もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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赤ちゃんの動画配信

携帯電話を使った家族支援画像配信システム
「今日の赤ちゃん」に取り組む医療機関の
ニュースを見つけました.

-----------CHUNICHI Web 2007.08.24
集中治療室の赤ちゃんの動画、携帯電話に送信 
長野・信州大病院
http://www.chunichi.co.jp/article/national/news/
CK2007082402043353.html

 信州大医学部付属病院(長野県松本市)は、
 新生児集中治療室(NICU)に入院する低体重新生児と、
 離れて暮らす親とのきずなを深めてもらおうと、
 携帯電話を使った家族支援画像発信システム
 「今日の赤ちゃん」に取り組んでいる。

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 頻繁に面会できない家族に、医師が赤ちゃんの動画や静止画を
 メールで家族の携帯電話に送信する仕組み。回数は要望に応じ、
 通信料は家族が負担する。昨年八月から運用を始め、
 これまでに五家族が使用。「わが子の頑張りが伝わる」と好評だ。
 きっかけは、同病院が開発した、
 白血病の子どもが生活する小児科の無菌室と、
 家庭を結ぶインターネット通信システム「e−MADO」。
 家族とパソコンの画面を通して会話できるようになり、
 無菌室の子どもたちのストレスや孤独感が減少したことから、
 携帯電話への応用を試みた。最も電波出力が弱い携帯電話を使い、
 医療機器に影響がないことを確認した上で運用した。
 同病院小児科の馬場淳医師は「通常ならば母子関係は出生後、
 数時間で始まる。離れていてもわが子の毎日の様子を見て、
 親になった実感を持ってほしい」と話す。
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経験のある方も多いと思いますが
集中治療室に入室、入院となった場合には、
家族、親族といえども、規則通りに面会時間が
制限されることが多いです.

病院に詰めていても、集中治療室に入院している間は
多くの場合、家族は、家族待機室などで
待っているしかありません.

夜間に病状が急変すれば、家族待機室に呼び出しの電話が
かかります.
多くの家族の方が待機している場合には
「○○さんのご家族の方はお見えですか?」と
呼ばれる事になります.

患者の家族が見えない待機室で
ひたすら自分の家族の無事を祈り
電話が鳴るたびに
もしかして家の大切な人になにか?と
びくびくしてしまいます.

治療については、医療スタッフにまかせるしかない以上
家族にできることは、患者さんの傍にいて
一刻も早い回復を祈る事なのです.

残念ながら、まだまだ現在の病院というところは
集中治療を受ける家族のケアに
十分に時間をかけることができないのが現状です.

そういう意味で、今回の信州大のNICUの試みは
素晴らしいと思います.

入院加療されている患者さんだけでなく
それをささえる家族へのケアに心を配る事も
大切な仕事だと思います.

可能であれば集中治療室だけでなく
他の入院患者の方々についても
こうした動画配信システムができれば
心配している家族も安心されることでしょう.

病院からの一方向の動画配信だけでなく
遠方の家族からの画像やビデオメールなども
入院闘病中のベッドサイドに頻回に届ける事ができれば
精神的なストレスも緩和されるのではないでしょうか.

家庭では、さまざまな家電やIT機器が
どんどん入ってきていますが
医療現場では、保守的というべき状況が続いています.

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ゲームニクスとは何か
ー日本発、世界基準のものづくり法則

幻冬舎新書

サイトウ・アキヒロ著

わが家では、子供たちが、毎日、WiiにDSに
ゲームをして楽しんでいます.

大人がWiiやDSを使おうとすると
まずマニュアルを読んでから、ということになるわけですが
子供たちは、マニュアルなんて見向きみせずに
ゲーム機をどんどん触って使って
すぐに遊べるようになってしまいました.

なぜ子供は食事を忘れるほど
ゲームに夢中になるのか.

この書では、日本のゲームがなぜ
世界中の子供たちを夢中にさせたかが書かれています.

ゲームを科学し、ゲームに隠されている
人を夢中にさせるノウハウを抽出して理論体系化したものが
ゲームニクスという理論です.

そしてこの書を読めば分かる通り
ゲームニクス理論は、ゲーム作りに留まらず
医療・福祉、教育分野への応用もできるということが
注目するべき点です.

なんだゲームの本か、なんて食わず嫌いされずに
医療スタッフの方にも必読だと思います.

この書で紹介されているゲームニクスの基本的な原則は
次の4つです.

・第一原則 直感的なユーザー・インターフェイス
      (使いやすさの追求)

・第二原則 マニュアルなしでルールを理解してもらう
      (何をすればいいのか迷わない)

・第三原則 はまる演出と段階的な学習効果
      (熱中させる工夫)

・第四原則 ゲームの外部か
      (現実とリンクさせて、リアルに感じさせる)

この四つの原則は、単にゲームに留まらず
例えば病院のアメニティ
心地よさ、快適さ、快適性、よりよいQOLなどの実現に
有効では無いかと感じました.

書の中で取り上げられているように
例えば最近、教育現場で、ニンテンドーDSを使った
百マス計算の実践や、単語の学習などが
成果を挙げている事実があります.

医療現場では、リハビリテーションの場に
実際のゲーム機(モグラ叩き)を持ち込む事で
患者さんたちのリハビリへの意欲が高まったという
事例が紹介されています.

医師の仕事、看護師の仕事、医療スタッフの仕事は
これまでは、マニュアル重視のやり方でした.

どこの部署にもそれぞれの現場に立脚した独自の
マニュアルがあり、職員はまず
それを完璧に身に付ける事から仕事が始まります.

学校の勉強のように、マニュアルを教科書的に
読んでいくだけでは、実際の仕事の場において
マニュアル通りに動く事は、そうそう簡単にできることではありません.

たとえば患者さんとのコミニケーションスキルのアップのために
RPG(ロールプレイング)の技法が取り入れられています.
これはまさしくゲームニクスの理論の実践ではないでしょうか.

個人的な経験でも、教科書やマニュアルで基礎知識を得るとしても
それが本当に生きた血となり肉となるのは、
現場での経験に裏打ちされてこそです.

医療現場での教育においても、ゲームニクス理論を取り入れることで
よりよい教育効果が得られると思います.

自分の大学時代のプリントやスライド主体の講義を思い出して
本当にそう思います.

机上の講義よりもベッドサイドでの教育の方が
本当にためになりました.

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病院に患者として受診された方には
どなたもそうだと思いますが
初めてかかった病院で、どうしたらいいか途方にくれた経験は
よくあると思います.

受付で問診表をかいて、保険証を出して、診察券を作成し
何階の何科にいってくださいといわれて
そこで迷子になり
やっとの思いで診察を受けたと思ったら
やれレントゲンだ、採血だと、あちこちに行ってくださいといわれ
また迷子になり....

病院勤務の私でさえ、他の病院に行くと
かってがわからず、本当に迷子になりそうです.

電子カルテが導入している最新の病院も
あの診察受付機や再来機はまるでATMのように
使いにくいと思いませんか.

どこの科を受診していいのか
まずそこから悩むわけですが
そういうところは、まだまだ不親切ですね.

もちろん我が病院も、反省することが多いです.

子供もおじいちゃんもおばあちゃんも、始めての人も
初めてのWiiのように
迷わず、分かりやすく、病院での診察、治療を受ける事ができたら.

このゲームニクスの理論を病院にも応用することで
解決策が見えるような気がします.

さてさて実は、我が病院の透析室でも
ちょっと真剣にWiiの導入を検討しています.

透析患者は透析のために内シャントを作成しています.
シャントを長持ちさせて、血流をよくするためには
シャント側の腕をよく運動させることが必要になります.

透析室にWiiを置いて、Wiiスポーツをやれば
楽しみながら自然によい運動になると思います.

さらに透析室にいくのがなんとなく怖いと
思っているようなおじいちゃん、おばあちゃんも
Wiiで気分転換すれば
つらい透析もすこしは気分がはれると思います.

こんな小さなところから
私たちもゲームニクスを実践いきたいと思います.

WiiやDSが単なる子供のゲームに過ぎないという
思い込みから脱却すること
異なる業界の智慧、暗黙知を
取り入れる事が
閉塞感を打開するきっかけになると思います.

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by yangt3 | 2007-08-31 00:08 | ニュース