もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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プロフェッショナル

子供の頃は、パイロットになりたいとか
科学者になりたいとか、スポーツ選手になりたいとか
その時々に夢中だったものにあこがれて
無邪気にいろいろと将来への
夢を抱いていました.

身近な大人たちの影響はかなりあって
お父さんが医師であれば、その子供も
やっぱり医師になりたいと考えていましたし
警察官の子供は、警察官に
先生の子供は、先生に
両親の仕事に、ある種の尊敬の念を抱いていて
親の家業を継ぐ事に、それほどの
違和感を抱いていませんでした.

中学の頃は、国語の先生にあこがれて
文学書などを片っ端から読む事を覚えて
真剣に国語の先生になろうと考えた時期もありました.

いろいろな紆余曲折を経て、現在は、医師として
働いています.
親も医療とは関係ありませんし
ブログに語るような劇的な出来事があったわけでもありません.

当たり前のことですが、外から見えることと
内側から自分で体験することとは、かなりの違いがあります.

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たとえば、私が医学生の頃は
臨床実習で、一応各診療科を周り
だいたいの概略はつかんだ上で、各自
自分の進むべき専門分野を決める事になります.

内科に向いているとか、外科に向いているとか
ほとんど素人判断のような形で
そして多くは、先輩たちの誘いでもって
自分の所属する医局を決定したり
研修先を選んでいました.

現在は、新臨床研修制度があって
私たちのころよりは、もう少し実地に沿った
各科の診療が体験、実習できるようなシステムになっていて
より客観的に進路を決める事ができるように
なりつつはあると思います.

医療の分野でも、専門分化が進んで
同じ病院内でも、専門と異なる診療科の実際は
なかなか分かりにくくなってきています.

ご覧になった方もおられると思いますが
先日、NHKの茂木健一郎さんのキャスターによる
プロフェッショナルという番組で
救難ヘリコプターパイロットの 森 公博さんが
紹介されていました.

---------------------------NHK-プロフェッショナル 仕事の流儀
空の伝説 試練の海へ
ヘリコプターパイロット・森 公博
2007.9.11日放送
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/070911/index.html

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 ヘリコプターパイロットには、
 職人技にも例えられる難しい操縦がある。
 救助隊員を現場の船などに降ろすため、
 空中で静止する「ホバリング」だ。
 最大の敵は、“風”。刻々と向きや強さが変わる
 “風の息”に合わせて両手両足の操縦機器を絶えず
 ミリ単位で操作しながら、機体をピタリと止める。
  森は言う。
 「(ヘリを)動かすのは割と簡単だと思うんですよね。
 でも、それを変えないために努力することとか、
 考えるということっていうのは、やっぱり、
 相当エネルギーがいることかなと思います。」

 森さんの考えるプロフェッショナルとは
 「現場での実力というのは、やれるかやれないかなんですね.
 百の言葉より一の行動で、仲間の信頼が得られる実力を持った人、
 それがプロフェッショナルダと思います.」

自分の専門の仕事と異なる職種の方々の
実際の苦労を知る事は
自分の仕事の意味や専門性を客観的に考えていくために
そしてこれからの仕事へのモチベーションを上げていくために
大切なことだと感じています.

この森さんの場合も、海上保安庁の救助を行うにあたり
さらに数多くの職員がプロフェッショナルとして
ベストを尽くして、仕事を支えているることを
改めて実感しました.

-----------兵士を見よ
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小学館文庫
杉山 隆夫 著

普段知ることのできない自衛隊の戦闘機F-15 のパイロットに密着して
かかれたルポタージュです.
パイロットたちの過酷な訓練や毎日の仕事を
つぶさに知る事ができるだけでなく
常に死の危険と向き合う仕事を支える家族の
心情も知る事ができます.

特筆すべきは
救難隊の実際や、救難ヘリパイロット、救難員(メディック)と
呼ばれる職種の現状が
細かく記載されていることです.

メディックになるための訓練のすさまじさは
それはすごいものです.

立場は違っても、同じく救命に携わるものとして
彼らプロフェッショナルたちの話は、
本当に読みごたえがありました.

自分の医療の仕事について考えてみれば
病診連携とか、医療連携だとか、医療機関のネットワークなどの
必要性が語られています.

プロとしての仕事を行うためには、
自分の実力を知り、さらに協力する他の職種の力も
知らなければ、よいチームワークはできないということです.

最近になりプレホスピタルケアの重要性が叫ばれ
多くの講習会が開かれています.

こうしたプレホスピタルケアの地域への啓蒙を通じて
病院以外の救命のプロたちの仕事ぶりが
ここで紹介した救難パイロットたちと同じく
より詳しく、皆に知られるように
なればよいと思います.

本当のプロフェッショナルは
私たちのすぐ身近にあって
言葉をかたることなく黙々と
プロとしての行動をこなしているのです.

子供の頃とは違って、自分も仕事で毎日苦労していて
様々な職種で働いている方々の苦労が
本当に身をもってわかるようになりました.

そして、こうしたあらゆる分野のプロフェッショナルの
仕事をしることで
改めて日本人としての人間としての
自身やアイデンティティを確認できるように思います.

私たちの仕事を日々支えてくれる
様々な職種のプロに感謝しつつ
また頑張って行きたいと思います.

自分の子供たちに、親と同じように
医師になって欲しいかどうかという質問は
つまりは、現在、自分の仕事に
誇りが持てるかどうか、
仕事に生きがいを感じるか、
仕事が楽しいか、
そんな自問自答に、自信をもって
答えられるかどうかだと思います.
by yangt3 | 2007-09-25 00:05 | コーヒーブレイク(雑談)