もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31

血管のデトックスを

世間ではアンチエイジング(坑加齢)がブームに
なっているそうです.

アンチエイジングを掲げた健診も
増えているとか.

その目的としていわれていることは
「老化が原因で起こる病気の兆候を
 いち早くとらえて、予防につなげる」
とのことです.

米国では、「抗加齢医療」がブームだそうで
いろいろな成分のサプリメント(栄養補助食品)の
処方やホルモンの補充療法があるそうです.

日本でも、最近は
不必要な毒素を排出させる「デトックス」を
よく耳にします.

a0055913_17184050.gif





--------------坑加齢療法 ブーム先行
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/feature/20070416ik03.htm

 近年、「アンチエージング(抗加齢)」を掲げた健診を行う
 医療機関が都会を中心に続々と登場している.
 昨年6月に、「抗加齢ドック」を開設したのは、
 東海大東京病院(東京・代々木).通常の健診項目のほか、
 年齢と共に減少するホルモンや、老化の原因になる体の“さび”と
 言われる活性酸素、動脈硬化の進み具合など
 約80項目を採血や超音波などで調べる.
 (中略)
 米国では、「抗加齢医療」が1990年代初めに
 ブームになり、患者に合わせた様々な成分の
 サプリメント(栄養補助食品)の処方やホルモンの補充、
 不必要な毒素を排出させる「デトックス療法」などが
 盛んに行われている.
 (中略)
 米国では、国立衛生研究所(NIH)が1998年に
 「補完代替(ほかんだいたい)医療センター」という部門を設置.
 一般的な現代医療以外の治療法の効果を
 科学的に検証する作業を続けている.
 臨床試験に投じる予算は2006会計年度で
 3310万ドル(約39億3000万円).
 対象は、ハーブやアロマ、ハリから、ヨガ、気功、
 瞑想(めいそう)にまで及ぶ.
 (中略)
 米国では心臓病予防を目的に市中のクリニックで
 行われているが、効果を疑問視する循環器専門医の声も
 根強い.そこで、米国、カナダの115医療機関が協力、
 50歳以上の患者約1200人が参加し、
 数年間、経過をみている最中だ.

 「何が効いて、何が効かないのか、厳密な科学のメスを
 入れる必要がある」と国立衛生研究所の
 補完代替医療センターを率いるルース・カーシュスタイン医師.
-------------------------------------------------------------------------
ネットで「デトックス」という言葉を
検索すると、実に様々なサイトがヒットします.
通販ショップであったり、サプリメント専門店であったり
岩盤浴であったり、いろいろです.

アンチエイジングも同様でして
実にたくさんのエステ、クリニックなどが
ヒットします.

記事にあるように、どうもブーム先行の感じがします.

循環器の医師にとっては、美容的な問題については
なにもいうことはできませんが
血管年齢については、非常に関心があります.

以前の記事でもお伝えしたように
内科・循環器科では、血管年齢の測定や下肢の動脈硬化の検査のために
ABIを行っています.
ABI というのは
安静時および運動後の足首/上腕血圧指数(Ankle-Brachial Index)
であり、簡単に両手と両足の血圧を機械で測定し
簡単に検査することができます.

a0055913_171661.gif


この検査結果から下肢の動脈硬化の程度がおおよそ判定することが
可能であり、世間では、これを血管年齢として
坑加齢診療にも用いられているようです.

動脈硬化ドックや動脈硬化外来でもおこなわれています.

最近の循環器外来では
血圧以外に、高脂血症特に悪玉コレステロールを
きちんとさげることに力を入れています.

血圧よりも高脂血症、糖尿病のほうが
狭心症、心筋梗塞の予防に重要だと感じています.

脳血管障害は、頭部MRI検査にて
比較的簡単に、検査をすることができますが
心臓についてはそういうわけにはいきません.

私たち心臓の医者が一番心配なのは
冠動脈に動脈硬化がどの程度あるのか
動脈硬化があるとして、内服でよいのか
カテーテル治療が必要なのかどうか
そして究極の問題は、将来心筋梗塞や急逝冠動脈症候群を
起こしうる動脈硬化、プラークをどれだけ未然に
予想することができるかどうか、です.

CTを用いた冠動脈の検査がもっと
高性能にもっと簡単になれば
リスクのある方には、もっともっと
早い時期に検査を行って
早めの症状診断、治療が可能になるかもしれません.

若年者といえども油断せず
高脂血症、悪玉コレステロールが高い場合には、
積極的に冠動脈の動脈硬化を調べる必要がありそうです.

心臓の医者が考える究極のデトックスとは
そんなわけで冠静脈の動脈硬化を改善させることです.
by yangt3 | 2007-04-18 17:16 | ニュース