もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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ドクターカー

ほとんどの病院は年末年始は、医師、看護師、スタッフが
休日体制となり、手薄となります.

当直医が常時つめているといっても
救急センターのように複数の医師が勤務している所ばかりでは
ありません.

中小病院の場合は、厳しい勤務体制を余儀なくされています.
こうした時期だからこそ、救急治療、救急体制の重要性が
痛感されられます.

昨今、救急をめぐる様々なニュースが流れていますが
救急治療の現場を担っているのは、やはり初期対応にあたる
救急隊、救急救命士の方々です.

---------中國新聞 2007.12.29
救急救命士の薬剤投与で初成果
http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn200712290025.html

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 広島市中消防署の消防・救急隊員が11月、
 中区の自宅で心肺停止となった会社員男性(44)に
 薬剤(アドレナリン)を投与し、
 男性の心拍や呼吸が戻るなど回復していたことが28日、
 分かった。2006年4月の救急救命士法施行規則の一部改正で、
 救急救命士による薬剤投与が認められて以降、
 効果が確認されたのは県内で初めて。

 市消防局によると、11月12日朝、男性が自宅浴室で倒れ、
 家族から119番があった。同署の大手救急・警防隊の7人が
 男性の心肺停止を確認し、電気ショックを4回繰り返したが、
 脈は戻らなかった。このため、救急救命士が医師とも連絡を取り、
 アドレナリンを投与。再び電気ショックを与えたところ、
 脈が戻った。男性は搬送先の病院で順調に回復し、12月に退院した。
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こと心肺停止の患者への救急治療は
いかに迅速に、的確な蘇生処置を行うかどうかにかかっています.

救急病院への搬送を行いながら
まず患者さんに心肺蘇生の初期治療を行うのは
現場の、救急車内の救急隊、救急救命士の方々になります.

現実的な対応としては
救急救命士の方々が救急車内で行う事のできる
医療行為の幅を拡げる事が、蘇生率を上げる為の
一番確実な方法ではないかと考えます.

これを実現させるためには、医療機関、医師、医療に携わるスタッフの理解は
不可欠であり、さらには一般市民の方々のより一層の理解と応援が必要です.

究極の救急治療は365日、全国でどこでも津々浦々、24時間態勢で
あらゆる地域をドクターカーがカバーすることなのでしょうが
現状の医師不足、医療崩壊の状態では
やはり無理なことです.

できることから、現実的な対応から
私たち地域の医療機関が協力できることから始めたいと思います.

そんな中、この地域でも年末年始に明るい話題がありました.

----------------------------YOMIURI ONLINE 2007.12.29
年末年始も救急治療 多治見で医師2人「ドクターカー」で
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/gifu/news/20071228-OYT8T00483.htm

 県立多治見病院(多治見市)の医師2人が、
 きょう29日から1月4日まで多治見南消防署に詰め、
 緊急時に重症患者の治療にあたる「ドクターカー」をボランティアで運用する。
 さる25日には、大阪で89歳の女性が、
 30の病院に救急搬入の受け入れを拒否され死亡する問題が起きたばかり。
 2人は「医師の数が手薄になりがちな年末年始に、
 全国で一番安全、安心なまちを目指したい」と張り切っている。

 ドクターカーに乗り込むのは、同病院救命救急センターの間渕則文センター長(49)と
 麻酔科の山田富雄医師(47)。間渕センター長が31日と1日、
 そのほかは、山田医師が24時間態勢で多治見南消防署に泊まり込む。

 多治見市内だけでなく、土岐や瑞浪、恵那、中津川市など東濃全域、
 隣接の愛知県瀬戸市などでも重体患者を伴う事故や急病人が発生した場合には、
 出動するつもりだ。

 救急車には救急救命士の資格を持った消防職員が乗り込むが、
 心肺停止の患者への電気ショックや輸液の点滴など、施せる医療行為は限られている。
 医師が乗り込んだ場合は、搬送中にも医療行為が施せるため、
 蘇生(そせい)率も大幅にアップする。

 休日出勤手当などは付かないが、2人は「予算や医師不足を考えれば、
 365日態勢でドクターカーを運用するのは困難。せめて年末年始だけでもと、
 名乗りをあげました」と話している。
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曲淵先生には、脱帽!という感じです.
予算、人員不足など、さまざまな問題はあると思いますが
こうした実績を積み重ねて
いつか理想の救急体制が構築されることを願います.

救急車で、重症患者を転送した経験のある医師、看護士の方々なら
当然了解されることだと思いますが
狭い救急車内で、患者さんの状態が急変した時
呼吸が止まった、心室細動になった、血圧が下がったなどなど
設備も器械もスタッフもいる病院の中とは違って
救急車の中は、かなり過酷な環境となります.

車内での救急活動は、かなりの経験と実力が必要となります.
地域の救急体制をよりよい物にする為には
私たちのような中小病院がまずできることは
地域の救急体制への協力を惜しまない事.

救急搬送の実際をもっと知る事.
私の個人的な意見では、病院スタッフ全員が救急車同乗実習をするべきと
考えています.

いつかわが病院も地域のドクターカー制度構築のために
消防署への泊まり込みに参加できるように
少しずつでも体制を整えたいと思います.

年末の検証会でも、ディスカッションしたように
蘇生後脳症への対応、低体温療法の積極的な導入、資材、体制の充実などを
最重要課題としたいと思います.

実は、南消防署が家の近くにあるので
心臓病の救急であれば、そのまま搬送途中に拾ってもらって
同乗して病院に向かうのも、悪くは無いと思っています.

改めて曲淵先生、山田先生の英断と、行動にエールを送りたいと思います.

こちらにも関連記事があります
--------YOMIURI ONLINE 2007.12.23
高規格救急車 医師ら同乗 高槻市導入1年
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/osaka/news/20071223-OYT8T00088.htm?from=goo

 大阪高槻市では、ドクターカーを導入して1年が経過したそうです.
 ドクターカーの導入により蘇生率、生存率が向上したそうです.

まずは救急、救命に関心を持つ事からです.
わが病院でもさらなる仲間を募集しています.
これからも頑張りましょう.

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by yangt3 | 2007-12-30 00:04 | ニュース