もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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救急崩壊

救急に関するニュースが連日報じられています.

地方だけでなく、大都市においても救急医療の崩壊が
伝えられています.

-------MSN産経ニュース 2008.01.25
大阪の救急医療は破綻寸前 本紙調査
http://sankei.jp.msn.com/life/body/080125/bdy0801250012000-n1.htm

 「救急医療は破綻(はたん)寸前」-。
 産経新聞が大阪府内の自治体消防や救命救急センターに行った
 アンケート調査。返信された用紙には
 医師や救急隊員の悲痛な叫び声があふれていた。
 回答を分析すると、問題の背景には救急医療現場に携わる人々の
 「心身疲労」
 ▽搬送される頻度の高い「2次救急病院の減少」
 ▽縄張り意識ととられかねない「医療の細分化」
 -の主に3つの要因が浮かび上がる。

医師、看護師のスタッフの慢性的な不足、人員増強のめどもたたず
増え続ける救急出動に救急搬送.
3次、高次救急センターの慢性的なベッド不足、満床状態、
医療訴訟による医療関係者の萎縮などなど.

センセーショナルな報道だけでなく、そろそろ具体的な
対策を皆で議論する時だと思います.

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対応策としては、個々の頑張りや精神論に期待するのではなく
全体のシステムとして考える必要があります.

---------asahi.com 2008.01.26
急患たらい回し、公明が防止法案 空きベッド情報提供
http://www.asahi.com/health/news/TKY200801250331.html

 公明党は、急患を受け入れられる病院の空きベッド情報を
 消防署のシステムに提供することを促進する
 「救急情報システム整備法案」を、今国会に提出する方針を固めた。
 昨年夏、奈良県の妊婦が病院に受け入れを拒まれた末に死産したのをはじめ、
 同様のケースが全国で相次いでいることを受けた対策。
 システムを構築する病院に対し、国が財政支援をする内容で、
 今春をめどに法案をまとめ、自民党や野党に賛同を呼びかける。

 奈良県の事件では、119番通報を受けた救急隊が
 患者の受け入れが可能な救急病院を検索できる
 消防の「救急医療情報システム」を使った。
 しかし、近隣の病院の多くに空きベッド情報を提供する
 システムがないこともたらい回しの一因となった。
 整備法案では、国が財政的に支援してシステムの導入や
 情報を入力する事務職員の配置を促すことによって、
 たらい回しの再発防止を図る。

 事件を受け、公明党は全国の救急医療情報システムの運用状況を調査。
 全国の2次救急病院(1140機関)の約4割で
 空きベッド情報を提供するシステムがない実態がわかった。
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本当に救急の運営に役に立つ
システムの構築と運用は、強く望まれるところです.

問題は、空きベッドの状況だけでなく
真に患者受け入れ可能な病床数を把握できるか、ということです.

物理的に病室やベッドがあったとしても
それをケアする、治療にあたる医師、看護師、スタッフがいなければ
実際には、患者さんを受け入れる事は困難です.

事実、医師不足、看護師不足のために
病棟が閉鎖されるニュースもよく流れています.

とりわけ、3次救急、高次救急病院においては
沢山の専門分野のスタッフの充実が不可欠になり
どこの医療機関でも対応に苦労しているのが原状のようです.

---------神戸新聞ニュース 2008.01.25
機能失う3次救急病院 麻酔科医不足、重症者を制限
http://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0000813111.shtml

 麻酔科医不足が兵庫県内の救急医療に深刻な影を落としている。
「最後のとりで」の三次救急病院でも、
 県立姫路循環器病センター(姫路市)や県立柏原病院(丹波市)で
 麻酔科医の退職が相次ぎ、脳卒中や交通事故などの重症患者の受け入れを
 制限せざるを得ない状況だ。
 背景には、手術件数の急増で勤務が過酷になる中、
 勤務医が独立して「フリー麻酔科医」になる動きがある。
 (中略)
 麻酔は、医師免許を持っていれば原則誰でもできる。
 しかし、交通事故や脳卒中などの重症患者の場合、
 手術前後の患者の呼吸や血流などを管理する
 麻酔専門医の役割は重要さを増している。
 救急病院では、麻酔科医が「集中治療部長」や
 「救急部長」の肩書きを持つことも多い。

 県立がんセンター(明石市)の尾原秀史・麻酔センター長は
 「特に救急医療で麻酔科医は欠かせない」と強調する。

 循環器病センターの現状について、
 姫路市消防局は「心筋梗塞など循環器系疾患を除けば、
 昼間でも重症患者の受け入れは難しい状態」と指摘する。  
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救急を受け入れるためには、空きベッドだけでは
不十分なのは明らかです.

ベッドが空いていても、スタッフがいない.
もっと具体的にいえば、病院内で即時対応可能なのか
オンコールなのか、出張中などで、呼び出しが不可能なのか
いろいろな状況も含んで判断する必要があります.

言葉を変えればスタッフのバックアップ、体制がある空きベッドは
アクティブなベッド.
ただ空いているだけで、必要な人員が確保できない空きベッドは
インアクティブベッド、となります.

空きベッド状況の情報システムを作るだけでも、けっこう大変そうですが
救急の現場に今すぐに役に立つようするためには
こうしたスタッフ、病院の状況などなど
さまざまな情報の伝達も盛り込む必要があると思います.

結局の所、最後は、人、人、人ということです.

かの武田信玄候の歌にならって
〝人は城 人は石垣 人は堀
   なさけは味方 あだは敵なり〟

”医師は城、医師は石垣、医師は堀”

”看護師は城、看護師は石垣、看護師は堀’
などなど
いくらでも歌が作れそうです.

人を大切にする仕事でなければ.
by yangt3 | 2008-01-27 13:11 | ニュース