もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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糖尿病が増えている!

ご存知のように
狭心症や急性心筋梗塞の原因として
糖尿病は非常に重要です.

糖尿病の方の狭心症や急性心筋梗塞は
症状が重篤になることも多く
また糖尿病の治療をきちんと行わなければ
症状の再発も心配されます.

40齋以上の糖尿病の患者さんが増えているそうです.

-----MSN.ニュース(毎日新聞) 2007.5.25
糖尿病:40歳以上の患者・予備群、33.3%に
−−06年厚労省調査
http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/archive/news/2007/05/20070525ddm013100171000c.html

 40歳以上の人で、糖尿病患者と予備群の割合が
 33・3%に達したことが、厚生労働省の
 「06年国民健康・栄養調査速報」で分かった。
 06年10月1日の推計人口に基づく推計では、
 有病者は約830万人、
 予備群は約1490万人に達することになる。

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(記事より引用)
  40歳以上の人で、糖尿病患者と予備群の割合が
 33・3%に達したことが、厚生労働省の
 「06年国民健康・栄養調査速報」で分かった。
 06年10月1日の推計人口に基づく推計では、
 有病者は約830万人、予備群は
 約1490万人に達することになる。

 調査では、過去1〜2カ月の平均的な
 血糖の状態を示すと言われる
 「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」が
 6・1%以上(正常値4・3〜5・8%)か、
 インスリン注射、血糖降下薬を服用している人を
 「糖尿病有病者」と判定。
 HbA1c5・5%以上6・1%未満を「予備群」とした。

 有病者は40歳以上の11・9%で前年と変わらないが、
 予備群は21・4%と前年より2・7ポイント増え、
 合わせると33・3%だった。
 男女別では、男性は有病者14・6%、
 予備群18・8%、女性はそれぞれ9・9%、23・3%だった。
 年齢が上がるほど有病者、予備群とも増加し、
 50代以上ではほぼ10人に1人以上が有病者。
 一方、有病者でインスリン注射などの薬物療法を
 受けている人は6・1%(約425万人)にとどまった。

 同省が02年に実施した糖尿病実態調査では、
 20歳以上の糖尿病患者は約740万人、
 予備群880万人と推計されていた。
 対象年齢や予備群の定義が異なるため単純比較はできないが、
 患者、予備群の総数はかなり増加していると見られる。

 清野裕・日本糖尿病協会理事長は
 「薬物療法を受けている患者は02年よりも多く、
 (高血糖を放置しないという)対策が進みつつあるのかもしれない。
 ただし予備群は引き続き増加傾向にあり、
 今後も生活改善などの指導が欠かせない」と話している
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当院に搬送される急性心筋梗塞、急性冠症候群の患者さんは
冠動脈危険因子が全くないという人は皆無です.

この数ヶ月で搬送された急性心筋梗塞の患者さんは
ほとんど高脂血症(脂質異常)、糖尿病が
ありました.

もちろん糖尿病があっても、高脂血症があっても
きちんと治療を受けて
血糖やコレステロール(特に悪玉コレステロール)が
正常値にコントロールされている方においては
心臓発作のリスクはかなり軽減されています.

日々の循環器の外来でも
糖尿病予備軍の方が、増えている印象です.
とりわけ30代、40代の比較的若年者の方々の
血糖値の異常をよく目にするようになりました.

糖尿病となれば、きちんと治療することはもちろんのこと
糖尿病予備軍の段階で
きちんと血糖やコレステロールを正常化することを
行うことが
将来の心臓発作を防ぐために必要なことです.

糖尿病や高脂血症(脂質異常)を放置して
心筋梗塞や狭心症を発症し
カテーテル治療やバイパス手術と鳴った場合
緊急の生命の危険にさらされるばかりか
もし治療がうまくいったとしても
それにかかる医療費は膨大なものになります.

かなり早い段階で糖尿病や脂質異常を
食事療法や内服治療で予防するほうが
はるかに危険も少なく
医療費もかなり安上がりで最大の効果を
得ることができます.

以前からお世話になっている
尊敬すべき先輩である春日井市の灰本クリニックの
灰本 元先生が
新しい糖尿病の食事療法に取り組んでおられます.

灰本クリニック
http://www.kasugai-med.or.jp/cgi-bin/list/byouin.cgi?id=85-0567

私のブログの記事でも紹介しましたが
低炭水化物療法(新縄文式糖尿病食;SJT)が
その新しい食事療法です.

食事療法が地球を救うか?
http://tomochans.exblog.jp/3713636/

この食事療法の要点として
・糖尿病悪化の本質は、インスリンの作用不足による
 糖質代謝の異常であることより
 糖質をとらなければ血糖値はわずかにしか上昇しないという事実.
・たんぱく質や脂肪は摂取されても血糖値は、ほとんど上がらない
 という事実.
これらが基本的な根拠となります.

つまり新縄文式糖尿病食とは、炭水化物を制限する食事療法です.
お米、ご飯、班、いもなど糖質の多い食品、主食はほとんど食べない.
お肉、魚、油炒め、油ものなど、脂肪分やたんぱく質の多い食品は
好きなだけ食べてもいい.
お酒も飲んでもよい.
糖質の主食を抜くというのが基本の糖質制限、低炭水化物療法が基本です.

この低炭水化物療法を実践することにより
数多くの方が糖尿病が改善し、HbA1cも劇的に改善しています.
コレステロールや中性脂肪も改善しているとのことです.

お米をいっさい食べないエスキモーの人たちには
糖尿病がないという事実もあります.

最近、欧米でもこの低炭水化物療法の有用性が認識され
ジャーナルにも論文が掲載されるようになりました.

---------NIKKEI NET 2007.5.15
インスリン分泌量が多い人には低炭水化物ダイエット
http://health.nikkei.co.jp/hsn/news.cfm

有名な米国医師会雑誌「JAMA」に掲載された論文です.

  インスリン分泌量の多い人は、
 低脂肪、高炭水化物の食事を摂るよりも、
 脂肪分がやや多めで精製炭水化物の少ない食事を摂る方が
 体重を減らしやすいことが新しい研究で示され、
 米国医師会誌「JAMA」5月16日号に掲載された。
 米ボストン小児病院のCara Ebbeling氏らは、
 インスリン分泌量の差によって有効な食事計画が
 異なるのかどうかに着目し、
 肥満の若年成人(18〜35歳)73人を対象に
 6カ月の治療期間および12カ月の
 フォローアップ期間の追跡を行った。
 これまで、低脂肪食によるダイエットの成否が
 分かれるのは単に意欲の問題であるとされてきたが、
 今回の結果から、インスリン分泌の差が
 少なくとも原因の1つと考えられるとEbbeling氏は述べている。

 今回の研究で、被験者の半数は
 炭水化物55%、脂肪20%の食事を摂取し、
 残りの半数は炭水化物40%、脂肪35%の食事を摂取した。
 研究開始時に、ブドウ糖75gを経口摂取した後の
 血中インスリン濃度を測定した。
 全体では両群の間に体重低下の差はみられなかったが、
 インスリン値が平均を超える人の体重低下は、
 低脂肪食では18カ月で2.6ポンド(約1.2kg)だったのに比べ、
 低炭水化物食では18カ月で12.8ポンド(約5.8kg)と
 大きな差があった。
 また、低炭水化物食群では
 HDL(善玉)コレステロールおよび
 トリグリセライド(中性脂肪)の値が
 大きく改善したのに対し、
 LDL(悪玉)コレステロールについては
 低脂肪食の方が大きな改善が認められたという。

 従来の低脂肪食で減量効果がみられない人では、
 低血糖負荷食が有効な可能性があると
 Ebbeling氏は述べている。
 低血糖負荷食は血糖インデックス(GI)の低い
 炭水化物を中心とするもので、吸収がゆるやかで、
 インスリン値を比較的安定に保つことができる。
 低血糖負荷食にするには、
 精白パン、精白穀類、クッキーや甘い飲料など避け、
 果物、野菜、豆類、低精白穀類を多く摂るのがよいという。

 米国栄養協会(ADA)のLona Sandon氏は、
 これまで専門家が漠然と感じていたことが、
 この研究により裏付けられたと述べている。
 しかし、多くの人は自分のインスリン分泌量など
 把握しておらず、肥満であるからといって
 必ずしもインスリン値が高いわけでもないと同氏は指摘している。
 Ebbeling氏によれば、
 自分のインスリン産生量を知るには
 経口ブドウ糖負荷試験を受ければよいとのこと。
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この研究は、あくまで米国人を対象とした研究であり
実際には、日本人にあったよりきめ細やかな
食事療法の実践が必要です.

お米が主食である日本人にとって
治療のためのとはいえ、お米を食べないというのは
本当につらいことですが
一日一食だけでもお米を食べないだけで
立派な低炭水化物療法であり
血糖ばかりでなく、コレステロールを
下げる効果が期待されます.

健診での血糖値やコレステロールの値を
放置するのではなく
若い人でも早期から
食事療法を含めて、ライフスタイルの改善を
行うことにより
将来の心筋梗塞や狭心症を劇的に減らすことに
繋がると思います.

デトックスで高額なサプリメントに
お金を使うよりも
毎日摂取する炭水化物に注目して
食事を考えるほうが、よっぽど心臓の健康の
役に立つと思います.

気になる方は、まずは病院で
きちんと検査を受けましょう.

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by yangt3 | 2007-05-29 07:36 | ニュース