もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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進む医療崩壊

相も変わらず地域での医療崩壊が
進んでいます.

心臓救急、循環器においても
地域の医師不足が深刻です.

----------岩手日報 2007.5.27
循環器科、診療ピンチ 県立宮古病院
http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20070521_3

 宮古市の県立宮古病院では、循環器科の常勤4人のうち
 新年度になって2人に半減、残る2人も6月で転出となり
 循環器診療がピンチに陥っている.
 これまでに狭心症や急性心筋梗塞のカテーテル治療を
 年間100例ほど実施してきたものの
 4月以降は、治療が困難となるとのこと.
 医師不足は全ての科に及んでいる.

---------長野日報 2007.5.25
社会 : 伊那中央病院地域救急医療センター 専従医師4人減へ
http://www.nagano-np.co.jp/modules/news/article.php?storyid=7237 

 伊那中央病院(伊那市)の地域救急医療センターで、
 4月当初6人いた専従医師が大学病院などへの異動や
 退職により7月から2人となる見通しであることが
 5月24日、分かった.病院では医師の確保に努めるとともに、
 上伊那医師会と対応策の協議を始めたが、
 救急患者の8─9割を占める比較的軽症な1次救急患者は
 「受け入れを制限せざるを得ない」(小川秋実院長)といい、
 地域医療の在り方にも大きな影響を与えそうだ.

この医療崩壊を防ぐ手だては本当にないのでしょうか.

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遅まきながら政府、厚生省もやっと
医療崩壊の現実に気がついたようです.

1)------------asahi.com 2007.5.24
「医療費抑制は限界」予防重視へ転換図る 厚労白書案
http://www.asahi.com/health/news/TKY200705230393.html

 07年の「厚生労働白書」の骨子案が5月23日、明らかになった。
 「医療構造改革」をテーマに掲げ、少子高齢化の進展に伴い、
 ベッド数の抑制や患者の自己負担の引き上げなど
 従来の医療費抑制策は限界に達していると指摘。
 生活習慣病対策など「予防重視」に政策を転換し、
 予防から終末期に至るまでの総合的なビジョンを作成し、
 医療費適正化を目指す。

 白書は今夏までにまとめ、公表する。骨子案では、
 現状の問題点として
 (1)地域や診療科ごとの医師の偏在に伴い、
    急性期医療が弱体化
 (2)医療に関する情報不足
 (3)時間外や夜間、休日診療の不足
 (4)健康状態を総合的に診察する医師の不足——を挙げた。

 医療構造改革の目指す方向として、
 入院から在宅まで切れ目のない医療の提供や、
 開業医に時間外診療を求めるなど医療機関の役割分担の推進、
 個人の健康情報のIT化などが必要としている。

 1人あたりの医療費で1.5〜2倍、
 生活習慣病の受診率で2倍近くに達するなど
 都道府県間で生じている「医療格差」の要因についても、
 都道府県をいくつかのグループに分けて本格的に分析。
 各地域が特性に合った有効な対策を打ち出す必要性があるとした。
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医療崩壊の現状分析としては
まずまずといったところでしょうか.
新しく導入された臨床研修制度をきっかけにして
研修医、医師の偏在が加速したと思うのですが
そのあたりの総括は
どのようになるのかぜひ聞いてみたいところです.

それにしても様々な格差が顕在化している現状のなかで
すでに進行している医療格差の現状、要因を
いまから本格的に分析するというのは
少し対応が遅い気もします.
ともかくこういう問題は
政府、国レベルでしっかりと対応を
しなければ解決しない問題ですので
(いわゆる国策として)
ぜひ有効な対策を期待するものです.

2)------------asahi.com 2007.05.26
医師不足対策 医学部定員増も提案 国公立大に地域枠
http://www.asahi.com/health/news/TKY200705250404.html

 政府・与党が検討している緊急の医師不足対策の全容が
 5月25日、明らかになった。
 国レベルの緊急医師派遣という短期的対策から、
 大学医学部の定員増や推薦入学枠の拡充などで
 医師の養成増を図る中長期的対策まで6項目。
 勤務医の過重労働の解消や、
 女性医師が働きやすい環境づくりも目指す。
 6月上旬に最終案をまとめ、政府の「骨太の方針」や
 与党の参院選公約に盛り込む。

 中長期的対策では、医師の養成増を打ち出した。
 国公立大学の医学部に臨時の定員増を認め、
 地元高校生を優先的に推薦入学させる「地域枠」も拡充。
 医師の少ない都道府県で、医師の養成数自体を増やしていく。
 医学部を卒業後も一定期間、地元で勤務することを
 約束した学生には奨学金を支給する方針だ。

 当面の対策としては、
 「国レベルで緊急の医師派遣体制を整備する」とした。
 都道府県からの要請に応じ、国立病院を管轄する
 国立病院機構や全国ネットワークを持つ病院から、
 数カ月〜1年程度、各地の自治体病院などに医師を派遣する。
 定年退職して間もない医師に呼びかけるなどして医師を確保する。

 また、勤務医の過重労働を緩和するために交代勤務制など
 働きやすい職場環境を整備。
 医師、看護師、助産師の役割分担を見直し、
 医療事務員の配置を支援する。
 女性医師が出産や育児を機に離職するのを防ぐため、
 病院内に保育所を整備し、
 復職のための研修なども行うとしている。

 このほか、研修医が都市部の病院に集中しすぎないように
 定員も見直す方針。出産に伴う医療事故の補償制度や、
 医療中に死亡した患者の死因調査制度も早期に実現し、
 医師の訴訟リスクなども軽減を目指すという。
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少し前までは、政府、厚生省の見解では
医師数は充足しており
医学部定員を増やす必要はないということでした.

現実問題として、地域での医師不足が
深刻化している中、やっとまともな
現状分析となったということでしょうか.

医学部の定員を増やしても
現状では、より都市部への医師偏在が強まるだけ
のような気がします.

地域の活性化や地域に見合った医療の整備
場合によっては、病院、医療の集約化と
その上でのドクターヘリの整備などを含めた
救急搬送体制の充実など
迅速な具体的な方策が望まれます.

全国の産婦人科医師や医師を震撼させ
立ち去り型サボタージュを加速した
かの福島・大野病院事件の公判が進行中です.

医師や医療スタッフは、過労死のリスクだけでなく
訴訟リスクなどさまざまな危険にさらされたまま
これまで対策は取られてきませんでした.

世界に誇るべき日本の素晴らしい医療を
もう一度取り戻すために
本当の意味で患者さんのための医療を
もう一度取り戻すために
真の医師ー患者関係を
もう一度再構築してくために

今回示された様々な骨太の方針が
一刻も早く具体的、現実的な方策が
実施されることを願ってやみません.

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by yangt3 | 2007-05-28 00:03 | ニュース