災申請していた。

 労働局は、男性の勤務実態が国の労災認定基準
 (発症直前1か月100時間、2〜6か月80時間)を
 満たしていると判断した。
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過労が原因で自殺した小児科の先生も労災と認定されています.

--------------asahi.com 2007.03.14
小児科医自殺、過労が原因の労災と認定 東京地裁
http://www.asahi.com/health/news/TKY200703140402.html

 東京都内の民間病院の小児科に勤めていた
 中原利郎医師(当時44)がうつ病にかかり
 99年に自殺したのは、過労やストレスが原因だとして、
 妻が労災を認めるよう訴えた訴訟の判決が14日、
 東京地裁であった。佐村浩之裁判長は、
 小児科医が全国的に不足していた中、
 中原さんが当直医の確保に悩み、
 自らも多いときは月8回にも及ぶ宿直で
 睡眠不足に陥ったと認定。自殺は過労が原因の労災と認め、
 遺族に補償給付金を支給しないとした
 新宿労働基準監督署長の決定を取り消した。

 過労死弁護団全国連絡会議によると、
 小児科医の過労死はこれまで2件が
 労基署段階で認められたが、
 自殺した医師の認定例はなかった。
 医師の自殺を労災と認めた判決としても、
 全国で2例目という。原告側代理人の川人博弁護士は
 「判決は小児科医の深刻な労働条件に警告を発した。
 政府や病院関係者は事態を改善すべきだ」と話している。

 佐村裁判長は、小児科の当直では睡眠が深くなる深夜に
 子どもを診察することが多く、十分な睡眠は困難だと指摘。
 「社会通念に照らし、心身に対する負荷となる危険性のある
 業務と評価せざるを得ない」と述べた。

 判決によると、中原医師が勤めていた
 立正佼成会付属佼成病院(東京都中野区)の小児科では、
 医師の転職や育児による退職が相次いだ。
 中原医師が部長代行に就いた99年2月以降は
 少ない時で常勤医3人、非常勤1人にまで落ち込んだ。
 同年3月の勤務状況は、当直8回、休日出勤6回、
 24時間以上の連続勤務が7回。休みは2日だけだった。

 新宿労基署は、うつ病を発症した同年6月までの半年間の
 時間外労働は月平均約50時間で、
 「当直中は仮眠や休養も可能」であり、
 実際に働いた時間はさらに下回るとして、
 発症の原因は中原さん個人の「脆弱(ぜいじゃく)性」
 だと主張していた。
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小児科医中原利郎先生の過労死認定に関しては
支援する会がありホームページを
立ち上げています.

 小児科医師中原利郎先生の過労死認定を支援する会
 http://www5f.biglobe.ne.jp/~nakahara/

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ここで注目するべきは
新宿労働基準局の見解が
「当直中も仮眠や休養も可能」であり実際に働いた時間は
さらに下回る.発症の原因は医師個人の脆弱性であると
主張していることです.

実際に患者を診察する時間だけではなく
カルテをチェックしたり書類を作成したり
診療のために論文やネットで調べものをしたり
もしくはオンコールとして待機している時間も
医師にとっては勤務時間です.

特にオンコール、待機の時間は何をしていなくても
常に精神は緊張状態にあり、落ち着いて気が休まることも
少なく、これが労働時間にカウントされなければ
本当に医者はみんな過労で倒れてしまいそうです.

過労死をめぐる法律的な考察については
以下の記事が参考になります.

 :::::: 小児科医過労死労災請求及び訴訟 ::::::
 http://fair-law.jp/template/05-5.html

実は、ここまでが前置きで
これからが本題になります.

さて時の厚生労働大臣が
「医師の労働時間はたいしたことない」と発言したことについて
こちらの記事が参考になります↓

 失言再び 柳沢「強制労働」大臣
 「医師の労働時間はたいしたことない発言」??
 |勤務医 開業つれづれ日記
 http://ameblo.jp/med/entry-10027348772.html

ここで問題になった発言というのは
 「え、平成17年度に日本医労連の調査わたくしは
 存じませんけれど、私どももその問題には関心を払って、
 え~それを踏まえまして平成17年度に医師の勤務状況に
 関する調査をいたしました。病院勤務医の一週間辺りの
 勤務時間でございますけれども、研究時間や休憩に当てた
 時間など、いわば病院に拘束されていた時間、
 始業から就業までということでいきますと、
 約平均で63時間ということになりますけれども、
 休憩時間等を除いた実際の従業時間は平均で約48時間で
 ございます。で、これでも開業医の方々に比べて
 病院勤務医の方々の勤務状況は大変厳しいと、
 いうことは私どもも認識をいたしております。」
です.

平成19年3月6日の参議院予算委員会の答弁で
厚生労働大臣が述べたそうです.
(詳しくは紹介した
 勤務医 開業つれづれ日記 をご覧ください)

私も、このブログも特定政党への支援を
いっさい行うものではないのですが
現場での医療やスタッフを守るために
中央でどのような話し合いが行われているかを
知ることも必要だと感じています.

医師や医療スタッフは
過労死するまで働くべし、ということなのでしょうか.
先の労働基準局のコメントである
「当直中も仮眠や休養も可能」であり実際に働いた時間は
 さらに下回る.発症の原因は医師個人の脆弱性であると
 いうのが
中央の見解ということなのかもしれません.

燃え尽きるか?立ち去るか?

当直中や夜勤中に果たして
本当の休養がとれるものかどうか.
待機やオンコールの時に
果たして心安らかにすごせるものかどうか.

現場を知らない人たちには
なかなか理解のしにくいことかも知れません.

せめて医療関係のブログとして
これからも現場の声を
発信していこうと考えています.

まだまだもう少し
現場で頑張って行きたいと思います.

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by yangt3 | 2007-03-26 00:05 | ニュース