もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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地域医療

私が子供のころは
病院というと、近くの医院か
市民病院や公立病院にでかけていました.
田舎で少年時代を暮らした為
ちょっとややこしい病気となると
電車やバスを乗り継いで遠くの町の公立病院にまで
出かけていました.

大学病院まで出かけようとなると、それこそ一泊、二泊は覚悟して
それなりの準備をしていかなければ、受診できませんでした.

そう田舎の少年にとっては、大学病院などは
まるで王宮か宮殿のような響きがありました.

そんな地域医療を支えてきた自治体病院が
どんどん苦しくなっているそうです.

-------------asahi.com 2007.07.19
自治体病院の74%、赤字予想 診療報酬下げなど影響
http://www.asahi.com/health/news/TKY200707180672.html

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  自治体病院の74.4%が06年度決算で
 経常赤字になる見通しであることが、
 全国自治体病院協議会の調査でわかった。
 前年同期の63.4%から大幅に増え、
 年末に確定する決算では、
 赤字の割合が過去最大だった
 73年度の70.4%を超える可能性が高いという。
 06年4月の診療報酬引き下げに加え、
 医師不足に伴う患者離れが経営悪化に
 拍車をかけている実態がうかがえる。

 調査対象は都道府県立や市町村立など954病院で、
 503病院(52.7%)から回答を得た。

 回答した病院全体では、総収益が前年度決算比1.7%減となり、
 総費用はほぼ横ばいだったため、収支が悪化。
 80病院が前年度の黒字から赤字に転落する一方、
 赤字から黒字になるのは20病院にとどまった。
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公立病院も民間病院も
いまはどこも大変な状況であります.

大変になって仕事が過酷になりスタッフがやめて
残ったスタッフにしわ寄せがきて、どんどんまた大変になる.
そんな悪循環のスパイラルが止まりません.

04年度の新しい医師臨床研修制度を控えて
大学病院からの医師引き上げが始まり
当院もそのあおりを食らって、仕事がより過酷になっています.

大学医局からの医師引き上げで
診療の継続に支障を来している自治体病院も多いのだと思います.

以前に勤めていた全国チェーン病院では
常に慢性的に医師不足であって、まるで
現在の医療状況を予見していたようでした.

突然の医師退職は日常茶飯事で、常時医師募集していました.
真面目な顔で、病院の事務長が
友達や親戚、知人に休職中のドクターいませんか?と
なんども聞かれていました.

現在は、スタッフ不足にあえいでいる自治体病院では、
同じような状況だと思います.
時々、医師確保に全国を搬送する
自治体病院の事務長たちの姿が
マスコミのニュースに流れていて
本当に大変だなあと感じています.

公立、民間を問わず、これからどんどん
病院の淘汰が進んでいく事になります.

医療者として、この状況を頑張っていくには
自分なりに、確かな視点や戦略
医療への考えが必要だと思います.

でも正直なところ、子供が成人するまでに
医師を続けていけるかどうか
少なくとも今のままの仕事を続けられるかどうかは
かなり不安ではあります.

最後に日本医師会のホームページに掲載されていた
記事を紹介します.


------------------日医ニュース 平成19年7月20日
医療・介護における地域貢献
http://www.med.or.jp/nichinews/n190720g.html

 私たち医療専門家の立場で,これまで当然と考えていた,
 医療を通じた地域社会における貢献という概念が,
 ここにきてさまざまな言われ方をされるようになっている.

 語られる極論のなかには,経済活動と対極において論じてみたり,
 予算の過剰な行使ではないかとされたり,
 いずれにしても経済発展を阻害するかのごとき言辞が,
 あろうことか,政府関係の会議の中でまで語られているようである.

 しかしながら,地域医師会が主体となって運営委託されている
 地域産業保健センターの運営や産業医活動が,
 国民の就業活動を応援する意義があることは論をまたない.

 たとえ,診察や投薬,そして,検査・治療を目的とした通院や
 入院に時間を割かれることがあったとしても,
 それは医療の一環として,結局,患者さんの社会的活動性を
 確保するためなのである.

 時代の変遷に合わせてさまざまな調整は必要であり,
 臨床の現場において継続的なイノベーションは実行してきているが,
 医療における本質は,いささかも変わってはいない.

 医療は労働集約型産業と言われているように人件費比率が高く,
 薬剤や医療材料,その他の経費率や在庫管理も高止まりがちである.
 最近続く,診療報酬切り下げ改定とも相まって,
 企業努力を重ねても利益率は低く,救急対応や予防接種,
 その他の政策医療も,その割合を増加させれば,
 公的医療機関の多くがそうであるように,
 あっという間に赤字体質となってしまう.

 このままでは,いくら医療保険での切り詰めを進めても,
 救急,その他をサポートしていることによって,
 地域のかけがえのない基幹病院に積み上がった赤字を解消するために,
 新たな税金投入を持続的に行う必要が増えるばかりだ.

 その意味では,現行の改革路線は必要な財源を渋って
 税の別項目に付け回しをしているに過ぎないように思われる.
 さらに視点を変え,経済的効果という側面から
 現代の地域医療を考え直してみると,
 生産性が低いと言われる医療の,
 地域における役割の別な側面が見えてくる.

 人件費が多いと言うことは,医業収入の多くが,
 税や保険料などを納入したうえで,給料として地域に還元され,
 地域経済の活性化に寄与しているのである.

 また,諸経費も世界企業や中央の大企業だけでなく,
 地域産業に還流されている.
 これは介護においても同様の実態と考えられ,
 医療法人が介護を含めた地域貢献をしていることは,
 二重三重に地域経済に寄与していると言えるのではないだろうか.

 願わくは,医療のあり方や将来像を語る方々には,
 こういった現実をご覧になったうえで,
 実態に即して医療関係者と地に足が着いた論議を
 していただくべきではないかと考えている.
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夕張の問題を他山の石となして
しっかりとした戦略、対策を考えて
激流の波に呑まれないように
しっかりと地域で頑張れるように.

まだまだやるべき事は沢山あります.
by yangt3 | 2007-07-26 00:03 | ニュース