もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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スムーズな救急搬送

最近、重症患者さんの転送のために
救急車に同乗する機会が増えてきました.
当院では、心臓血管外科がないため
重症管理を必要とする場合には
IABPや呼吸管理を行いながら、近くの
心臓外科施設に搬送する必要があるからです.

循環器救急においては、特に医師の同乗は必須です.
急性心筋梗塞や急性冠症候群の患者さんにあっては
搬送中に血圧低下やショック症状
心室細動などを発症するリスクも高く
緊張感の高い救急搬送になります.

たいていの場合は、当院でカテーテルの必要な処置を
行い、ほとんどの場合、心臓補助のためのIABPが
装着されているケースが多いのです.

救急搬送の際には、輸液ポンプだけでなく
こうしたIABPなどの医療器械も一緒に搬送することになります.

当院の循環器救急の病院間搬送は
医師である私とMEのIT君と、救急隊の皆さんとの
チームでの搬送です.

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当院から一番の最寄りの心臓血管外科施設までは
救急車を使用して20分程度の距離になります.

このわずか20分が緊張の時間です.

研修医の頃は、こうした救急搬送同乗の際に
やっぱり怖いと感じていましたが
それは、医師としての実力が伴わず
急変時に、どうしていいかわからないという不安からでした.

循環器として多くの症例を重ねた今でも
やはり怖さはあります.
必要な処置が分かっていても、設備、施設、マンパワーの問題で
どうしようもないと判断される時
迷わずに、患者さんの転送を決断します.

狭い救急車内では、もし心肺停止になった場合、もし心室細動に
なった場合、AED、人工呼吸のあとの
2次処置が十分にはできません.
ましてや急性心筋梗塞や急性冠症候群の場合の急変は
専門的な2次処置が必要です.

必要なこと、やるべきことが分かっていても
できない状況で患者さんを搬送するのは、
すごいストレスです.

無事に患者さんを転送先の病院に送り届けた時には
本当にほっとします.
もちろん患者さんの治療は、まだまだこれからですが.

地域性もあるかと思うのですが
患者搬送のために救急車に同乗する経験から感じる事があります.

通常は救急車両が通過する時には、沿道を走行している車は
停車、最徐行して救急車両の走行を妨げないようにしなければなりません.

救急患者のことで気持ちが高ぶっているせいもあるかもしれませんが
サイレンをならして救急車が走っているのに
なかなか前を走っている車が徐行してくれなかったり
停車してくれなかったりと
そんなことが気になります.

そんななか救急搬送を迅速に行う為に、現場急行支援システムの
運用が青森県で始まったそうです.

-----------------東奥日報 2007.12.12
救急搬送支援システム運用始まる
http://www.toonippo.co.jp/news_too/nto2007/20071212091945.asp

 重症患者の救急搬送をより迅速に行うため、
 県警は十二日から、救急車の接近に合わせて
 進行方向の信号を青に切り替える「現場急行支援システム」を運用する。
 これに先立ち十一日、救急車を実際に走らせ信号の動作などを
 確認する走行試験を青森地域広域消防事務組合消防本部の協力で行った。
 結果は良好で、関係者は救命率向上や、
 運転者の負担軽減等に手応えを感じていた。

 青森戸山高校近くの青森自動車道救急車退出路から、
 県立中央病院までの約三・三キロが対象。同システムは東北初、
 全国で十二番目の導入で、
 十月から十一月にかけて制御プログラム更新などを行い、
 現場の意見を聴きながら約二週間かけて信号のタイミングを微調整した。

 同日の試験では、同本部東消防署筒井分署の救急車がサイレンを鳴らさず
 赤色灯のみ点灯し制限速度内で走行、約六分で県病に到着した。
 救急車接近を知らせる情報板を道路沿い四カ所に設置しており、
 青森市小柳交差点を右折する際も、交差する道路の車両に向けて
 「救急車接近」の文字が表示された。

 県警交通規制課の須藤一邦次長は「一般道に合流する際、
 少し時間がかかったが、最初の信号から県病まで一般車両で
 九分程度かかる道のりを五分以内で到着できた」とし、
 緊急走行ではさらに時間短縮が図られるのでは、と期待感を示した。
 また、山口智博消防司令補は
 「最徐行、一時停止、再発進と、
 今まで赤信号で傷病者、運転者双方にかかっていた負担が軽減される」
 と語った。
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こうしたシステムが我が町にも導入されることを
期待したいです.

私見ですが、医療スタッフは、できるだけ全員
救急車同乗を体験するべきだと考えます.

救急隊の皆さんが病院実習として
病院内での業務を勉強するように
現場の医師も看護師も、救急車に同乗することで
いろいろなことを感じて、有用な体験ができると思います.

私も救急搬送を重ねるたびに
どうしたら救急搬送をもっとスムーズに安全にできるかということを
常に考えるようになりました.

個人の力でできることは限られている為
当院でも、若手スタッフや有志を中心に
救急隊との連携を深めてくれているので
非常に心強く感じています.

来週12月19日(水曜日)には
可茂消防との救急検症会が開催される予定です.

よき循環器診療のためには
もっと幅広く我が町の救急体制を考えていかなければならないと
若手にはっぱをかけて
私も頑張ろうと思います.

追記;今回の救急検症会には
 症例のプレゼンに、当院若手スタッフが参加させていただきます.
 現在、パソコンとカルテとにらめっこしながら
 鋭意準備中です.
 救急隊の皆さんとの有意義な時間を過ごせることを
 楽しみにしています.
 それにしても救急車に同乗するたびに思いますが
 救急車両を運転する救急隊の皆さんの
 ハンドルさばきは、いつも感服しています.

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by yangt3 | 2007-12-13 00:01 | ニュース