東可児病院で心肺蘇生コース開催!
きたる4月15日、東可児病院で
新しい2005年心肺蘇生ガイドラインに基づいた
心肺蘇生コース(BLSコース)が開催されます.
当院としては開院以来、こうして病院を会場として
地域の医療関係者の皆さんの教育をお手伝いできることは
初めての試みであり、地域のこうした心肺蘇生コースの
会場となることに、非常に感慨深いものがあります.
まだまだ病院の職員全員がBLSコースを
受講するまでには、時間がかかりそうです.
いくいくは、BLSコースだけでなく
外傷初期プログラムのほうも、ぜひ受講者を増やしていって
将来的には、心肺蘇生、外傷初期治療に
職員全員が、自信をもって仕事に向かえるように
大きな目標をもって頑張りたいと考えています.

心肺蘇生に興味を持って勉強されている方は
もうご存知のことかもしれませんが
最近の心肺蘇生の話題について少し
ご紹介します.
-------------NIKKEI NET 2007.03.16
心臓発作患者には人工呼吸をしないほうがよい
http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20070322hk000hk
心停止を来たした患者の蘇生を行う際に、
胸部圧迫に加えてマウスツーマウスの人工呼吸をすると、
胸部圧迫のみの場合よりも効果が低くなることが、
駿河台日本大学病院救急医学助教授の長尾建氏らの
研究によって明らかにされた。この知見は、
英医学誌「Lancet」3月17日号に掲載された。
今回の研究では、心停止で倒れた際に、
居合わせた人の応急処置を受けた成人4,000人以上について
調べた。その結果、神経機能が比較的良好であったのは、
心停止から4分以内に胸部圧迫のみを受けた人では
10.1%であったのに対して、人工呼吸も受けた人では
5.1%であった。心拍異常や呼吸停止を来たした患者でも、
胸部圧迫のみではこれに近い効果がみられたが、
人工呼吸を加えることによる利益を示す根拠は認められなかった。
米アリゾナ大学サーバー心臓センターの
Gordon Ewy博士によると、人工呼吸を取り入れた場合、
身体の接触に対する躊躇(ちゅうちょ)や、技術の複雑さから、
蘇生そのものをしたがらない人が多いという。
また、人工呼吸を行うと一時的に胸部圧迫が
中断されることになるため、圧迫にかける時間が半減してしまう。
米国心臓協会(AHA)では、すでに2005年11月に
心肺蘇生法(CPR)のガイドラインを改定しており、
人工呼吸2回あたりの圧迫回数は15回から30回に変更されている。
米国では年間45万人が心停止を来たしていると推定されており、
胸部圧迫のみを行う人がもっと増えれば、
結果に大きな違いが出るはずだとEwy氏は述べている。
別の専門家は、ガイドラインの変更などは重要な問題ではないと指摘。
今回の研究からいえるのは、どのような蘇生法でも
何もしないよりはいいということだと述べ、
人工呼吸に自信がなければ、胸部圧迫だけでも
試みるべきだとしている。
---------------------------------------------------------
この研究は、SOS-KANTO(関東地方院外心停止患者に対する
他施設共同研究)と名図狩られた前向きの他施設研究です.
SOS-KANTO
Survey of Survivors after Out-of-Hospital Cardiac Arrest
in Kanto region of Japan)は、
人工呼吸なしに胸部圧迫のみが行われた患者と、
通常のCPRが適用された患者の神経学的予後の比較を目的として、
日本救急医学会関東地方会により、関東の58の救急施設で
2002年9月1日から2003年12月31日に行われたそうです.
対象は、院外で心停止を起こした人であり、
現場に到着した救急隊員が、その場にいた人から、
救命手当の方法や患者の発症時刻について聞き取り調査し、
ウツタイン様式に基づいて記録しています.
主要エンドポイントは、心停止から30日以内の
神経学的予後に置いています.
5段階からなるグラスゴー・ピッツバーグ脳機能カテゴリーで、
1(脳機能良好)または2(中等度の障害)を予後良好、
3-5(重度障害から死まで)を予後不良としています.
2次エンドポイントは30日時の生存に設定しています.
解析対象は4068人の成人であり、院外で心停止状態になり、
その場に人が居合わせたケースを登録されたそうです.
現場で救命手当を受けていたのは1151人(28%)、
うち439人(11%)には胸部圧迫のみ、
712人(18%)には通常のCPRが適用されていました.
残りの2917人(72%)は救命手当なしでした.
神経学的予後が良好だった患者は、救命手当なし群に比べ、
手当あり群に有意に多かった(2.2%と5.0%、P<0.0001).
また胸部圧迫のみ群の方が、CPR群より
神経学的予後良好患者が多い傾向が見られたとのことです.
得られた結果は、胸部圧迫のみの救命手当は、
院外で心停止に陥った患者、特に、無呼吸の患者、
徐細動により救える患者、心停止からの時間が短い患者に対して、
従来からのCPRと同等か、
より好ましい措置であること考えられました.
医療関係者や医療スタッフが新しいガイドラインに沿った
正しい心肺蘇生を行うことは基本であると思いますが
記事のコメントにもあるように
どのような蘇生法でも
何もしないよりはいいということだと述べ、
人工呼吸に自信がなければ、胸部圧迫だけでも
試みるべきだ
ということです.

深夜の病棟での心肺停止においては、人手も少なく
また手元にすぐに蘇生に必要な機材もないこともあり
まずは人手とドクターをコールしながら
胸部圧迫をすぐに行うという
シチュエーションもあり得ます.
少数精鋭でマンパワー不足の中で
重症患者さんたちの多数入院する病棟を切り盛りしている
医療スタッフにとっては、心肺蘇生が必要な時に
迅速に的確に行うことは、当たり前のこと.
むしろもっと大切なことは、
予期せぬ急変をつくらないこと、です.
病院には、さまざまな病態、病状でたくさんの患者さんたちが
入院しています.
急変の大部分は、それまでに十分な検査や症状の詳細な検討
病状の十分な把握を行うことにより
全てとはいわないまでも、起こり得る合併症や
急激な症状の変化の可能性が予測されるものです.
それでも絶対大丈夫ということはなく
病院の中では、常に突然の心肺停止に対応できるように
万全の注意と体制と、準備をもっているべきです.
私の昔の経験でいいますと
重症の心不全の患者さんの付添の方が
突然に病室でショック状態となりました.
すぐに救急室に運び、検査の結果
急性心筋梗塞であることが判明.
大事に至る前に、カテーテル治療を行い
元気に退院されています.
研修医の頃は知恵も回らず、知識も技術も不足する中
病状の把握も不十分で、自分にとっての急変の連続でした.
もちろん優秀な先輩医師、スタッフの影の支えで
何事もなく治療が無事に済んでいました.
病状の変化をあらかじめ予想していた先輩たちが
先に適切な手を打って居てくれたおかげで
本当に助かりました.
足らないものを補うために
ぺいぺいの研修医にできることは
ただひたすら患者のベッドサイドに向かうこと
夜も心配で眠れず、病院に泊まり込むこと
いわば知力でだめなら体力勝負でした(笑)
今の若い人たちには、体力で勝負するだけでなく
新しいガイドラインなどを早い時期からマスターして
自信をもって現場に出かけられるように
なってもらったらと思います.
新しい2005年心肺蘇生ガイドラインに基づいた
心肺蘇生コース(BLSコース)が開催されます.
当院としては開院以来、こうして病院を会場として
地域の医療関係者の皆さんの教育をお手伝いできることは
初めての試みであり、地域のこうした心肺蘇生コースの
会場となることに、非常に感慨深いものがあります.
まだまだ病院の職員全員がBLSコースを
受講するまでには、時間がかかりそうです.
いくいくは、BLSコースだけでなく
外傷初期プログラムのほうも、ぜひ受講者を増やしていって
将来的には、心肺蘇生、外傷初期治療に
職員全員が、自信をもって仕事に向かえるように
大きな目標をもって頑張りたいと考えています.

心肺蘇生に興味を持って勉強されている方は
もうご存知のことかもしれませんが
最近の心肺蘇生の話題について少し
ご紹介します.
-------------NIKKEI NET 2007.03.16
心臓発作患者には人工呼吸をしないほうがよい
http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm?i=20070322hk000hk
心停止を来たした患者の蘇生を行う際に、
胸部圧迫に加えてマウスツーマウスの人工呼吸をすると、
胸部圧迫のみの場合よりも効果が低くなることが、
駿河台日本大学病院救急医学助教授の長尾建氏らの
研究によって明らかにされた。この知見は、
英医学誌「Lancet」3月17日号に掲載された。
今回の研究では、心停止で倒れた際に、
居合わせた人の応急処置を受けた成人4,000人以上について
調べた。その結果、神経機能が比較的良好であったのは、
心停止から4分以内に胸部圧迫のみを受けた人では
10.1%であったのに対して、人工呼吸も受けた人では
5.1%であった。心拍異常や呼吸停止を来たした患者でも、
胸部圧迫のみではこれに近い効果がみられたが、
人工呼吸を加えることによる利益を示す根拠は認められなかった。
米アリゾナ大学サーバー心臓センターの
Gordon Ewy博士によると、人工呼吸を取り入れた場合、
身体の接触に対する躊躇(ちゅうちょ)や、技術の複雑さから、
蘇生そのものをしたがらない人が多いという。
また、人工呼吸を行うと一時的に胸部圧迫が
中断されることになるため、圧迫にかける時間が半減してしまう。
米国心臓協会(AHA)では、すでに2005年11月に
心肺蘇生法(CPR)のガイドラインを改定しており、
人工呼吸2回あたりの圧迫回数は15回から30回に変更されている。
米国では年間45万人が心停止を来たしていると推定されており、
胸部圧迫のみを行う人がもっと増えれば、
結果に大きな違いが出るはずだとEwy氏は述べている。
別の専門家は、ガイドラインの変更などは重要な問題ではないと指摘。
今回の研究からいえるのは、どのような蘇生法でも
何もしないよりはいいということだと述べ、
人工呼吸に自信がなければ、胸部圧迫だけでも
試みるべきだとしている。
---------------------------------------------------------
この研究は、SOS-KANTO(関東地方院外心停止患者に対する
他施設共同研究)と名図狩られた前向きの他施設研究です.
SOS-KANTO
Survey of Survivors after Out-of-Hospital Cardiac Arrest
in Kanto region of Japan)は、
人工呼吸なしに胸部圧迫のみが行われた患者と、
通常のCPRが適用された患者の神経学的予後の比較を目的として、
日本救急医学会関東地方会により、関東の58の救急施設で
2002年9月1日から2003年12月31日に行われたそうです.
対象は、院外で心停止を起こした人であり、
現場に到着した救急隊員が、その場にいた人から、
救命手当の方法や患者の発症時刻について聞き取り調査し、
ウツタイン様式に基づいて記録しています.
主要エンドポイントは、心停止から30日以内の
神経学的予後に置いています.
5段階からなるグラスゴー・ピッツバーグ脳機能カテゴリーで、
1(脳機能良好)または2(中等度の障害)を予後良好、
3-5(重度障害から死まで)を予後不良としています.
2次エンドポイントは30日時の生存に設定しています.
解析対象は4068人の成人であり、院外で心停止状態になり、
その場に人が居合わせたケースを登録されたそうです.
現場で救命手当を受けていたのは1151人(28%)、
うち439人(11%)には胸部圧迫のみ、
712人(18%)には通常のCPRが適用されていました.
残りの2917人(72%)は救命手当なしでした.
神経学的予後が良好だった患者は、救命手当なし群に比べ、
手当あり群に有意に多かった(2.2%と5.0%、P<0.0001).
また胸部圧迫のみ群の方が、CPR群より
神経学的予後良好患者が多い傾向が見られたとのことです.
得られた結果は、胸部圧迫のみの救命手当は、
院外で心停止に陥った患者、特に、無呼吸の患者、
徐細動により救える患者、心停止からの時間が短い患者に対して、
従来からのCPRと同等か、
より好ましい措置であること考えられました.
医療関係者や医療スタッフが新しいガイドラインに沿った
正しい心肺蘇生を行うことは基本であると思いますが
記事のコメントにもあるように
どのような蘇生法でも
何もしないよりはいいということだと述べ、
人工呼吸に自信がなければ、胸部圧迫だけでも
試みるべきだ
ということです.

深夜の病棟での心肺停止においては、人手も少なく
また手元にすぐに蘇生に必要な機材もないこともあり
まずは人手とドクターをコールしながら
胸部圧迫をすぐに行うという
シチュエーションもあり得ます.
少数精鋭でマンパワー不足の中で
重症患者さんたちの多数入院する病棟を切り盛りしている
医療スタッフにとっては、心肺蘇生が必要な時に
迅速に的確に行うことは、当たり前のこと.
むしろもっと大切なことは、
予期せぬ急変をつくらないこと、です.
病院には、さまざまな病態、病状でたくさんの患者さんたちが
入院しています.
急変の大部分は、それまでに十分な検査や症状の詳細な検討
病状の十分な把握を行うことにより
全てとはいわないまでも、起こり得る合併症や
急激な症状の変化の可能性が予測されるものです.
それでも絶対大丈夫ということはなく
病院の中では、常に突然の心肺停止に対応できるように
万全の注意と体制と、準備をもっているべきです.
私の昔の経験でいいますと
重症の心不全の患者さんの付添の方が
突然に病室でショック状態となりました.
すぐに救急室に運び、検査の結果
急性心筋梗塞であることが判明.
大事に至る前に、カテーテル治療を行い
元気に退院されています.
研修医の頃は知恵も回らず、知識も技術も不足する中
病状の把握も不十分で、自分にとっての急変の連続でした.
もちろん優秀な先輩医師、スタッフの影の支えで
何事もなく治療が無事に済んでいました.
病状の変化をあらかじめ予想していた先輩たちが
先に適切な手を打って居てくれたおかげで
本当に助かりました.
足らないものを補うために
ぺいぺいの研修医にできることは
ただひたすら患者のベッドサイドに向かうこと
夜も心配で眠れず、病院に泊まり込むこと
いわば知力でだめなら体力勝負でした(笑)
今の若い人たちには、体力で勝負するだけでなく
新しいガイドラインなどを早い時期からマスターして
自信をもって現場に出かけられるように
なってもらったらと思います.
by yangt3 | 2007-04-10 13:39 | 2005年CPRガイドライン
もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)
by yangt3
いろいろな言語でブログを表示します.
。
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