もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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CO2センサーの導入ー安全なカテ室をめざしてー

安全で確実な心臓カテーテル検査・治療を
遂行するために、さまざまな医療機器が
カテ室には装備されています.

はじめてカテ室に足を踏み入れた人は
多くの医療機器が所狭しと並べられ
多くのスタッフが忙しく立ち働いている事に
驚かれるでしょう.

それは、さながら飛行機や新幹線のように
安全を守るために、沢山の人手と手間ひまが必要となるからです.

ひとたび心臓の検査・治療に携わる以上
全身麻酔の手術と同様に、手術室や集中治療室と同様の
高度や医療技術や看護が迅速に提供できるように
カテ室スタッフは常に心がけています.

最近、当院でも急性心筋梗塞の症例が増加の一途にあります.
通常の心臓カテーテルと違い
急性心筋梗塞の治療は、天候の悪い空を飛行機で飛ぶほどの
繊細で細心の注意が必要となります.

危機にさらされた命を確実に救命するために
カテーテル治療が完了するまでの間、患者さんの状態の変化を
迅速に把握するために、数々の生体モニターが
カテ室で活躍しています.

今回、当院の心臓カテーテル室に CO2 センサーが導入されました.

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心臓カテーテル検査・治療のために
カテ室に患者さんが入室されると
さまざまな生体モニターが取り付けられます.

モニターする生体反応としては
・血圧
・心電図
・心拍数
・呼吸回数
・SpO2(酸素分圧、パルスオキシメーター)などです.

特に心臓治療の際には、通常の心電図検査と同様の
12誘導心電図が把握できるように、沢山の心電図電極が装着されます.

大半の心臓カテーテル検査・治療においては
これらのモニターに特に異常のでることもなく
静かに安全に検査、治療が進み完了していきます.

心臓の検査である以上、検査中および治療中の心電図モニター、心電図変化は
全て記録され、あとから検討することも可能です.

薬剤溶出ステントを含めて
カテーテル治療のための素晴らしい医療器具が
次々と開発され進歩しており
以前よりも、より治療が難しい症例、困難な症例を
扱うようになっています.

特に当院に循環器科が常勤として開設され
24時間の緊急カテーテル対応が可能となってからは
血圧が下がりショック状態となった症例や
心肺停止となった症例も
当院に搬入されるようになりました.

心原性ショックをきたしたような、重症の急性心筋梗塞においては
血圧、呼吸状態などの生体反応(バイタル)が非常に不安定なことも多く
数秒の間に、心室細動を来して心停止となったり
血圧が低下して、呼吸停止、心停止となったりといった
恐ろしい生体反応の突然の悪化もまれではありません.

カテ室入室時に、意識もしっかりしていて
呼吸も安定、胸部レントゲンでも心拡大も肺水腫も認めなかった症例.
冠動脈造影を行った所、左主幹部の完全閉塞であることが判明.
すぐにIABPを挿入し、人工呼吸を開始し
閉塞した冠動脈をワイヤーとバルーンでとりあえず
血流再開を計ることで、なんとか救命に繋がります.

冠動脈造影をにらみながら、カテーテルを操作しながら
その一方で、常時表示される様々な患者さんの
生体モニター情報に注意を凝らしていきます.
少しでも状態の悪化が認められるようであれば
こと心臓においては瞬時の対応が必要です.

少しの判断の遅れが、心臓救急においては
決定的なダメージを心臓に与えることにも
繋がりかねません.

少しでも安全なカテ室とするために、安全確実な治療を行うために.

カテ室に沢山のスタッフが動き回っているゆえんです.
患者さんの急激な容体変化に瞬時に対応するために
心臓カテーテル室には、救急外来と同様の装備がされています.
カウンターショックや人工呼吸は当然のこと、
あらゆる救急薬剤も常備されています.

今回、わが心臓カテーテル室に新たな安全のための装備が
増えました.

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それが NIHON KOHDENの CO2 センサーです.
CO2 のモニター自体は、これまで麻酔科、手術領域、集中治療室などにおいて
麻酔、挿管、人工呼吸療法施行時のモニターとして
行われてきたものです.

人体の呼吸は吸気で酸素を吸入し、二酸化炭素(CO2)を呼気で吐き出します.
呼吸状態の悪化や、呼吸抑制の状態となれば
パルスオキシメーターによる酸素モニターの低下だけでなく
呼吸が弱まることにより、吐き出される
二酸化炭素(CO2)の濃度も低下します.
呼気のCO2を測定することにより、つまり
早期の呼吸抑制や呼吸の悪化を検知することができ
より早い対応が可能になるというわけです.

今回このNIHON KODEN の CO2モニターの画期的な点というのは
挿管を行っていない、自発呼吸のある患者さんに
酸素吸入を行っているだけの患者さんに
装着可能な、口元で測れるCO2センサーであることです.

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さらには、鼻呼吸だけでなく、口呼吸も同時に関知するため
従来の麻酔科領域のCO2センサーと同様の精度の高い
CO2モニターが可能になります.

心臓カテーテル室での、緊急の患者さんの管理に
この自発呼吸用のCO2モニターが威力を発揮しそうです.
多いに期待しています.

呼吸状態の悪化を迅速に判断し、挿管、人工呼吸のタイミングを
逸しない事.
血行動態の悪化を迅速に判断し、IABP、PCPS装着のタイミングを
逸しない事.
患者さんの救命のための、大切なモニターとして
心臓カテーテル室において
CO2モニターは、これから必須の装備になると思います.

こちらがNIHON KODEN のCO2 センサーの製品ページです.

日本光電:CO2センサーテクノロジー(メインストリーム式)
http://www.nihonkohden.co.jp/iryo/techinfo/co2sensor/kogata.html#03

さっそく、わがカテ室のMEさんが
ためしにつけています.

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by yangt3 | 2007-07-14 00:08 | 一般