もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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希望の治療

救急で病院に搬送された時には
特に急性心筋梗塞のように
一刻を争う事態の時には
治療を選択する余地がないのが
実際のところです.

時間をかけて遠くの病院まで
搬送されている間に
救急車の中で心室細動を起こすかもしれず
治療可能は、できるだけ近くの
救急病院に駆け込むことになります.

逆にこのような場合は
救急処置を行い、可能であれば
すぐにカテーテル治療を行うため
医師の方もあまり迷いがなく
治療に専念できます.

もう少し時間的に余裕がある病気の場合
希望の選択に、患者さんの希望が
生かされているのでしょうか.

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-------------東京新聞 2007.03.29
「希望の治療」は3分の1
 医師の認識と大きな隔たり
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2007032901000589.html

 医師の76%は、治療の選択に患者の希望が
 生かされていると思っているのに、
 一般の人でそう思うのは37%にとどまる、
 とのアンケート結果を堀正二大阪大教授(循環器内科学)が
 29日、発表した。

 堀教授は「大きなギャップがあり、ショックだ。
 医師と患者のコミュニケーションが不十分なことを示す」
 としている。

 4月に大阪で開催する日本医学会総会に向け、
 同会のホームページなどでアンケート。
 医師約5400人、そのほかの医療従事者約2100人、
 一般の約1万9000人が回答した。

 治療選択に患者の希望が生かされていると思う割合は、
 医師以外の医療従事者も42%にとどまった。

 日本の医師数について約7割が「不十分」と回答。
 小児科や産科、麻酔科、救急医療の医師不足に対する
 対策として、医師の43%が「報酬を上げる」を挙げたが、
 一般の人の回答では「強制的に医師を配置する」の
 36%が最も多かった。
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治療の選択に関して
セカンドオピニオンを求める人が
増えているとはいうものの
実際には、なかなかうまく活用できていないのかも
しれません.

循環器診療においては
・狭心症のカテーテル治療
 カテーテルで治すか、バイパス手術を受けるか?

・弁膜症の治療
 弁膜症の外科手術を受けるか、薬で頑張るか?

その他、大動脈瘤など、手術やカテーテル治療を含めた
積極的、侵襲的な治療を行う必要のある
疾患が多いので
治療の選択の時には
かなり詳しい説明を行っています.

手術やカテーテル治療だけでなく
血圧を下げる、コレステロールを下げるため
つまり適切な食事、運動療法を行ってもらうために
患者さんがいやがることも
伝えなければならないこともあります.

治療を受けられる側からみれば
・できるだけ簡単に直るほうがよい
・できれば手術は受けたくない
・できれば薬も飲みたくない
などなどの希望があるようです.

外来で説明していてよく耳にする言葉は
今は、なにも症状がないから治療は受けたくない
ということです.

症状が進行してからでは
病気によっては、治療も困難になり
治療後の回復も時間がかかることもあり
医師の側としては、できるだけ時間をかけて
説明して理解を求めるようにしています.

今回の記事にように市民と医師との間にある
大きなギャップを埋めるためには
これからどのような努力をすればよいのでしょうか.

医療関係者も時に治療を受ける側になることに
思いを馳せて
市民の人の側にたった情報発信やわかりやすい
情報提供をこれからも積極的に
行っていくことが大切なのでしょう.

東可児病院では、心臓外科を併設していないため
外科手術は近隣の基幹病院に依頼しています.

地域がら、都市部よりもさらに
手術や治療に積極的ではない方も多く
日々頭を悩ませています.
by yangt3 | 2007-03-31 00:19 | ニュース