もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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がんばれ新人さんたち!

今日から新人さんたちが各フロアー
各部署に配属されて、実地の仕事が
始まりました.

これまでの学生気分とは打って変わって
初々しい真新しい白衣に身を包み
心なしか表情もきりり!と引き締まって
緊張の中、一日が始まりました.

私たちスタッフにとっても新しい仲間の
名前と顔を覚えるために
脳を活性化させて頑張っております(笑)

新人研修が終わって将来
彼ら、彼女らがどんな風に成長するか
本当に楽しみです.
できればその頃には、若い人たちに仕事を
まかせて悠々自適に過ごせるといいのですが(笑)

がんばれ新人さんたち!_a0055913_0103.gif





私は、以前とある看護学校で
循環器の先生として講義を受け持っていました.
看護学生さんたちの講義のために
膨大な循環器のスライドをMacで
作成していました.
(プレゼンテーションは PowerPointではなく
 Mac専用の Keynoteです)

以前に勤めていた病院では、毎年
研修医の指導もあり
教える側の苦労も教えられる側の苦労も
わかっているつもりです.

ちなみに私が研修医の頃に指導した先生は
胃管の入れ方とか中心静脈カテーテルの入れ方とか
骨髄穿刺とかを指導した先生ですが
今や立派な救急専門医となり
かの地でがんばっています.

教える側としては非常に光栄なことです.

現役の時も一流で、指導する側になっても一流というのは
世界の王 貞治 氏のような特別な人だけが
なし得ることであって
普通の人には、どちらも大変です.
人に教えるということは片手間にできることではなくて
特別な技術が必要ですし
医療の現場では、どれだけ熱意と時間をかけて
指導したかが問われると思います.

大学生の学力低下がニュースで話題になっていましたが
医療の現場でも似た状況になっているようです.

--------YOMOURI ONLINE 2007.03.17
新人看護師 技術低下…「注射1人で出来ない」8割
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20070317ik02.htm

がんばれ新人さんたち!_a0055913_013881.gif


 新人看護師の看護技術低下が深刻化している。
 日本看護協会の調査では、人工呼吸、心臓マッサージ、
 止血など救急救命術や注射などを
 「1人でできる卒業生が20%未満」という
 看護学校が半分を超えた。

 新人看護師による医療事故も少なくない。
 事態を重く見た厚生労働省の検討会は来週、
 病院実習を大幅に増やすなど、看護教育カリキュラムの
 10年ぶりの見直しを議論する。

 「点滴を付けた患者の寝間着やシーツを
 1人で替えられない」「患者の搬送時、
 ストレッチャーを真っすぐ押せない」。
 (中略)

 技術力低下の原因となっているのは、
 病院実習内容の不十分さだ。

 病院での実習は、3年課程の場合、
 1035時間以上の履修が義務付けられているが、
 「病院が事故を恐れ、患者を対象とした
 実習をなかなかさせてくれない」
 (山口美代子・横浜市病院協会看護専門学校副学校長)
 という実態がある。また病院実習の際に付き添って
 指導する専門教員について、68・6%の
 看護学校が確保に問題を抱えるとしている。

 23日に開かれる厚労省の検討会では、
 病院実習を135時間増やす方針が議論される。

 しかし、「受け入れ病院も教員も確保できない
 ままでは不可能」という意見もあり、
 病院側の受け入れ体制整備や、教員確保策が求められそうだ。

 看護師 国家試験は看護学校生や准看護師に
 受験資格がある。しかし実技試験はなく筆記だけで、
 看護技術が未熟でも資格が得られる。
 2006年の合格者は約4万3000人、合格率は88.3%。
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欧米とは違い、学校での日本の医学教育、看護教育の中では
実技の指導、学習に十分な時間をとれないのが
現状だと思います.

医師としての私の学生時代は、医学部5年、6年目に
臨床実習、いわゆるポリクリというのがあって
各診療科の臨床実習に回って指導を受けるのですが
知識の習得が主であり、実技としては
問診、簡単な診察程度だけでした.

点滴、採血、救命処置などの実技は
医学部を卒業して研修医となってから
一生懸命に覚えたというのが実際のところです.

以前の病院でも看護学生の実習を引き受けており
看護学生さんたちの実習を間近で見ていました.
やはり医学生と同様に病院実習でも
本当に必要な看護実技を学習するだけの時間も少なく
機会も少ないように思いました.

救急救命士をめざす学生さんの実習も引き受けたことがありますが
やはり事情は同様でした.
気管挿管、蘇生技術、点滴、心血管治療薬の投与の学習など
必要な実技を学ぶためには、法律的にも
さまざまな制約がありました.

結局の所、医療の仕事は生涯教育であり
知識と技術の向上のために、常に学習を続けなければ
ならないと思います.

新人さんや研修の人だけでなく
中堅もベテランも指導する立場の人も、
医療に携わる全ての人が常に上を目指して
勉強を続けていく必要があります.

医療に携わる全ての人の学習や教育を総合して
新人からベテランまで一環した形で考えていく必要が
これからあるのではないでしょうか.

ちなみに現在、私どもの病院では
オーダリングシステムが稼働を始めたところであり
ベテランの看護師さんもスタッフも毎日
パソコンと格闘しています(笑)

循環器の世界でも、日々技術と医学の進歩は著しく
毎日勉強の連続です.

学生時代の勉強は、試験に通るためとか
よい学校に合格するためとかですが
現場に出てからの仕事は
目的が違います.
全ては、患者さんのために.ですね.

私たちも新人さんと一緒に
負けないように頑張りたいと思います.

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by yangt3 | 2007-04-05 00:02 | がんばれ新人さん