もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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冠動脈CTで循環器の外来が変わる

最近、週に一回は
春日井市にある先輩のクリニックに出かけて
外来のお手伝いをしています.

灰本クリニック
http://www.haimoto-clinic.com/index.htm

週一回の循環器外来を担当しており
病院での循環器外来とは違う
開業医オフィスでの外来診療の実践の
勉強にもなっています.

オンラインで、いろいろな専門家にアクセスできる
病院とは違って、開業医の外来では
ある程度のことを自分で判断する必要があります.

したがって外来での方針は、病院への紹介
入院加療が必要な状況など
トリアージも大きな目的となります.

こうした外での貴重な経験についてお話します.

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(なぜか敬愛する内科医です!)




2〜3年前までの循環器科の外来では
狭心症の疑いの患者さんが来院されると
型通りに
心電図、胸部レントゲン、血液検査などを行い
心エコー検査、運動負荷心電図などの
結果で症状を判定していました.

明らかな胸痛があったり、労作性の症状がある場合には
冠動脈の狭窄病変を疑って
冠動脈造影検査、いわゆるカテーテル検査を
行っていました.

循環器科のない病院、カテーテル検査の出来ない病院
もしくは開業医の先生のクリニックなどでは
心筋梗塞や、不安定狭心症でなければ
とりあえず内服治療が開始されることになります.

狭心症の内服治療にても、症状が改善せず
持続する場合に、改めて
カテーテル検査が可能な循環器の病院に紹介されるという
段取りがこれまでのやり方でした.

本来であれば、狭心症が疑われた段階で
早めに心臓カテーテル検査で
冠動脈病変の有無、狭窄の有無がわかれば
その後の診療、加療も安心して行う事ができます.

万が一にも不安定狭心症にあって治療の遅れがあっては
重大な結果を起こす事にもなりかねません.

狭心症の疑いがあって、冠動脈の狭窄が疑われ
早いカテーテル治療が必要な患者さんには
診断のために
冠動脈造影、カテーテル検査を勧める事になります.

少しでも検査が楽になるように、患者さんの負担が増えない様に
右手首の血管から
日帰りでのカテーテル検査を
行ってきました.

狭心症の疑いでカテーテルによる冠動脈造影検査を行っても
冠動脈には、造影で全く狭窄を認めないとうことも
よく見られる事です.

少しでも不必要な検査を減らす事が出来ないかどうか
ということも、大切な検討課題でした.

さらには、最近の知見によると
急性心筋梗塞となる冠動脈の病変は
冠動脈造影でみられる有意な狭窄だけではなく
いわゆる”不安定プラーク”と呼ばれる
病変から怒ることがわかってきました.

これまでは、冠動脈造影検査で疑わしい病変は
IVUS(血管内超音波)を行ってさらに詳細に検討していました.

もッとリスクが少なく、患者さんに負担のかからない方法で
狭心症の検査、冠動脈の検査ができないかどうか
皆がそう思っていました.

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最近の、春日井のクリニックでの外来スタイルは
かなり変わりました.

狭心症の疑いの患者さんが来院されると
心電図、血液検査、レントゲン、心エコーなどの検査は
これまで通りですが
疑いがあれば、CT検査を行うようになりました.

最近の高性能なCT検査により
かなり精密に冠動脈の状態を調べる事が可能になりました.

冠動脈を評価し、冠動脈狭窄の病変をきちんと診断するためには
かなりの高性能なCT機器が必要とされます.

狭心症の疑いの方が来られた時には
クリニックの近くの冠動脈検査が可能なCTを保有する
病院に検査を予約します.

CT検査ですので、造影剤の点滴は必要ですが
入院もいらず、外来で、短時間で
検査が完了してしまいます.

冠動脈CTの結果は、1週間ほどで
またクリニックの方に、送られてくるので
その結果をもとに、次ぎの治療戦略を考える事になります.

冠動脈CT検査で異常がなければ
あとは、カテーテル検査は行わずに
内科的治療を続行しています.

冠動脈CT検査にて狭窄やプラークを認めた場合には
治療のために
初めて心臓カテーテル検査/治療が行われる事になります.

冠動脈CTにより負担の少ない方法で
冠動脈の状態を調べる事ができるために
不必要なカテーテル検査を減らす事ができます.

もし冠動脈の病変があったとしても
カテーテルを行う前に、冠動脈の病変が
どの程度の重症度であるかもわかるため
治療の安全性も高まるわけです.

この冠動脈検査の可能な高機能CTですが
循環器の診療を行っている病院に
急速に導入が広がりつつあります.

病院だけでなく、循環器の専門クリニックでも
この高性能CTが導入されるところもあります.

当たり前のことですが、
わざわざカテーテルを行わなくても
冠動脈の検査が可能であれば
楽な負担のかからない方法の方を選ぶと思います.

何年かのちには、
この冠動脈CT検査ができない病院では
循環器の診療が制限されることになるかもしれません.

少なくとも
狭心症や、急性心筋梗塞のカテーテル治療を行う病院では
この冠動脈CT検査が必須のものとなりそうです.

当院でも、この冠動脈CT検査が可能な
高性能なCTの導入に向けて
現在、検討中です.

カテーテル検査が必要ですとお話をすると
けこう躊躇される方も多いのですが
この冠動脈CT検査であれば、検診的な感じで
比較的簡単に冠動脈の検査が可能になります.

この冠動脈CT検査が可能は高性能なCT
64列マルチスライスCT(64列MSCT)が導入されることにより
循環器科の診療も多いに変わって行くと思います.

逆にいえば、これからは
この冠動脈CTを使いこなせない循環器の病院は
淘汰されていくのかもしれません.

とりあえずは、もし64列マルチスライスCTが導入されれば
すぐにきちんとした冠動脈CT検査が可能となるように
カテ室スタッフ、レントゲンスタッフは
頑張って知識の習得に努めています.

先日の土曜日は、私は、外来で手が放せませんでしたが
レントゲンの若手Tama君と、ME伊藤君が
豊橋まで、CTの勉強に出かけています.

 タマ日記
 CCT Imaging in 豊橋ハートセンター
 http://tamaoking.exblog.jp/7515183/

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その際に、ちまたで話題の心臓CT解析ソフトである
ザイオサンプルビューワを分けてもらってきました.

掟破りの ”Macでザイオ” をこれから試みてみるつもりです.
(Windows OSも手に入れましたし
 Boot Camp でMacで窓を動かす予定です)

当院は、透析患者さんも多く診療しており
透析患者さんのカテーテル治療も比較的多く行っています.
こうした透析患者さんの
非侵襲的な心臓の評価、それから問題となっている
末梢血管、下肢動脈の非侵襲的な評価が
CTによって可能になれば
患者さんの受ける恩恵は計り知れないと思います.

いずれにせよ高額な医療器械ではあり
頑張って仕事をして
関係各位にぜひOKをもらうべく
これからも頑張っていきます!

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by yangt3 | 2007-10-02 00:00 | 一般