もはや東可児病院循環器科の非公式ブログです(^.^)


by yangt3
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疲労、過労について

外科医は、大きな手術の前は夜更かしせず
体調を整えて、翌日の手術に備えて早めに休んだりします.

循環器のカテーテル治療も、手術と同様であり
特に難しい症例では、ことさら体調管理には気を使います.

夜間の緊急呼び出しや、重症患者の連日の術後管理で
疲労が蓄積している時には
やはり集中力も体力も落ちてしまいますので
できれば、よい条件で治療をしたいと思います.

外科系の先生もそうだと思いますが、私の特技は
どこでも眠れる事です.
暇さえあれば、ちょっとでも仮眠をとるというのは
体力を保つ為に必要なことです.

昔かたぎの人から見ると、
昼間からうたた寝して、いい気なもんだなんて
思われるかもしれませんが
それなりに患者さんと仕事のことを考えて
計画的にうたた寝をしていますので、あしからずご了承下さい(笑)

現状では、スタッフ不足の関係で
十分な交代要員もなくやりくりしているため、仮眠をとりながら
頑張っています!

日曜日当直明けで、月曜日フルに働いて
夜診まで頑張ると、もうへろへろです.

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当然のことですが疲れたり、精神的に落ち込んだ時には
ケアレスミスも起こる事があります.

----------NIKKEI NET 2009.02.08.
若手研修医のうつ状態が投薬ミスにつながる
http://health.nikkei.co.jp/hsn/hl.cfm

 うつ状態の研修医(medical resident)は
 投薬ミスをする比率が大幅に高いことが、
 英アバディーンAberdeen大学(スコットランド)の
 研究グループにより示され、
 英国医師会誌「British Medical Journal(BMJ)」
 オンライン版に2月7日号掲載された.

 今回の研究は、米国の小児病院3カ所での
 小児科研修医123人を対象に実施されたもので、
 研修医の20%がうつ状態、
 74%が燃え尽き(burnout)状態であることが判明した.
 研究期間中、研修医全体で45件の投薬ミスが発生しており、
 うつ状態の研修医は、そうでない研修医よりも
 6.2倍の投薬ミスをしていた.
 投薬ミスの比率と燃え尽き状態との間には、
 関連はみられなかったという.

 この知見から、患者の安全のためには、
 これまで考えられていた以上に
 医師の精神面での健康(メンタルヘルス)が
 重要であることが示されると研究著者らは述べている.
 さらに、研修医に高い比率で燃え尽き状態が認められたことから、
 研修の方法がストレスを生み、
 研修医の健康を害していることも示された.
 ただし、今回のデータは、米国で研修医の勤務時間制限が
 施行される前に収集したものであるという.

 米国では年間9万8,000人もの患者が投薬ミスによって死亡しており、
 ミスが発生する理由として、睡眠や余暇の不足などによる
 研修医のストレスがよく挙げられている.
 投薬ミスと医師のうつ状態および燃え尽き状態を結びつけるのは、
 理にかなっていると思われるが、
 今回の結果は決定的なものではないと研究グループは述べており、
 投薬ミスを引き起こす要因を突き止めるには、
 大規模な前向き(プロスペクティブ)試験が必要としている.
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とはいうものの
疲れても疲れても、体と心にむち打って働き続けているのが現状でしょう.

同じ労働時間、勤務時間でも
疲労は、個人個人によって異なるもの.
個人の実情にあったきめ細やかな対応が大切であることは
いうまでもないでしょう.

肉体疲労の程度を客観的にはかるためのガイドラインが
発表されたそうです.

---------asahi.com 2008.02.16
肉体疲労の度合い測る「物差し」 日本疲労学会が世界初
http://www.asahi.com/health/news/OSK200802150100.html

 日本疲労学会は16日、健康な人の肉体疲労の程度を数値化して調べる
 「臨床評価ガイドライン」を発表した.
 疲れについての世界初の「物差し」となる.
 「疲れにくくする」などと表示できる特定保健用食品(トクホ)の
 開発や審査の基準に使われる.
 評価方法として
 (1)自転車こぎテストでみる身体能力評価
 (2)自分が感じている疲れを線分上に記入する疲労感評価
 (3)脈などを利用する生理学的評価
 (4)唾液(だえき)や尿を調べる生化学的評価の4項目計8種類を示した.

 (3)は最新の研究成果によるもので、
  指先の脈拍で自律神経機能をみる「加速度脈波法」と、
  パソコン画面に散らばった記号を素早く探す時間で
  脳の反応速度を測る「ATMT法」がある.

 疲れた人たちで、特定の健康食品を使った群と使わない群の
 疲労回復具合を4項目で比較し、効果程度を判定する.

 臨床評価ガイドラインは、
 近く日本疲労学会のウェブサイト
 http://www.hirougakkai.com/ に掲載される。

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医療スタッフの健康管理においても
労働時間で単純に管理するだけでなく
こうした個人個人の肉体疲労やストレスの程度を
よりきめ細やかに手当てを行っていけば
燃え尽き症候群の予防となり
ひいては、患者さんへのケアの質も向上すると思います.

人間はスーパーマンでもなく、超人でもなく
休む事なく動き続ければ、いつか限界は来ます.

--------------asahi.com 2008.02.15
過労になると脳下垂体細胞が次々と死滅 大阪市大実験
http://www.asahi.com/health/news/TKY200802150139.html

 極度の過労によって、脳の中心部にある内分泌器官、
 脳下垂体の細胞が次々と死滅していることを、
 大阪市立大の研究チームがラットによる実験でつかんだ.
 これまでは過労は生体の機能が落ちるだけとみられていたが、
 実際は生命維持の中心器官の一つが破壊されていることを
 初めて立証した.熊本市で15日から始まった日本疲労学会で報告した.

 厚生労働省によると06年度の脳・心疾患で死亡した
 「過労死者」は147人.研究チームは過労を早く見つける
 「過労マーカー」の開発に役立つと期待している.

 大阪市立大の木山博資(ひろし)教授(解剖学)らは、
 ラットの飼育箱の底に1センチ強の深さに水を張り、
 5日間観察した。ラットは体が水にぬれるのをとても嫌う性質があり、
 立ったまま数分うとうとする程度しか眠れなくなる.
 徹夜で働く人間と、ほぼ同じ状態だ.

 このような状態のラットの脳下垂体を調べると、
 5日目に細胞が死滅し始め、下垂体の中葉と呼ばれる
 部分がスポンジ状になっていた.

 下垂体中葉には、脳の神経核A14という部分から
 神経伝達物質ドーパミンが供給されている.
 疲労がつのるにつれて、A14のドーパミン生産能力が減り、
 下垂体の死滅細胞が増えていた.

 実験後、飼育箱から水を抜くと、ラットはすぐに睡眠をとり、
 半日後には活動を再開した.
 しかし、下垂体が元の状態に戻るには数日間かかった.
 早めの休養が重要であることを示している.
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疲労の蓄積と過労は
疲れたら休めばいいじゃない、なんてそんな
生易しいものではなさそうです.

仕事とストレスと、過労にどんどん押し流されて
気がつけば、もう後戻りできない状況となるなんて.

どんなに優れた機械もシステムも
結局それを動かしていくのは人です.

人の生命は地球より重いとは、よく言われる事ですが
現実は、どうでしょうか.
人が人らしく、無理なく過ごせるように.

過労死なんて、本当にとんでもないことです.

大切な家族のためにこそ
格好悪くても、生き続ける、ということだと思います.

追記;関連情報です.

-----------Tech insight 2008.02.21
米研究報告「怒りをコントロールできない人はけがの回復遅い」
http://japan.techinsight.jp/2008/02/satou200802211145.html

 「笑いは最良の薬」。この通説を裏付ける研究結果が20日、
 英医学誌である「Brain Behavior Immunity」に発表された.
 これまでにも、短気な振る舞いと冠状動脈性心臓病や高血圧、
 発作と関連付ける研究はあったものの、
 怒りによる回復過程への影響を直接測定したのは初めて.

 Gouin氏は、「怒りを表すことを抑制できる能力とけがの回復には
 医学的な関連性がある」と言う結論付けをし、
 怒りをコントロールする心理療法によって、
 手術やけがからの回復を早めることができるこもしれないとしている.

苦しいことや悲しい事や、ストレスはいろいろ
仕事をしている限り無くなるものではありませんが
疲労もストレスもなんとか、コントロールしたいものですね.
キーワードはやっぱり笑い!ですね.

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喜怒哀楽
by yangt3 | 2008-02-22 00:06 | ニュース