もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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救急車、老朽化でピンチ

以前に勤めていた病院には
病院専属の救急車を所有していて
患者さんの転院搬送、他病院からの
救急患者受け入れのために、この病院所有の
救急車が活躍していました.

解離性大動脈瘤の患者さんを大学の心臓血管外科にまで
高速道路を駆使して
病院の救急車で搬送したことがあります.

病院専属の救急車の出動の際には、医師が同乗するわけですが
専属の運転手がいるわけでなく
医事科職員の若手が白衣をきて救急車を
運転していました.

救急隊による救急搬送と違い、救急救命士の同乗もなく
スタッフは全て病院からとなります.
人手が必要であれば、医師以外にさらに病院の看護師が
同乗していきました.

可茂地区では、可茂消防の方々の尽力によって
重症患者さんの病院間の転院搬送も、全て
可茂消防の救急車による救急搬送が可能になっています.

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たとえば大規模災害などが起きた場合には、
救急車が何台あっても足らない状態となるので
病院が専属で救急車をもつということが
メリットになると思います.

しかし実際には、病院それぞれが救急車を所有し
それを維持、運用するには、マンパワーや費用の面から
地方の民間病院にとっては、あまり現実的ではありません.

それよりも病院と救急隊と、地域の基幹病院との間での
連携をより強固によりスムーズにすることの方が
より現実的であるようです.

このように救急車、救急搬送を円滑に安全にするために
日々、救急隊、消防本部の方々が尽力されているわけです.

最近の救急車は、本当にハイテクなのですが
一般的な話ですが救急車の新車1台を購入するためには
1900万円から2500万円ほどかかるそうです.

救命のためのさまざまな機材なども当然必要なわけで
それらを合わせると
さらに費用がかさみますが、当然の必要経費だと思います.

財政ピンチとなった、かの夕張市では
救急車も老朽化して困っているそうです.

-------------asahi.com 2007.09.06
夕張、救急車もピンチ 老朽化、搬送中にエンスト
http://www.asahi.com/health/news/TKY200709060297.html

a0055913_01567.jpg


 北海道夕張市の老朽化した救急車が、
 急病患者の搬送中に高速道路で動かなくなり、
 他の自治体の救急車の助けを借りて
 急場をしのいでいたことが分かった.
 夕張市の救急車は2台.
 いずれも札幌市などの基準では更新期を過ぎているが、
 財政破綻(はたん)した夕張市は自力で新車を購入できない.
 「夕張市民に安心を」.
 藤倉肇市長が6日朝、北海道庁を訪ね、
 「新車」の配備を陳情した.
 実現までは老朽車をだましだまし使っていくしかないという.

 市消防本部自前の救急車がエンストしたのは、
 8月15日午前7時すぎ.
 急患の搬送は、財政難のため、
 市の基幹病院だった市立総合病院(171床)から
 診療所(19床)に衣替えした夕張医療センターからの要請で、
 苫小牧市立病院に向かっていた.
 それが、道央自動車道の千歳インター付近で
 完全にエンジン停止してしまったという.

 焦った救急隊員は近くの千歳市消防救急隊に応援要請.
 15分ほど現場で待っただけで代替搬送してもらったため
 事なきを得た.

 この救急車は、96年購入で
 走行距離12万4000キロ余.
 点検した結果、エンジンの交換が必要だったが、
 財政事情から修理代を含め
 47万円の中古のエンジンにせざるを得なかったという.

 00年に購入した他の1台も、
 走行距離はすでに13万5000キロ.
 札幌市消防局の基準
 (購入から6年または走行距離12万キロ)なら、
 どちらも更新期をとうに過ぎている.

 「これでは夕張市民は安心して暮らせない。せめて1台は新しく」

 藤倉市長は道庁への陳情を前にこう話した.

 救急車の新車は約1900万円。仮に陳情が実っても、
 中に積む救命措置機材や消防用無線などの
 内装費用約1300万円は市の負担になりそうだが、
 財源のめどは立っていないという.
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救急体制の整備、医療の整備は
安心して暮らしていくための最低限の
インフラであると思います.

道路や高速道路を整備して、長い時間をかけて
遠くの病院に出かけていったり、救急搬送するよりも
自分の住んでいる地域の医療環境、救急環境を整えるほうが
暮らしている市民の感覚としては
ありがたいと思います.

この日本で、財政破綻した自治体だとはいえ
老朽化して搬送中にエンストするような救急車を
使用せざるを得ない、という現実があることを
私たちは、ちゃんと認識する必要があると思います.

心肺停止状態、心室細動で救急搬送となる場合にも
救急車内に、救急救命士が同乗して
AEDや必要な救急装備を駆使して、迅速で的確な処置を行えば
救命につなげる事ができます.

この日本で、救急車内に、必要な救急装備がないために
患者さんが不利益を被るようなことがあってはならないと思います.

先の記事で紹介した
本田先生の
「誰が日本の医療を殺すのか」を改めて
読み返す必要がありそうです.

地域に本当に必要なものを援助したり整備していく
体制になって欲しいと思います.

各地域の消防隊も、救急車を含め救急装備が
充足しているというわけではないと思います.
日々進化する医療機器を常に最新のものに更新しなければ
なりませんし
よりよいプレホスピタルケアのためには、
やはり十分な装備と人員が必要だからです.

地域の人たちや市民が
医療や救急に関心をもって、意見をいえるような環境作りが
できるようになればと思います.

この記事に関しては
ぜひ現役救急隊、救急救命士の方々からのコメントを
期待しております.

貴重なご意見をぜひ聞かせてください.

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by yangt3 | 2007-09-12 00:02 | ニュース