もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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救急コーディネーター

前に勤めていた病院は、救急病院として
救急は断らない方針でやっていました.

救急は断らずに、全部診るというのは
言うのは簡単ですが、救急搬送を受けてからの
病院での処置を考えると
かなり大変なことになります.

高次救命センター、三次救命センターであれば
夜間、時間外でも緊急手術や高度先進医療が可能な体制を
整えていると思いますが
通常の病院では、そこまでの体制をとる事は
実際問題として不可能です.

1次、2次までは対応可能としても、それ以上の重症疾患は
救命センターにお願いする事になります.

救急患者の搬送が遅れる事が、患者さんの処置の遅れに繋がらないように
できるだけ対応可能な救急については
救急搬送を受け入れる方針でやっています.

この冬場を迎えて、救急患者さんだけでなく、高齢者を含む慢性疾患の
患者さんも、同じく体調をくずし入院ベッドを必要とすることになります.

心臓病、脳卒中などの救急も冬場に増えるわけで
いつも冬場は、入院ベッドの確保に四苦八苦することになります.

a0055913_0271296.gif




各地の3次救急病院も、患者さんの急増により
大変な状況になっているようです.
-------------asahi.com 2008.01.05
3次救急病院、各地で苦境 患者急増、搬送拒否も相次ぐ
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200801040087.html

 救命救急センターなど生命の危機に陥った患者の治療にあたる
 各地の「3次救急病院」で、搬送患者の受け入れ件数が
 急増していることが、朝日新聞の調査でわかった。
 入院の必要な患者を担う2次救急病院の受け入れ態勢が、
 医師不足などで弱体化したことが主な要因に挙げられる。
 都市部の大阪でも、救命救急センターが本来は
 2次救急対応の患者の処置に追われて、
 重篤患者を受け入れられない例が相次いでおり、
 人命を守る救急医療態勢の立て直しが急務となっている。
 (後略)
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3次救急病院がこの現状なので
地域の病院の状況は押して知るべしといったところでしょうか.

厚生労働省が、救急搬送のたらい回しを防ぐ為に
病院探しのコーディネーター設置を計画しているそうです.

---------------asahi.com 2007.01.07
コーディネーターが急患搬送先探し 4月、全都道府県で
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200801060052.html

 救急患者の搬送先の病院が見つからずに手遅れになるのを防ぐため、
 病院探しのコーディネーターを各都道府県に置く
 政府の新規事業の概要が明らかになった。
 4月から、夜間や休日に医療専門家を待機させ、
 救急隊による病院探しが困難な場合に、代わって搬送先を探す。
 奈良県など各地で搬送遅れが問題になるなか、救急隊の手間を省き、
 搬送時間をできるだけ短くする狙いがある。
   
 コーディネーターは、医療知識に加え地元事情にも詳しいことが必要なため、
 地元の医師を充てる考えだ。平日の夜間(午後4時ごろ~翌午前8時ごろ)と
 休日(土・日、祝日)に、各都道府県に1人ずつ置く。

 夜間や休日は、救急患者を受け入れられる病院数が限られており、
 救急隊による病院探しが難しい場合がある。
 政府は、例えば救急隊が五つ以上の病院に受け入れを拒否されたり、
 病院探しに30分以上かかったりした場合に、
 コーディネーターが受け入れの依頼に乗り出すことを想定している。

 コーディネーターの選任や、実際の運用は各都道府県に委ねる。
 費用は、1県あたり年約3千万円を見込んでおり、
 都道府県と国が折半して拠出する。
 このための厚生労働省の08年度予算案7億円が、
 すでに昨年末の復活折衝で認められている。

 総務省消防庁の調べでは、
 06年に産科・周産期の病院に救急搬送された約3万5千件のうち、
 病院から5回以上受け入れを拒否されたケースが220件あった。

 昨年夏には奈良県橿原市の妊婦が11病院に受け入れを拒まれた末に死産。
 昨年12月末には、大阪府富田林市の女性が計30病院に搬送を拒否された後、
 病院に運ばれたが死亡している。
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地方に限らず、都会地であってもタイミングによっては
つまり救急搬送が重なった場合や、重症患者処置が重なった場合には
搬送、受け入れ困難になることもあり得ます.

いわんや災害や大型事故により多数の傷病者が発生した場合には
いかに患者さんを、適切な医療機関に搬送するかということは
大変な問題であり
現場のスタッフが診療の傍らで、片手間に出来る事では無く
選任スタッフの必要性が痛感されられるゆえんです.

救急コーディネーター作戦が成功するかどうかは
コーディネーターにどのような人選を行うかが鍵でしょう.

記事にあるように
医療知識のみならず、地域の医療事情に詳しいこと
私たちの地域であれば
即座に何人かの先生のお顔を思い浮かべる事ができます.

医療機関との連携をより深めていくためには
自薦、他薦も必要かも知れません.

さらには提携する地域病院にも
救急コーディネーターに呼応した体制をとる必要がありそうです.
 
院内の病棟の状況、その日その日のリアルタイムの
病院内の状況、医師の勤務状況、スタッフの勤務状況を
把握しているというような.

病院全体の重症患者の状況を把握して
どの程度の重症患者をどれくらい受け入れ可能か
24時間把握しているというような.

どこの病院も、限られた入院ベットと、限られたスタッフを
やりくりして診療にあたっています.

いわゆる、よくできる優秀なスタッフが
いわばボランティア的に各病院で動いているのが現状ですが
これからは、院内コーディネーターも
きちんとしたほうがよいのでしょう.

病院の中でも、診療科ごとの連絡、連携、コミニケーションは
十分でないこともあります.

例えば入院がかち合ってしまった、とか
緊急検査、緊急手術が肺って予定とガチンコしてしまった、とか
こんな場合に、医師同士があれこれするよりも
勝手を知っているスタッフが調整したほうが
うまくいく事が多いのも事実です.

以前に勤めていた病院では
スーパー婦長さんがいて(S.Hさんです)
院内コーディネーターとしても大活躍していましいた.

循環器救急が入って、いざカテ!という時に
婦長さんに、いまから緊急カテだからね!と電話すると
患者さんをカテ室に連れて行く時には
あらゆる準備が済んでいたのでした.

いまでは、お互いに前職を離れてしまいましたが
その婦長さんの元には、いろいろな人から今も連絡があり
退職したスタッフからの連絡もあって
まるで人材コーディネーターのようです(笑)

やはり救急も医療も基本は、ひと、ということでしょう.

さっそく我が病院の若手スタッフも
この救急コーディネートに興味を持っているようです.

私の病院でも、この救急コーディネーター鮮度を
少しでもお手伝いできたらと考えており
まずは院内の救急体制とインフラ整備を急がなくてはと思います.

とりあえず近々救急室でも
PACS(医療画像)が閲覧できる環境になる予定です.

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by yangt3 | 2008-01-09 00:27 | ニュース