もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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頑張れ!透析室

以前の病院でも、現在勤めているこの病院でも
透析室があり、いつも透析できる環境で
過ごしてきました.

夜間透析を含む定期の透析だけでなく
緊急透析や、救急患者の透析も
スタッフの協力により行う事ができます.

平均寿命がのびたこともあり
高齢者の透析導入が増えています.

さらには糖尿病による腎障害(糖尿性腎症)による
腎不全の透析導入も増えています.

一方で診療報酬改訂による影響により
透析治療体制にも崩壊の危機があります.

近隣の基幹病院でさえ、慢性透析の受け入れが困難に
なった例もあります.

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---------------中日新聞 CHUNICHI Web 2007.08.24
増える透析<4> 医師不足 治療体制崩壊の危機
http://www.chunichi.co.jp/article/living/health/CK2007082402043401.html

  透析機は電源が切られ、ベッドにもシーツが
 かぶせられたまま。愛知県津島市の市民病院では昨年から、
 透析治療を休止している。理由はそれまで常勤していた医師が辞め、
 後任が見つからないためだ。市としては早急に医師を見つけ、
 再開させたい意向だが、現状はメンテナンスの費用だけがかかり、
 閉鎖に追い込まれかねない状況だ。

 こうした事態は、この病院に限ったことではない。
 全国腎臓病協議会(東京都)が今年四月にまとめた全国調査では、
 昨年から今春にかけて透析治療の縮小・廃止などを行った医療機関は
 全国で六十余にのぼり、
 「透析医療の提供体制も崩壊の危機に直面している」(栗原紘隆常務理事)。
 透析医療そのものを辞めてしまった病院が十八カ所。
 縮小の内容は
  ▽新たに受け付ける患者を腹膜透析に限定する(三カ所)
  ▽働きながら透析を受けている患者に不可欠な夜間透析をやめたり
   日数を減らしたりする(四十カ所)−だった。
 (血液)透析は通院回数も多く、一回の拘束時間も長いだけに、
 患者の社会参加への影響も大きい。
 それだけに、廃止・縮小といった事態は深刻だ。

 透析歴三十年、山形県腎友会副会長の海和博司さん(52)
 =山形市=が通う病院も四月から夜間透析が廃止された。
 透析にかかわっていた内科医がいなくなり、
 夜間透析の安全性が確保できないというのがその理由。
 これまで午後五時から行っていた治療は、
 同三時からに繰り上げられ
 「週三回は、会の活動を二時に切り上げなければならなくなった」と語る。
 同県では県南部の置賜地区でも三病院が新規の患者は腹膜透析のみで
 血液透析を受け入れないことを決め
 「患者が治療法の選択すらできない状況」と危ぶむ。
 また、地域の患者の中には現在でも県をまたいで
 透析治療に通う人も少なくないといい、海和さんは
 「本来、患者の地元で治療を受けられるのが望ましいのだが…」と憂う。

 透析治療を受ける場は確保できたとしても
 「専門医がいない病院も多く、しびれや痛みといった
 合併症への対応ができるのか心配」とも。
 海和さん自身も心臓の病気を抱えるだけに、
 安心して透析医療を受けられる場が減ることへの不安は隠せない。

 調査でも、縮小・廃止の理由について
 医師不足や経営的理由を挙げる病院が多い。
 医師離れの背景には
 「隔日で行わないと患者の命の危険に直結するため、
 盆や正月休みもない」といった透析医療ならではの特性もあるようだ。

 日本透析医会の山崎親雄会長は度重なる診療報酬の改定にも触れ
 「特に夜間透析が廃止・縮小される背景には、
 透析患者の高齢化(平均導入年齢六六・四歳)で
 ニーズが減少しているといった指摘もあるが、
 昨年の改定で夜間加算が減額されたことも影響している」と強調。
 栗原常務理事も「次回の診療報酬の改定でさらに引き下げられるようであれば、
 縮小・廃止する病院はさらに増えかねない」と懸念を示した。 
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日本の透析治療は、他の分野と同じく
治療成績は世界一と言われています.

世界十二カ国の透析患者の治療や予後を調べた調査(DOPPS)によれば、
透析患者が一年後に死亡する確率は、
日本を一とすると、欧州が2.84、米国が3.78,

日本透析医学会の調査(二〇〇六年末現在)でも、
透析歴25年以上の人は
前年比853人増の8275人に達するといわれています.

透析治療が続けるためには
まず内シャントと呼ばれる手術を受ける必要があります.
前腕や上腕に動脈と静脈をつないで太くしたり
人工血管を植え込んで
透析のための体外循環を行う為です.

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定期的に長く透析治療を続けていくために
このシャントが閉塞しないように定期的な管理が必要になります.
場合によれば再手術を行ったり
狭くなったシャント血管に対してカテーテル治療を
行ったりします.

さらには透析患者さんの
心臓病の診断、治療も重要な問題です.

当院も透析室をもち、多くの透析患者さんのケアを行っている為
循環器科の診療において
透析の方々のケアは、大きなウエイトを占めています.

透析患者さんの狭心症、虚血性心疾患のカテーテル治療も
カテーテル全体の中で大きな比率を占めています.

透析患者さんの、頚動脈の動脈硬化、それにともなう脳動脈硬化の
診断と治療も大切なことです.

下肢の動脈硬化への対策と治療も重要です.

長期透析を受けられている方には
腎性骨異栄養症による骨痛や関節痛
アミロイド沈着による透析アミロイド症などの合併症にも
注意が必要となります.

副甲状腺腫大への対応も必要になります.

こうしてみると
透析患者さんのケアを続けていくためには
透析専門医だけでなく、内科医、循環器科医、整形外科医、
整形外科医、内分泌医(内分泌外科)などなど
多くの専門医の力が必要なことがわかります.

さらには夜間透析や緊急透析などに対応していくためには
選任医師だけではなく、透析治療を現場でささえる
透析スタッフ(看護師、ME)が充実していなければなりません.

医師不足だけが注目されがちでありますが
質の良い透析治療を続けていくためには
こうした専門スタッフの存在は、本当に頼りになります.

東可児病院では、最新の透析設備と優秀な透析スタッフがあり
内科医、循環器科医、脳外科医が定期的に
透析患者さんの回診も行っています.

それぞれの専門分野において
透析治療の質を上げる努力をしています.

縁あってこの東可児病院に循環器科医師と赴任した以上
専門のカテーテルの技術を生かして
透析患者さんの狭心症、下肢動脈硬化症の治療にも
力を注いでいきたいと考えています.

最近では、精力的にシャント造影も行っています.
シャント不全も、可能であれば
シャントのカテーテル治療を行いたいと考えています.

すでに透析患者さんのカテーテル治療、ペースメーカー植えこみ、
シャントカテーテル治療を何件も施行し
実績も積み重ねています.

厳しい時代だからこそ
崩壊の危機に直面している透析療法を
なんとか現場でがんばって
質の高い治療を続けていきたいと考えています.

透析患者さんの全ての治療が
私たちの病院で全て完結できるようにというのが
一つの目標です.

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by yangt3 | 2007-09-03 00:05 | 一般